13話 無敵な気分で予定立て
苦しいテストを過去最高と言っても過言では無い成績で乗り切ってしまった。どうしようもないくらいに幸せな気分だ。
「……ふふふ」
「おまっ、急にどうしたんだよ」
おっと、思わず笑みが溢れてしまった。急に笑い出したせいで慶太がやばい奴でも見るような目をしているな。早く訂正しないと。
「いやー、テストが過去1良かっただろ? 今その喜びを噛み締めてんだ」
「あー、確かに良かったな。裕司もお前も20位くらい上がったんじゃねーか?」
「大体それくらい上がったな」
なら、俺がニヤニヤしてしまうのも当然だ。昨日もそうだが、今日も無敵な気分だ。なにせ、明日から更に嬉しくなるからな。
「へへ、夏休み何しよーかな」
「そういや、そろそろ夏休みに入るな」
そう! 明日は終業式! つまり夏休みが近いのである。 もう何をしようかと今日から楽しみなのだ。
「夏休みは長ーからな。旅行とか行ってみてー」
休みが長いんだからパーッとどこかに遊びに行きたいよな。食べ歩きとか、観光とかもしたい。
「後は祭りとか海とかーー」
「おー、すげぇやりたいこと出てくるな」
「そりゃな。お前もなんかこれだけはやりたいって奴はないのか?」
「………うーん、俺は海に行きたいな」
海も良いよな。うんうん、分かるぞ。
「おー、何の話してんだ?」
「裕司か。いやな? 夏休みが近いから何がしたいのかって話をしてたんだよ」
「なるほどなぁ」
「ちなみに俺は旅行、慶太は海だな」
「俺は祭りかな。屋台で出るイカ焼きが食いたい」
裕司は祭りか。ふむふむ。
「確かに良いな。後で全員が空いている日をグループに入れようぜ」
「じゃあ、後で瑞波にも言っとくか。………あれ? そう言えば瑞波は?」
いまさらだが瑞波の姿が見当たらない。もう学校も終わったし、帰ったのだろうか?
「瑞波は委員の集まりがあるってよ。たぶん、もうすぐ来ると思うぜ」
裕司の言葉にハッと思い出す。あいつは確か図書委員だったな。
「あれ? お前らまだ帰ってなかったのか?」
と、噂をすれば瑞波がやって来た。何やら俺たちがまだ帰っていないのが不思議なようらしい。
「さっきまで夏休みの予定立ててたんだよ。瑞波はどっかやりたいこととか、行きたいところとかあるか?」
「ちなみに俺は祭りに行きたい。イカ焼きが食いたい」
「俺は海」
「俺は旅行だな」
俺たち3人は各々これは行きたいってところは決まっていた。瑞波は少し考えた後に言いづらそうに口を開く。
「…………ゆ、遊園地」
「確かに遊園地も良いな。良し、じゃあ各々決まった事だし、後は日程合わせるだけだ。それぞれ空いてる日をグループに書くぞ」




