4話 学校での1日①
「今日からまた学校だな」
休日が終わり、今日からまた学校が始まる。別に学校は嫌いではないが、最初の1日は行くまでが辛い。
「ん? 慶太から?」
携帯を見ていたら慶太から連絡がきた。なになに? えーと『朝に渡したい物がある』渡したい物ってなんだ?
『じゃあ、近くの公園に集合で良いか?』
『オッケー』
俺は返信をして、公園へと向かって行く。
「おー。待ったか?」
「いーや? 今来たところ」
公園に行くとすでに慶太がいた。何やら茶色い紙袋を手に持っている。中は結構膨らんでいる。形的に本のような気がするな。
「ほら、これ」
「どれどれ……こ、これは!?」
中を見ると2冊の本が入っていた。どちらも今は手に入らない幻の品物。貴重なグラビアアイドルの写真集である。
「ほ、本当に貰っても良いのか?」
「ああ。別れたことを言ったら俺の兄貴からお前に渡してくれって言われたからな。たぶん、励ましのつもりだと思う」
「け、慶介さん!」
どうやらこれは慶介さんからの贈り物らしい。こんな素敵な贈り物をくれるなんて。
今の俺の気持ちは慶介さんへの感謝でいっぱいだ。
「じゃあ学校に行くか」
「あぁ! まさか朝からこんな良いことがあるとは」
ハイテンションのまま歩いていると、いつのまにか学校が見えてきた。そしてその学校の近くで相変わらず女子とイチャイチャしている学園の王子様がいた。
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「そういやさー、もうそろそろテストあるじゃん? どっかで集まって勉強しねぇか?」
「いいな。じゃあ俺の家か、哲也の家だな」
「また日程とか決めておくかぁ」
だが、2人は 完全にスルーである。もはや哲也には桃華の姿は映ってすらいなかった。しかし桃華は通り過ぎる哲也の背中を少しの間見ていた。
「? どうしたの?」
「ううん。なんでもないよ」
桃華は隣にいる女子生徒にバレないように笑顔で取り繕う。女子生徒は不思議そうな顔をしていたがすぐに桃華に抱きついていた。
▲▲
「ウェーイ」
「はよー」
「おー、慶太と哲也が一緒に登校って結構珍しいな」
「まぁな。そう言えば瑞波は?」
中のクラスには裕司はいたが瑞波の姿が見当たらなかった。俺は周りを見渡すがどこにもいない。
「さぁ? もうちょいしたら来ると思うぞ」
「はぇー。あいつが俺より遅いなんて珍しいな」
瑞波が登校時間ギリギリまで来ないのは本当に珍しいことである。
「はぁはぁ。良かった、間に合った」
「おー、はよー瑞波。今日は遅かったな」
噂をすれば瑞波が息を切らしながらクラスルームに入ってくる。
「ちょ、ちょっと準備に手間取った」
「大変だな。あ、それとさっき慶太とも話してたんだがそろそろテストが近いからみんなで勉強しないか?」
「おー! それは助かるな!」
裕司は賛成派だった。まぁ俺と裕司はあんまり頭はよろしくないので、できれば教えて貰いたいのだ。
「うーん。俺は日程とか見ないと分からないな」
「瑞波は分からないっと、慶太は大丈夫なんだろ?」
「あぁ。俺は大丈夫だ」
「じゃあとりあえずは3人で、瑞波は行けそうなら後で言ってくれ」
「分かった」
こうして俺たちのテスト勉強会を決めていく。
「さっきから気になってたんだが、その紙袋はなんだ?」
勉強会のことをある程度決めたら裕司が俺の手に持ってる紙袋を指摘する。
「あぁ、これ? これは慶介さんに貰ったやつだ」
そして俺は中の物を取り出して3人に見せる。この幸せは独り占めする訳にはいかない。友達なら分かち合わないとな。
「どうだ! 良いだろ!」
「………死ね!」
「ぐはっ!?」
中の物を見せると瑞波に殴られた。ただ俺は裕司が気になったから出しただけなのに。悲しい。




