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夏休み  作者: ひの
2/10

2

翌朝目が覚めると家の中がシーンと静まりかえっていた。

時計を見ると9時すぎていた。

おばあちゃんは、畑に出ているようだ。

顔を洗い服に着替え玄関に出た。

「 おばあちゃん」 家の前の畑で雑草を抜いているおばあちゃんに声をかける。

「 あれ起きたかね。」

「 うん。」

「 お父さんは仕事があるからって帰ったよ。」

「もう?仕事があるからって休めたのかな。」

「お父さんは大丈夫よ。あんたはよく寝れたかね。

「うん、遅くなっちゃった。」

「 台所に朝ご飯があるから食べなさい。」

「 はい、いただきます。」

布団を片付け、台所で朝ごはんを食べた。

その後はおばあちゃんと畑で雑草抜き、昼まで手伝いをして過ごした。

おばあちゃんと、畑でとったきゅうりとトマトのサラダと、おばあちゃんが今絶賛お薦め中のパン屋さんのパンで、お昼ごはんをいただく。

お昼からは、おばあちゃんは婦人会の集まりがあるとのことで、私は夏休みの宿題をするようにと申し渡される。

縁側の隣の部屋で、とりあえず国語の問題集から開くも半ページもすると集中力が途切れる。

ちょっと休憩と畳に寝っころがる。

縁側の方から入ってくる風はひんやりして気持ちがいい。

そのまま寝入ってしまった。




私はひとりで暗い道をただひとつポツンと照らしている街灯の下に立っていた。

周りを見渡しても他に灯りひとつ見えず、真っ暗な道の向こうに真っ黒な山が見えるだけだ。

こんなところにいつまでも立っているわけにはいかないが、この灯りの下から動くのも怖い。

灯りから外れた闇が、こちらへこいとすぐ側まで迫っているようだ。

ここでずっと待っているべきか、それとも真っ暗な道を思いきって行くべきか、私には分からない…。





「莉緒ちゃん、寝てる?」

ハッと目が覚めると縁側に幼なじみがいた。

明るい昼の光が髪の毛をきらきら照らしている。

「あっ、ううん。起きてるよ。」

いつの間にか寝ていたようだ。何かとても暗い怖い夢を見ていた気がする…。

「なっちゃん、久しぶり。」

「うん、莉緒ちゃんのおばあちゃんから、莉緒ちゃんが昨日来たって、さっき聞いたから来てみた。マンガいろいろ揃えたよ。見に来る?」

「うん、行く!」

宿題をさっとかたずけて玄関にまわり靴をはいてから出て行く。なっちゃんは縁側から玄関にまわってきている。

「なっちゃん、元気だった?なんか背高くなったねえ。」

「うん、この一年くらいで急に。」

「いいなあ。私はあんまり変わんないよ。」

「莉緒ちゃんも伸びるって。」

「そうかなあ。」

背を伸ばしたいならやっぱり部活はバレーかバスケか、まあそこまでしなくても牛乳、ヨーグルトは毎日とった方がいいのかなどと話をしながらなっちゃん家へ歩いて行く。

普通に歩いて行けば10分くらいかかるが、裏道を使えば5分で着く。

なっちゃんのお母さんに挨拶をして、2階のなっちゃんの部屋にいく。

確かにマンガが増えてる。なっちゃんは、お兄さんと一緒にマンガを揃えてるから、壁一面がマンガになっている。

さっそく何冊か選びだし読みふける。

なっちゃんのお母さんが、途中でお菓子と麦茶を、2リットルの容器ごと持ってきてくれる。

あんたたちは、遊ぶって言ったって黙ってマンガ読んでるだけだから、何が楽しいのか分からない。といつものせりふを宣い、一階に下りていった。

確かに、と思いながら麦茶をいただく。なっちゃんもお菓子を食べている。 

「そういえば、莉緒ちゃん家の向かい側の道路の奥に入った、青い屋根の家のお嫁さん死んだの知ってる?さっき裏通ってきた家。」

「ううん、知らないよ!そうなの?えー?あの綺麗な人でしょ。だって若い人だったじゃん。」

「そうだけど病気だったらしいよ。」

「そうなんだ。挨拶くらいしかしたことないけど、あの人がお嫁に来た時はおばあちゃんたちが、あそこの息子さんには過ぎたお嫁さんだって言ってたよ。」

「うん、綺麗だったしいい大学出てたらしいしね。」

「そっかあ。いくつだったの?」

「28歳って聞いた。」

「子供はいなかったんだよね。」

「うん、そうみたい。」

「そうかあ。旦那さん悲しいだろうね。」

「まあ、そりゃそうだろうね。」

綺麗で若くても死んでしまう人もいれば、100まで生きる人もいるんだなあ、などとしんみりしていたら、なっちゃんが「まあ、それでね。」と話始めた。

つまりあの家にお嫁さんの幽霊が出るとのことだった。 



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