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四話 彼は魔竜王に捕まりました
四話 彼は魔竜王に捕まりました
「先輩、私は見たの。こんなパチモンフィギュアじゃなくて本物の小人を」
「うちに小人なんていない」
そう。小人ではない。エスパーダだ。
「だいたい私が見たのはこんなポーズじゃなかったもん。焦った表情してたし」
「そんなこと言われたって……」
どうやったら早く帰ってもらえるかと要は考えた。しかし何も思いつかない。
「先輩、小人は?」
「いない」
要は突っぱねた。
得はため息をついた。
「しょうがないわね。会、也」
マッチョ二人が要と得の間に入った。
「先輩が意固地で、強情なのは分かった。出来れば合鍵渡して会社に行って欲しいけど、それは無理そうだし」
得は玄関のドアを閉めた。
「先輩を動けなくしてから、じっくりとガサ入れさせてもらうわ」
得の弟達は要を結束バンドで後ろ手に縛り、風呂場に要を換金した。
「マリ!」
「ユウ!」
「オウ!」
「魔竜王!」
そして部屋から徳達の名乗りが再び聞こえてきた。