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「ええー!幽霊?うそー!」
「出るんだって。」
「そんな、気軽に出るもんなの?幽霊って」
「さぁ、でもあそこのおじいさんおばあさんは幽霊出るからって家出てったらしいよ。」
「えっ、ほんと?幽霊出るって?」
「うん、怖くて夜寝れないって。」
「じゃあ今あの家誰もいないの?」
「息子だけいるらしいよ。旦那さんね。」
「えー?息子さんは幽霊怖くないのかな?」
「わかんない。」
「そりゃそっかあ。」
長年その家に住んでいたおじいさんおばあさんが家を出るというのはよっぽどのことだろう。
本当に幽霊が出るのだろうか…、でも息子はそのまま暮らしているという、年寄りの気のせいということはないのだろうか…。
「どんな幽霊?」
「亡くなったお嫁さん。台所で立ってたり、普通に椅子に座ってたり、昼も夜も関係ないんだって。」
「昼も?」
「うん、洗面所ですれ違ったり、廊下を歩いていく姿を見たり普通に見るんだって。」
「ええー!それ怖いね。」
「だろうね。」
「でも身近でこんなにはっきり幽霊が出るなんて聞いたことないし、生々しいよね。」
「まぁ。」
「なっちゃんは幽霊見たことある?」
「あるよ。」
「えっあるの?」
「うん、」
「えっどんな?」
「まぁいろいろ。」
「いろいろ?」
「うん、ここら辺は古い土地だから。」
「エエッ。」
古い土地って何?えっ幽霊見たことあるの?そんな話初めて聞いた、などと頭の中はパニックになり気がつくと夕方になっていたので帰ることにした。
もちろん暗くなってから帰るのが怖くなったこともあり、あの家の裏を通らないですむように近道はしなかった。
道を隔てて見るあの家はまったく普通の家にしか見えなかった。