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ロリコン君と生徒会長さん  作者: 山彦八里
ロリコン君と愉快なみんな
8/10

番外編・電子生徒会

チャット形式です。読みにくかったらすみません。

「――生徒会専用チャットルームを作ったから一度試して欲しい」


 先輩方の卒業式も恙無く終わったその日、会計は皆にそう告げた。

 それって会計の仕事なの? 今の時代は無料通話じゃね? と誰もが疑問に思ったが口には出さなかった。生徒会室のPCはこの二年間、完全に会計の専用機体になっていたからだ。パソコン関係は彼女の独壇場と言っていい。


 それでも、何だかんだ言って三年生になっても何かしらの繋がりを残せるのは誰もが歓迎していた。


「ともかく、そのチャットルーム?とやらを一度使ってみるとしよう!」


 会長の鶴の一声で方針は決定した。

 生徒会室にPCは一台しかないので、帰宅後にそれぞれログインすることと相成った。


 ちなみにパスは会長の3サイズだった。



 ◇



管理人「test」

管理人「問題なし。これより、チャットルームのログインを許可する」


 ――ペタ娘さん、たわわさんがログインしました――


ペタ娘「ちょっと待てえええええっ!! 何だこれは!? 何だこのパスは!?」

たわわ「加えて、そこはかとなく悪意を感じるデフォルトネームっすね」

たわわ「って、ウチもっすか!」

管理人「仕様です」

ペタ娘「いやいや、これはさすがに駄目だろう」


 ――会長の嫁さんがログインしました――


会長の嫁「こんばんは」

会長の嫁「えっと……個人的にはアリですね」

ペタ娘「おい」

管理人「貧乳は希少価値」

ペタ娘「いや、会計も正直そんなに……」

管理人「……」

ペタロリ娘「いや、上のは言い過ぎた。すまない」

ペタロリ娘「おい……おい!!」

管理人「これで希少価値は守られた」

ペタロリ娘「喧嘩だな? 喧嘩売ってるんだな? よし、PCの前から動くなよ。今殴りに行くぞ!」

書記「あ」

書記「設定変更できたっすね」

管理人「チッ……」

丸副「テス」

丸副「こっちもできました。ちょっと待って下さいね」

会長「テス」

会長「よし! これで万事問題ない」

書記「ん?」

管理人「つまらない。パスないと外部からは見れない仕様なのに」

会長「……会計よ、お前パソコン越しだと性格違わないか?」

管理人「私の指は、口よりも物を言う」


 ――たらしさんがログインしました――


たらし「遅れてサーセンしたー」

たらし「え? 何でいきなり猥談してんの? てか、このハンドルネームひどくね?」

丸副「こんばんは。渉外君だよね?」

会長「……」

書記「(〃´・ω・`)=3 フゥ」

管理人「……KY」

女の敵2号「なんかすんませんm(_ _)m」

女の敵2号「ってオイコラ会計!」

管理人「仕様です」

丸副「ひょっとしなくても1号は僕ですか?」

管理人「3号が生まれないことを祈る」

書記「あながち否定できないっすねー」

丸副「ふむ……」

丸副「一応データとして残る場ですし、明言しておきましょう」

会長「待て。嫌な予感がするんだが」

丸副「僕は会長一筋です!! 会長は315です!!」

会長「・・・・・・・・・」

管理人「88888888888」

女の敵2号「お、おう。そうスか」

書記「会長ちょっと照れてるっすね」

会長「!?」

会長「きさま! 見ているなッ!」

書記「いや、何年の付き合いだと思ってるんスか」

書記「っていうか、書記的な疑問なんですけど、ここも議事録に残すんすか?」

管理人「その発想はなかった」

会長「そんなのは会長権限で却下だ!」

管理人「なら、私が主催者権限で許可する」

丸副「議題提案ですが、春休みの事前説明会の挨拶なんですけど」

書記「さりげに議事録に残そうとしてるっすね」

管理人「さすが副会長。そこにしびれるあこがれ(ry」

女の敵2号「あのー、この名前ってどうにかならないんスか?」

書記「設定の項目から変更できるっすよ」

女の敵2号「よしきた!」

管理人「ブーブー」


 ――女の敵2号さんがログアウトしました――


管理人「……」

書記「……」

丸副「……」

会長「え? あれ? 渉外はどうしたのだ?」


 ――女の敵2号さんがログインしました――


色男「こっちか!?」

色男「大丈夫みたいだな」

書記「…………(〃´・ω・`)=3 フゥ」

管理人「ないわー」

色男「なんでだよ! 渉外じゃ味気ないだろ!」

会長「すまん。ちょっと離席する」

丸副「僕も紅茶淹れてきますね」

管理人「いてらー」

書記「あれ?」

書記「もしかして副会長って会長と一緒にチャットやってるんすか?」

管理人「!?」

色男「なんでそうなるんダヨ?」

書記「いや、副会長ってコーヒー派じゃないっすか。紅茶淹れるのって会長と一緒の時っすよ」

書記「それに、よくよく見たら会長のHNの変更も副会長がやってるぽくないっすか?」

色男「た、たしかに!」

管理人「まさか“カップルで見てる”をリアルで体験する日が来るとは……!!」

会長「今戻ったぞ」

会長「――――」

丸副「戻りました」

丸副「あ」

色男「ジャックポット。さすがだなウチの書記は。巨乳なだけあるぜ」

書記「これはもうウチも会長マイスター名乗ってもいいんじゃないっすかね? いや、よく考えたらウチの方が会長と付き合い長いっすけど」

書記「あと渉外クンはレッドカード1枚っす。今度の日曜、荷物持ちよろしくっす」

管理人「ヤッチマイナー!」

会長「や、違うんだぞ? これはちょっとチャットの使い方が自信無かったから見て貰ってただけなんだぞ?」

管理人「などと犯人は供述しており――」

会長「あ、違ッ!? ちょ、これ発言どうやって消すんだ!? 待ってくれ、違うんだ!」

書記「そろそろ上がりっすか?」

色男「フッ、今日の所はこれ位にしといてやろう」

管理人「動作確認はできた。感謝する。あと渉外は再来週の日曜も荷物持ちよろしく」

会長「待ってくれー!!」


 ――チャットモードを終了します――


 ――ご利用ありがとうございました――



 ◇



「バレちゃったじゃないか! バレちゃったじゃないか!!」

「どうどうですよ、会長」

「うぅぅ……」


 今すぐ抱きしめたいという欲求を全力で我慢しつつ、副会長は涙目の会長を慰めていた。


 しかし、そんなに一緒に居るのがバレるのが嫌だったのだろうか。恥ずかしがってはいても嫌がっている様子は無かった筈だけど、とフォローの台詞を考えながら副会長は内心首を傾げていた。


「もうチャットは嫌だー! 私が機械音痴だって絶対ばれてるぞ!」

「あ、そっちですか」


 疑問が解消された副会長は我慢をやめた。


 こうして、彼らの騒がしい日々は形を変えて続くこととなった。

時代遅れと言われてもチャット形式がやりたかった!後悔はしていない。


それでは、最後まで読んで下さりありがとうございました。

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