運命を背負った少女ソフィア
昔々、ある美しい大地に一つの村があった。
穏やかな自然に囲まれた小さな集落。
ある日、ソフィアと名付けられたひとりの女の子が生まれた。
しかし残念なことに、彼女は物心付く前に両親を亡くしてしまう。
不慮の事故で父母を失ってしまったソフィアは、心優しい村長が引き取られることになった。
両親を早くに亡くしたソフィアだったが、村長の愛情に支えられながら成長していった。
村長は年老いていたが、自分の子供のように大切に育て、何よりもソフィアの幸せを願っており、自分の残された時間を尽くしてその世話をしていた。
そんなソフィアには、他の子供たちにはない不思議な力があった。
動物たちの気持ちが、まるで言葉になって聞こえてくる。
森の小鳥たちは、「おはよう! 今日はとても晴れやかだね」と囀り立てる。
村の猫は、「ねぇ、おやつをちょうだい」と、すり寄ってくる。
動物たちの声を、まるで翻訳された言葉のように理解することができた。
しかし、周りの人間にはそのことが分からないので、動物と話しているのを目にしても、彼らにはただの鳴き声としか聞こえないのだった。
この特別な能力は、ソフィアだけの不思議な力だということは、人々は気づいていなかった。
ある日、ソフィアは友だちに言った。
「ねぇねぇ、あのウサギさんがね、お腹が減ったって言ってるよ」
不思議そうな顔でこちらを見返す。
「え? ウサギが何か言ってるの?」
この時ソフィアは、自分だけが動物の気持ちを感じ取れる特別な力を持っていることに気づいた。
ソフィアは自分の不思議な力を秘密にした方が良いと感じた。
このことが知られてしまっては、きっと変な子だと思われてしまう。
「ごめんね、みんな。ひとりでおしゃべりしているように見えちゃうから…」
人目を避けて、誰もいない場所を選んで動物たちと話をするようになった。
そうして時が流れ、ソフィアは少女から美しい娘へと成長していった。




