2.レイドライバーと呼ばれた人型-いきなり砲弾が飛んで-
全48話予定です
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R-18表現を取り除いて、なろうでの寄稿を目指しています
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日曜~木曜は1話(18:00)ずつ、金曜と土曜は2話(18:00と19:00)をアップ予定です(例外あり)
レイドライバーと呼ばれたその人型は、戦闘力も圧倒的ながら連携がしっかりしている。ゼロワンと呼ばれたその機体は突撃専門、他の隊員がサポートに回る、そんな感じなのだろう。その為か、戦闘が始まってまだ数十分しか経っていないのに相手側に稼働可能な戦力はもう残っていない。
「みんな、弾は喰らっていないか? まぁ、喰らうような相手でもないのだが」
そう言いながら先程の人型に近づいて来たレイドライバーに乗っているのが、
――俺、カズヤだ。正式な名前はもちろんあるが、皆俺のことは[カズ]と呼んでいる。戦場では名前はただのコード、符号でしかない。この小隊では隊長機を任されている。年齢は、まぁ十代の彼女たちよりは上だが、そんなに離れているつもりはない、くらいだと信じたいが流石に十歳以上は離れている。
「あんなのに弾、喰らう訳ないじゃん」
――そう言う、初めに突っ込んでいったのがレイリア・ルーデンバッハ、この隊ではまさしく切り込み役をかって出ている。先程からゼロワンと呼ばれている機体だ。後先考えずに突っ込んでいくのがタマにキズだが、またそれもレイリアらしいといえるだろう。
「でも、後先くらいは考えてよね。サポートを守る身にもなってよ」
――そんな愚痴をこぼすのが、ゼロワンをはるか二キロメートル後方からサポートをしていたゼロツーというコードネームのスナイパー、トリシャ・エカードだ。いつもは一人でいる事が多く、あまり隊のメンバーとも親しくしようとしない。まぁ、作戦に支障が出なければ俺的にはなんでもいいのだが。
「ゼロツーの言う通りですよ、さっきも言いましたけどね、常に周りの状況は見回しておかないと。いくら戦力差があっても、慢心は一番の敵です」
――最後におとなしそうに、というか冷静に喋っていたのが、ゼロスリーの機体に乗るクリス・アンダーソンだ。何事においても一歩引いたものの見方をする、どちらかというと控えめな娘だ。でも、これは俺の、彼女と接していて得た印象であるが、どこか何かにびくついているようにも見える。だが、それはまだこの部隊が結成されて間もないせいもあるのかも知れない。それとも……いや、今は考えるのはよそう。
カズが、戦闘のほぼ終わった今頃に出てきたのは、別にサボっていたわけではない。ここ最近はほとんど出番がないのだ。もちろん、部隊の連携が整っているのもあるが、それほどまでにこのレイドライバーという人型兵器は戦況を一変させた。
カズは現場に到着すると辺りを見回した。突入前に事前に周辺地形のスキャンは行っていて他に敵がいないのはほぼ間違いないのだが、それにしては数が少ないような気がする。司令部からの事前の情報では車両一個大隊以上の集結地のはずなのだが。どこかに隠れているのか、それとも撤退したのか。
「周りの状況はどうだ?」
「特に異常は見当たらないけど?」
そう言うゼロワンの後方、ちょうど今自分たちが来た方角の少しずれた小山の影からいきなり砲弾が飛んで来る。当たりこそはしなかったがゼロワンの足元に着弾する。
「なんで!? 事前のスキャンではいなかったのに」
――詰めが甘かったか。
それはカズにとっても、いや、ほかの隊員の全員がそう思うだろう。だが、その姿を見て納得した。ホログラムが消えたところに数十両の車両群が展開していたのだ。
この時代は、ホログラムの技術自体は普及している。それこそ、おもちゃにだって積まれているくらいのものだ。携帯電話も、相手がその気になればホログラムを投影しながらの電話だって出来る。
では、何故そのホログラムを見抜けなかったのか。敵車両をよく見れば、格子模様のシートのようなものが被せてある。そのシートこそ敵の新兵器、というべきなのだろう。どうやらこちらがスキャンした、熱線、X線、電磁波の、いずれの方法でも検知不可能なシートのようなのだ。
確かに、熱線を出さないようにするシートは既に一般的に普及しているが、ここまでのステルス性能のあるものは、現在急ピッチで研究が進められているが、残念ながらこちらの軍にはまだない技術だ。
さらに特筆すべきは各車両のコールドスタートが優れている点である。これだけの台数だ、エンジンがかかっていれば流石にレイドライバーのソナーで拾えるが、今の今まで全くそんな気配はなかった。
それは、それぞれがエンジンを切っていたせいだろう。
通常、戦車などはエンジンをかけるのにしばらく時間がいる。それは暖機も含めて、かけてからしばらくしないと使い物にならないのだ。
だが、敵軍のエンジンのコールドスタート、つまりエンジンをかけてから使用可能になるまでの時間はとても速い。それこそ数秒くらいであろう。もちろんあらかじめ戦闘前に暖機してはいたのだろうが、これもやはりこちらの軍にはない技術である。
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