失った光
予定より遅れた
誤字見つけ次第修正します
「ゔぁぁ"あ"あ"あ"」
ついに後ろから追ってきてたノブオゾンビに追いつかれた
その"声に反応して"ほかのゾンビ達も集まってくる
「くそ!どうすりゃいいんだ」
「このままじゃ私たちもゾンビになっちゃうよ、、、粒谷くん、なんか案はないの?」
「え?!俺?、、、案か、まあないことはないんだが、嫌ないな」
「そんなぁ....」
永太はこれを打開できるかもしれない案はあった。しかしそれはとても危険すぎて失敗すると見捨てることにもなるのでとても実行したいとは思わなかった
「永太、お前嘘ついてんだろ、お前が隠し事するときよく左手で頭をかく、なんかあるならい言え!多少危険だろうが死ぬよりはましだろぉ!」
「ケイヤ.....」
それでも永太はやりたくは無かった、しかしこのままでは全滅必須、ここは一か八か頼るしかない
「あいつら目、腐ってんだろ。多分見えてないと思うんだよ、多分音とか熱とか匂いに反応してると思う。だから誰かが大声出して奴らを引きつけてるあいだに残りが脱出口を確保して外に逃げる、、こんぐらいしか思いつかない。しかもこれは誰か一人が引きつけ役をやらなきゃいけない。俺が....「なら俺がやろう」
言いかけた永太をケイヤが遮る
「ケ、、ケイヤ!?、聞いてたのか、奴ら全員から狙われるんだぞ、それまでに出口が確保できなかったら終わりだ!」
「なら、俺が適任じゃねぇか、こんなかで一番ガタイが良く足も速い、奴らから逃げるなら俺が一番適任だ」
ケイヤの言ってることは正しかった。少しでも時間を稼げる方がいいに決まっている。ならこの中で足が一番速いケイヤは適任だろう
「信じて、、いいんだな。」
「おう、任せとけ」
「すぐに!退路確保してくるからね!」
「じゃぁ、行ってくっか」
「........」
そういってケイヤは出口とは反対側の空いたスペースに向かった
「俺たちも急ごう」
「うん」
2人が出口に向かったのとケイヤが大声を出したのは同時だった
「うおおおおおおおおおおおおっ!」
ケイヤの声がホールいっぱいに響きわたる、そしてそれを聞きつけたゾンビ達は皆ケイヤ目指して歩き出した
なるべく音を出さないようにしながら出口に近づく
「うっ、これは酷いな」
「みんなもう死んじゃったんだよね」
死体の山、そうとしか表現できないものがそこにはあった。一体ここから逃げだせた人は何人いたのだろうか、よほど焦っていたのだろう皆我先にと急いだ結果がこれだった
「死んだらゾンビになる、、この人たちもなるかもしれない、急ごうカノさん」
「キツイけど頑張る....」
とても耐え難い異臭を嗅ぎながら死体の山を崩していく永太たち、、後ろは見なかった、任せろと、今でも退路を確保するために命を張って時間を稼いでくれている親友のためにも一刻も早く道を開きたかったから
どれくらいかかっただろうか。ついに道が拓けた
「ケイヤ!」
急いで振り返ると退路ができたことに気づいたのだろうケイヤが必死に走ってきていた。つまらないためにも先に外に脱出した永太達。ケイヤももうすぐ外に出れそうだった
誰もが助かると思い込んだ
出口の目の前で突然何もないところでケイヤが転んだ、その足には人の手が掴まれており...
「ケイヤッ!!!」
ある程度離れてしまっていた永太は急いでケイヤを助けようと近づく、しかし、
「く....来るな!永太ァッ」
それでも永太は止まらない。止まりたくはなかった、でも、その後の光景は最悪だった
ケイヤの足に手に体に頭にどんどん手が重ねられていく。そしてついに
ブズッとケイヤの足に爪が刺された、更にどんどん深くなっていき..
ケイヤの顔がどんどん青いものになっていく
「え...永太ぁ...俺はもうダメだ、俺を置いて逃げろ!今ならまだ時間を稼げる!!早く」
「ッッ!?出来るわけないだろそんなそとッ!」
ケイヤは言うことを聞かない親友にやれやれという顔おする。そして、
「カノさん、、、こいつを連れて逃げてくれ、俺はもう歩くことも出来ねぇ」
言われたカノさんは嫌だと思いながらもしかし断ることはできずにコクコクと首を縦に振った
「ケイヤッ、どうしてなんだよ!、一緒に!歩けないなら俺がおぶってッ.....」
そこまで言いかけた永太は止まった、親友の顔を見たのだ、まったく諦める気持ちがないようにすら思えるその顔を
「永太、、お前と中学から一緒にいてよぉ、ずっと楽しかったぜ、、、だからよぉ、俺の分も!生きてこい!!」
その言葉を最後にケイヤの体はゾンビ達によって完全に見れなくなってしまった
それでもまだゾンビ達が襲ってこないのはきっと中でケイヤがまだ抵抗しているのかもしれない
永太は完全に立ち尽くしていた、もし放置したのならずっと立ち尽くすだろう
カノが永太を引きずり場を離れようとする
永太はただ親友が喰われていくところを見ることしかできなかった、まだ救えるかもしれないと、助けられると思っても体が動かない
やがてどんどん離れていき、いつしかシェルターの入り口は見えなくなっていた
「....谷くん、......谷くん!」
俺は今何をしてるんだろう、親友を見殺しにして、今は女の子に手を引かれている
「...谷くん、粒谷くん!粒谷永太くん!!」
必死に俺のことを呼んでいる、、しかし俺は答えなかった、そしたら
パチンッと音がした、音を認識した後に頰に痛みがやってくる。永太はカノに平手で叩かれたのだ
「無駄にする気なの?」
いってることがわからないと、目で訴える永太
「わからない?君は親友の死を無駄にするの?って聞いてるの、文字どうり命を張って逃がしてくれた、きっとあそこで抵抗してなかったら私達は全滅だった。その死を無駄にするのって聞いてるの」
「俺は....」
永太は答えれなかった
「まだわかんないんだね、なら」
そう言って今度はグーで永太の顔面を殴りつけた。たとえ力のない女の子だとしてもその一撃はなかなか来るものがった
「生きろっていってんだよ!わかんないの?君は親友との約束を守らないの?」
今度こそ心に響いたその言葉
この終焉のような世界で彼女は生きることを選んだ
永太は空を見た、もう太陽が昇り終わってもいいくらいの時間だ、しかし全て灰色の雲に覆われていて地上に光が注がれることはなかった
「ごめん、カノさん」
空を見上げながら続ける
「俺も生きるよ、あいつとの約束、、果たさねえとな」
「うん」
永太は空を見るのをやめない、それはいなくなった親友を思ってから、それとを体から出てくる雫を落とさないためか、その両方かもしれない
何分経っただろうか、永太はいつもの調子に戻った
「よし、待たせたなカノさん、行こうぜ」
「うん、で、どこいくの?」
そうして二人は歩き出す。終わった世界で生き抜くために
なんか終わったみたいな感じだけど全然続きます