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1 席替え

あぁ、憂鬱だ、憂鬱というよりは終わったと言った方が正しいかもしれない。席替え、それは大多数の高校生にとっては窓際の席であったり、授業中に教師にバレずに睡眠をとることが出来る後ろの席を確保することこそが勝利ともいえるが俺はそうは思わない。


陰キャにとって席替えで最も大切なのは隣の席がクラスの中でよく話す人間であるということだ。もしもそんな人間が隣にいなければ休み時間は寝たふりをして過ごさなければならないだろう。


席を移動して話に行けばいい?ふっ、生粋の陰キャにそんな大それたことが出来るわけがないだろう。俺にできるのはせいぜいトイレに行くくらいだ。


そんな俺がどうしてここまで憂鬱だと言っているのか、それは隣の席の院西さんが原因だ。彼女はお嬢様で何でもできる完璧な存在だが、今まで一度も笑顔を見せず、誰に対しても不機嫌な態度で近寄りがたい存在だ。


そんな彼女が隣の席。もはやこれから次の席替えまで学校で一言も話さずに空気でいる自身があるぜ。


午前中の授業も終わり今からはお昼ご飯だ。周囲のクラスの人間もようやくお昼だと友人たちと和気あいあいと食事を楽しんでいるが彼女の方に目を向けると先ほどに増してさらに不機嫌に食事をしているではないか。


そんな彼女と目が合ってしまえばどんな目にあわされるか分からない、俺は彼女の存在はいったん忘れ、自分で朝から仕込んできた弁当を広げるのだった。


そうそう、俺の両親はかなり有名な料理人らしくて俺も子供のころから良く料理を仕込まれたもんだ。まぁ、将来、料理人になるつもりはないのだが物心ついたころから料理をしているせいか自分で食べるものは自分で作らないと気が済まないのだ。


今日のメニューはエビフライに卵焼き、野菜の和え物だ。自分で言うのもなんだが下手な高級料理店の食事よりもおいしいと思う。有名料理店のシェフである父親のお墨付きだから別に天狗になっているわけではないと思いたい。


俺の学校での楽しみはこれだけだ、早速、野菜の和え物から頂こうと箸を伸ばすと隣から感じたことがない視線を向けられているのが分かった。


チラッと目線だけ向け、その視線の主を確認すると院西さんがジィ~っと俺の弁当に目をくぎ付けにしているのだった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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