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イヤーホール

作者: 葉月

久々に投稿します。拙い点ばかりだと思うのですが、作者自身も心に穴が開いたら耳に穴をあけたくなります。


そんな人がいれば見て欲しいな…。

心に穴が開くたびに私はピアスを開ける。


最初に開けたのは中学の時。

私の好きな人に好きな人がいて、私の好きな人の恋が叶ったのを知った時。

私は耳たぶに穴を開けた。


その次が中学の卒業式。

卒業式はやっぱり悲しいもので、周りも泣いていたしもちろん私も泣いていた。

そしてもう片方の耳たぶにもう一つ穴を開けた。

その時に耳たぶに開けるピアスをイヤーロブと言うのだと知る。


次が高校生になって1ヶ月が過ぎようとした頃。

仲のいい友達は他の学校へ行ってしまい、同じ高校へ入った唯一の友達もクラスが離れ、とても不安だった頃。

その時開けたのが、ヘリックス。

いわゆる軟骨ピアスだ。とても痛かった。

耳たぶとは比べ物にならないほどに。


その頃あたりから周りの人は私に近寄らなくなってくる。

近寄ってくるのは、いわゆる不良みたいな格好の人たちで、それでもその人たちと遊ぶうちは心に穴は開かなかった。


ただその人たちと遊んでると周りの評価はどんどん悪くなる。

しまいには、昔からの友達も、私と血の繋がりがある人達ですら近寄らなくなってくる。


私が悪いのに。周りの人達は悪くないのに。そんな事は分かっているつもりなのに。


私から汚い感情が溢れてくる。


心に穴が開く。


高校一年の終わり、次に開けたのはトラガスと呼ばれるところで、この場所は軟骨を開けた頃から気になっていた場所で。


軟骨は一度開けていたので私はもう大丈夫と思っていたが、やっぱり痛かった。


痛さとトラガスを開ける怖さが大きかった。


それでも穴を開けた後は心の穴が塞がった気がした。


高校二年になりクラス替えがあった。

まあ、どうせ人と関わらない私には興味のない事だったが、意味のあることにはなった。


クラス替え後の教室でしばらく誰とも話さなかった私に周りが慣れ始めた頃。

1人の男子が私に話しかけてくる。

話しかけるというには、とても緊張した様子で顔は赤くなっていた。


ああ、これはもしかして。もしかすると…



予想は的中。私は初めて告白された。


私みたいなのを選ぶなんてよっぽどの物好きがいたものだ。

どこがいいのだろう。こんな不良で無愛想でピアスだらけの私の一体どこが。

そう思っていると、男子が口を開く。


「高校一年の頃に初めて見たときから気になってて、でも誰とも話してないの見てると心配になったんだ。

どうにかしてあげたいって思ってて、それがだんだん好きに変わって言ったんだと思う。」


それを聞いて私は泣きそうになった。

涙目くらいにはなってたかもしれない。


こんな私を気にかけてくれた人が居たんだ。心配してくれる人が居たんだ。


それだけでいくら穴を増やしても埋まりきらなかった心の穴が、少しづつ埋まって行く気がした。


そして私に初めて大切な人ができた。


それからは耳に穴を開けることはなくなった。彼はピアスを受け入れてくれていたけど、もう開ける必要はない。


心に穴が開かなくなったからだ。

だんだんピアス穴が塞がって行く、その度に心の穴も塞がる気がしてた。


少しづつ、一つ一つ。

心も耳も穴が塞がって行く。

寂しさもあり、勿体無さもあった。


耳にはピアスの跡が残っているけど、それでも彼は文句一つ言わずに傷だらけの私を支えてくれている。


心も耳も穴が完全に塞がった頃に私は綺麗な(指輪)に薬指を通した。

見てくださった方はピアスの話などを聞きたいです。

作者はピアスが大好きです。

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