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【翠竜編 その1】 危険度指数

 風音かのんが東京から無事帰って来たと知らせを受け、約束通り彼女の話を聞く為、皆で翠の国に集まる事になった。

 そして当日、


「ごきげんよう、リーリアス殿下」


 顔を出した千紘ちひろにリーリアスは風音を背に庇うように前に出ると警戒心を顕にした。一度彼女に叱られて以来、どうも苦手らしい。そして一瞬はっと息を飲むと表情を険しくして辺りをキョロキョロと見渡す。

 その様はまるで敵を威嚇する小型犬のようだ、と千紘は思った。


「あの、リーリアス殿下……」

「何だ!」

「ナキアス殿下とナルヴィ殿下なら来ておりませんよ」

「!? そ、そうか……」


 分かりやすく胸を撫で下ろすリーリアスを見てやはり、と思う。黒の国の双子王子が彼をからかい倒してから、二人も敵として認識されている様だ。


「あ、風音さん! 千紘さん! ひっさしぶりー!!」


 次に元気な声でこちらに駆けて来たのは燈里あかりだ。だが、此処は翠の王城内。せめて他国のお城でくらい廊下を走るのは止めなさい、と千紘が言おうとした時、リーリアスがビクッと体を震わせたのが視界に入った。思わず彼を振り向けば、再び警戒モードに入っている。


「……燈里ちゃん」

「はい?」

「今日レビエント殿下は一緒?」

「ううん。レビエント王子なら紅の国に居る筈だけど?」

「だそうですよ、リーリアス殿下」


 あからさまにほっと息を吐くリーリアス。どうやら彼には警戒対象が多数いるらしい。

 逐一彼をからかうナキアスとナルヴィの気持ちが、ほんの少し分かってしまう千紘だった。

 

 




《補足》リーリアスの認識


千紘 ⇒ ちょっと危険

双子 ⇒ とても危険

レビエント ⇒ 非常に危険(前科有り)

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