プロローグ
終焉...世界の終わり....それぐらいしか当てはまらないのうな光景が目の前に広がっていた。いや、実際世界は終わるのであろう。食料などの生産はすでに止まり、そもそも作る人間すらいない。安全な場所などどこにもなく生きるものは皆いつ襲われるかわからない恐怖の中生活している。太陽が出てきたても空にかかる厚い厚い灰色の雲に遮られ太陽光が地に降りてくることはない
そんな光を失ったこの世界で粒谷永太は一人立っていた
手には糸がほつれたりしてボロボロとなった一本の赤いリボン、それを大事そうにしまうと永太は深い、それは深く長いため息を吐き体から嫌なものを出そうとする
そして『生き残る』ことを目標にまた歩き出す
すでに失われた希望を求めて......
ーーーーーー2ヶ月前ーーーーーー
月曜日の朝、ほとんどの人が週の始まりに絶望し、また昨日の天国を思い出しながら各々学校に登校したり仕事に出勤する時間帯。粒谷永太も例に及ばずこれから始まる一週間を嫌に思いながら、しかし、休日会ってない友人と学校に着いたらなにを話そうかと楽しみにしながら登校していた
これから始まる一週間、きっと今までとなに変わらない日々が始まる。そしてこれからもずっと
そんな当たり前のことは頭にすら浮かぶことのない考え。きっと生きているほとんどの人が信じてやまない当然のこと、
そして時間は進んで行き3時間目のこと。
2時間目の体育で疲れた生徒たちは3時間目の古文の授業ということもあり寝てる生徒たちも多くいた。永太も眠くはあったが寝てはおらず意識はすでにまどろみの中でいつ寝てもおかしくない状況。それを自覚している永太はある妄想をすることによって眠気を覚ますことにした。
それは男子なら一度は考えてしまうような、されどとても夢がありわくわくするような妄想
『学校にテロリストがきてそれを逃げたり倒したりしながら自分がヒーローになったりする』というありきたりな妄想
3限が終わるまであと20分くらい、時間つぶしにはちょうど良かった
頭の中でどんどんテロリストを退治して行く永太。妄想は終盤に差し掛かりついにテロリストのボスと異能まで使った激戦を繰り広げられていた。そしてギリギリのところでボスを倒し永太は頭の中で英雄となっていた
頭の中はすごい、どんな力だって使えるしどんな相手だって最後には勝つことができる。そんな素晴らしい場所は、現実という絶対に抗えないものによって一瞬のうちに消されてしまう
いつもだったら授業の終了を知らせるチャイムによって呼び戻されるのだが今回は違った
ヴヴヴヴォォォォォンンンン
まるで世界の全てを否定するかのようなそのアラームは1分くらい鳴り続けた。そしてその間誰も声を発することができなかった
やがて長いアラームが鳴り終わり世界に静寂が戻る
「なんだいまの」
誰の声だっただろうか
しかしそのアラームのあと何かあったわけでもなくやがて授業終わりのチャイムが鳴り休み時間がやってくる
このタイミングで休み時間がやってくれば当然話はさっきのアラームのことになり、あちらこちらであのアラームがなんだったかの考察やら予想が飛び交っていた
もちろん永太も友人と一緒になんのアラームか予想をして喋っていた
このクラスにいる人、この学校にいる人、この街にいる人、この国にいる人、この世界にいる人
世界中で鳴り響いたアラームはしかし、自分の周りに何も起こってなければ、関係ないと思っている
極一部を除いて
その日の夕方。今日もいつもと同じ一日をすごしてた永太は家に帰りテレビを見ていた。いつもはこの時間のテレビはニュースしかやってなく面白くないからとゲームをしているのだが今日ばかりはアラームのことが気になりニュースに報道されてないかと見ていたのだ
しかしアラームに関係するようなニュースはどこもやっていなかった。かわりに
『速報です。巨大隕石が地球に衝突します。』
そんなアラームなんかよりももっとやばそうなニュースを報道していた
ニュースによると今日宇宙観測で巨大な隕石を発見しこのままの軌道だと地球と衝突するとのことだった
衝突予想地点はほぼ決まっており、あまり聞いてなかったがどっかの大きい山付近らしい。衝突までの時間がもう1日もないらしく、すでに近くの住民たちは避難を開始しているが急すぎることもあり、また信じないものや抵抗するものもいてあまり進んでいないのが現状だとニュースでやっていた
あと一日たらずで衝突するということはだいぶ近くにあったのに気づかなかったのかと思ったりもするがそんな遠いところに落ちる隕石など永太にとっては対岸の火事程度のことだった
もういいやと思い永太はゲームを始めた。そのまま夜までゲームをし、ご飯風呂を済ませて永太は疲れたこともあり23時ではあるが早めの睡眠をとることにした
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しかし現実というものはいつも予想どうりにいかないものである。予想によると19時間後に衝突予定だった隕石が急激に速度を上げ始めたようだった。もうカメラに捉えれるくらい近くにきている
そしてそのまま速度を上げていき
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音すらも置き去り隕石が衝突した。衝撃波により山が抉れ辺り一面を更地に変えていく
次に轟音がやってきてあとりに鳴り響く
まるで世界が上げた悲鳴のごとく
予定よりも早すぎた隕石の衝突はその衝撃波だけで何万もの人が犠牲になった
さらに数千メートルはある山をも消してまう
世界的にも大きすぎるこの災害に世界中の人が恐怖し注目した
連日のようにニュースに取り上げられ、いつしか人類史上初の大災害ということになっていた
しかし皆もう終わったことと思っている
これから始まる終わりを
世界が壊れる終焉を
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