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なっちゃんと川でしばらく潜水したりして遊び、その後は、なっちゃん家でおやつにアイスをごちそうになって、おばあちゃん家に帰った。
その後、北側の本が置いてある涼しい部屋で、お昼寝をした。
夕方になり、おばあちゃんとスーパーにお買い物に行き大奮発で甘エビのお刺身を買ってもらった。
おばあちゃんが夕御飯を作っている間に、私は畑の茄子やら、キュウリやらに水をしっかり撒いた。
ついでに庭の木にも水をやり、玄関前にも水打ちしたら一気に涼しくなった。
気持ちいいなぁ。
おばあちゃんと、肉じゃが、キュウリとトマトのサラダ、茄子の味噌汁、甘エビとイカのお刺身をいただく。
エビが本当に甘くて美味しい。
ここはどちらかと言うと山に囲まれた土地だけど、1時間ちょっとのところに海があって、新鮮なお魚が食べられるのだ。
野菜やら、お米はおばあちゃん家で作ってるし美味しいものがいっぱいある。
クーラーがなくても涼しいし、周りは田んぼだらけで緑がとってもきれいだ。
おばあちゃん家は好きだなぁ。
夕御飯を食べて、片付けがすんだらおばあちゃんと交互にお風呂に入り、その後おばあちゃんは謡いのお稽古。
私はテレビを見ていた。
10時をすぎおばあちゃんとお布団を並べて休む。
「おばあちゃん、今日は川に泳ぎに行ったよ。」
「そうね。真ん中あたりは深いから気をつけなさいよ。」
「うん。あそこの川今泳いじゃいけなくなってるの知ってた?」
「あれ、そうだったね。まぁ、危なくないようにすればいいよ。」
「そうだね。気をつける。」
おばあちゃんにあの事話そう。
「おばあちゃん、あの幽霊の話ね、なっちゃんが直接息子さんに聞いたんだって。」
「そうかね。」
「なんか、廃品回収の時に息子さんと二人になってその時に、おじいさんとおばあさんが怖がって家を出たいって言ってて、困ってるって話してたんだって。」
「…」
「それで、前から普通に生活しているように出てたお嫁さんが、始めは顔を伏せていたんだけど、だんだん顔を上げてきて、もう少しではっきり表情が見えそうで、それが怖いっておじいさんとおばあさんが言ってたんだって。」
「…」
「それで、なっちゃんが息子さんは大丈夫かなって心配してたの。今息子さん一人なんでしょ、家で。」
「そうかね。」
「うん。息子さんにはお嫁さんの幽霊は見えないんだろうど。」
「そうねえ。」
「どうして幽霊になるのかなあ?」
「分からんね。」
「私は幽霊になってずっと同じ所にいるの嫌だよ。」
「私もそうねえ。」
「そうだよね。」
誰だってそうだよねと思う。
「でもね。」
とおばあちゃんは言う。
「幽霊なんか本当はおらんで、見てる人の気のせいがほとんどでしょう。見たような気になっているだけ。」
「そうかなあ。」
「そうよ。」