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プロローグ:尽きぬ冒険心
魔法屋。
そう一口にいったところで、彼の仕事は様々である。
ちょっとした日々の雑用に役立つ魔法を売ったり、はたまた城下には、彼の切れる頭を借りて、問題の解決をはかる者もいる。
だが客など三日に一人あればいい方で、普段の彼は至って暇である。
そもそも大人たちは、“魔法”を、あまり信用していないのだ。
─────しかし、
生き物というのは、窮地に陥ると、何にでもすがるものだ。
もはやどうしようもないと思われる事案にあたり、積極的に彼に話をまわすのである。
魔法自体が超人的な存在であるから仕方ないのだろうが、それにしても人間というのは時に愚かしい。
しかしそんな相手の腹を探りもせず、彼はいつでも請け負った。
都合よく丸投げされた責任を一身に背負って、意気揚々と出かけていくのである。
これでは、変人だと思われて当たり前だった。
だが、誰がなんと言おうが、風変わりな彼は、奇妙な事柄に関わるのをやめない。
彼の思案に、そんな小さなことを気にしている“暇”は、ないのだ。
もはや何者も、好奇心に裏打ちされた彼の行動力を阻むことはかなわないのである。




