旅行
旅行回。
私は北海道にスキーに行きたいです。
「あ、そういえば。」
「ん、どうかしたか?」
「この間、会社で私が関わった企画が成功したみたいで、ボーナスが結構入ったんですよ。
それで、どこかに旅行に行こうかなと思っているんですけど、一緒に行きませんか?」
「ん~、旅行か。いつ行くんだ?」
「そうですね…来週から、10日ぐらい休暇があるのでそこでどうかなと考えています。」
「お前、計画立てるの苦手なやつだろ。俺と同類のにおいがする。」
「あなたに同類なんていわれましてもね。」
そう苦笑しながらヒナはコーヒーをすする。
相変わらずツクヨミの作るランチセットは絶品だ。
なぜ、こんなにもおいしいのに人気が出ないのかヒナにはつくづく疑問に思った。
「計画ならツクヨミに立ててもらえ。どこか行きたいところなんかをいっておけばきっと入れてくれるさ。」
「何で行く前提なんですか…。」
そんなことをいいながらもツクヨミは乗り気だ。
「そうですね。いきたいところですか。私はスペインのサグラダ・ファミリアに行ってみたいです。完成まで100年ぐらいかかるっていわれている教会なんですよ。」
「サグラダ・ファミリアか。面白そうだな。俺は、ギリシャのオリンポス山に登ってみたいな。一度、ギリシャの神と話してみたかったんだ。」
「喧嘩を吹っかけるようなまねはよしてくださいよ。私はそうですね…。ドイツのケルン大聖堂に行ってみたいです。」
「後はクシナダだけか。何が出てくることやら。」
「クシナダさんなら大丈夫じゃないですか?」
「どうでしょうか?あの人は土地勘がありませんから。ニューヨークの五番街なんて言いかねませんよ。」
「そうだな、ここに送られる前、クシナダをどこかに旅行に連れて行こうとしたらあやつは日向(現在の宮崎県)といって、俺を奥州(東北地方)に連れて行こうとしたんだ。あんなことはこりごりだ。」
「じゃあ、写真を見せて行きたいところを選んでもらいましょう。それなら突飛なことは言わないはずです。」
「そうだな。ツクヨミ、任せていいか?」
「何とかしておこう」
「じゃあ、明日でいいですね?」
こうして、翌日クシナダを交えた4人で旅行の計画を立てることになった。
短い?
おっしゃる通りです。