つながり
特別ということは、周りとの比較によって成立している。
高校生級の知能を持った小学生は、周りの小学生と比べて圧倒的に特殊で特別で、
あるところでは天才などと呼ばれたりもするのだろう。
真面目な学校の真面目な生徒の中に不真面目な少年が紛れ込めば「クラスの不良」という二つ名を頂戴
かくてクラスを構成する重要人物の一人に成り上がる。
不真面目な学校の中に真面目な少女が一人いると、教師陣からは当てにされ、
だれからも「委員長さん」と呼ばれる特別な存在になる。
僕も特別になりたい。
誰もが思う。
誰もが願い、誰もが特別であろうとするほど、誰の望みも叶わない。
特別な人間であるためには、周りの人が平凡な人間でなければならない。
一風変わったことをすれば、特殊にはなれる。
だがそれは、全ての人の可能性を奪った上で成り立っている。
何の努力もしていない人が、周りを蹴落としてまで目立とうとして
周りはそれを引きずり下ろそうとしている。
出る杭は打たれる。
英雄のいない国は幸福だ。
誰にでも英雄になれる機会があるのだから。