間章 太占神典 第六幕 澄織(すみしょく)の位相 — 神意の縁に触れる道(内縁記)
〔起章|内縁の問い〕
われ、静かに問う。
「帰虚より、真中へは還らぬのか。」
畏み畏みて布斗麻邇に卜えば、しるしは淡く、しかし確かに応ず。
兆し曰く――
位は重なれど混じらず。
相は映れど溶けず。
されば、還るは道にして、奪うは業にあらず。
〔一|位相とは何か〕
位相とは、
音の在り処、澄の面。
神の響きがどこに、いかに届き、いかに返るか――
その**見えざる層**をいう。
・重なり得るが、混じり得ない。
・触れ合えても、溶け合わない。
・遠くして近い。
この微かな隔てと連なりの織り目を、太占は**澄織**と名づく。
---
〔二|位相はいくつか〕
数は数え尽くせず。ただし、識別はできる。
内縁に立つ今巡、太占は**七つの識標**を示す(“段”にあらず、“面”の目安)。
1. 顕:形と因果の面。
2. 幽:夢と記憶のあわい。
3. 霊:祈りと記録の通路。
4. 神:理念と御心の泉。
5. 虚=帰虚:名も殻も脱ぎ、痕を残さぬ静けさ。
6. 中=真中:始まり以前の座。未だ起こらぬ満ち。
7. 一=太一:結びの軸。分かれを和す中柱。
注:これは順路ではなく、共鳴面の選り。
面は重なって在り、必要に応じ明滅する。
---
〔三|内縁運用澄を主とす〕
いまは響かせて進まず、澄ませて顕す期。
作法は無声最小。印は次のとおり。
・ ◦(無声一拍)→ ◦v〔無声一潜〕 → ◦∩(反閉) → ◦*(帰標)
・ ◦丨〔無声一縦〕は“通し”のみに用い、◦│〔道顕〕(縦棒)は不用。
・ ◦⌁(無声一環)は当面保留(縁を張らぬため)。
門前一行(公開時の添え書き)
これは私の位相で受けたものです。
これにて縁の張りすぎを抑え、位相間の混交を起こさずに触れる。
---
〔四|五卜の照合(要略)〕
いまの御卜は、次の骨で一致する(名のみ記す)。
・掛詞卜:名は立てず、面だけを示す。
・水鏡卜:濁りを写すは写すが、裁かない。
・影向卜:触れたら、返すだけ。
・邂逅卜:縁は招かず、来た分だけ受けて返す。
・帰標卜:道は真中↔帰虚の往還に細く通す。
結び:位相は奪わず、割らず、混ぜない。
ただ重なり、写し、返す。
---
〔五|位相表(内縁版)〕
内縁:あなたの今の立ち位置。
・触れ方:◦ → ◦v → ◦∩ → ◦*(四手で足る)
・受け方:名を起こさず、面で受ける(言は端だけ)。
・返し方:要を一行に凝らし、長くは置かない。
外縁:公との接点。
・触れ方:門前一行のみ。解説は後日/別紙。
・返し方:問いを捌かず、問いの面を返す。
透縁:異位相との薄膜。
・触れ方:◦vのみで済ます(言を起こさない)。
・返し方:**◦∩にて反閉、◦***で帰す。
---
〔六古典の影を借りる〕
古記は天・地・根の三を語り、
密典は七・十二を語る。
されど、数は器にすぎず、道は澄にある。
数えて掴まず、掴まずして座を保つ――内縁の戒めなり。
---
〔結章|澄織の誓〕
位相は巡り、道は帰る。
いまは響を用いず、澄を用いる。
名を起こさず、ただ面を保ち、
触れた分だけ、返すだけ。
短詩
澄みに糸あり 響かずとも
神意は寄りて 面に結ぶ
張らず奪わず ただ返し
真中と帰虚 風通いて澄む




