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第82話 学内保育園の設置率の公平性と地方×コスト構造の圧勝劇

概要


理翔と Eroyama は東京(本物)と九州「さす九」都市を縦断し、大学附属保育園の“設置率”と街なかで頼めるシッター/家事代行費を徹底照会した。旧帝大クラスの大学なら首都でも地方でも学生が使える保育スペースがある一方、ミドルクラス校では設置率ゼロ──しかし**ベビーシッター1時間料金は東京約3 000円 vs 地方約1 000円弱で、地方東京の方が圧倒的に“財布が息をする”**と判明。ふたりは数字と路地の匂いを交差させながら、一極集中が親子の絆を切り離す構造を炙り出す。



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第1章 キャンパスの保育室をめぐる影踏み


1-1 駒場の朝


東京大学「本部育児室」は7時半、学生母・奈緒がリュックから哺乳瓶を取り出す。「ここは授業のコマがズレても面倒見てくれる」

理翔がタブレットを弾く。「一橋大も同じ。国立で“学内+学生OK”は首都に4校」



1-2 博多湾の夕


九州大学伊都キャンパス。海風の奥で「つばき保育園」の園歌が聞こえる。学生枠もあるが定員は40 名に満たない。

佐賀大は医学部付属の託児室。メインキャンパスと7 km離れ「保育バス」に揺られる学生もいる。



1-3 数字で見れば


校種 首都圏(8国立)九州(7国立) 学生が使える学内園数


上位大 4/4 1/1 100 %

ミドルクラス 0/4 0/6 0 %


設置率は偏差値で決まる。「施設そのものは“首都特権”じゃない」Eroyama が眉を上げる。




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第2章 数字でラップバトル



2-1 ベビーシッター料金のビート


東京(本物):平均 3 000 円/時


福岡市:1 200 円前後/時(求人サイト中央値)


宮崎市:1 000 円弱/時(一部 900 円台求人)



> 理翔が韻を切る

「3Kぶんの1H 財布がヒイヒイ 

さす九なら1K まだ余裕でディナー」




2-2 補助のアドリブ


東京都は時給最大 2 500 円を年 144 h補助=36 万円/年。

0歳児追加枠 60 h(兄姉居れば 180 h)×2 700 円上限もある。


> Eroyama「月換算17〜27時間。上限超えた分は“時給3Kフル請求”だ」




2-3 住宅コストでフック


ロケーション 1LDK 45 ㎡ 築10y百貨店徒歩月額


東京23区心臓 4 分 16.7 万円

高松中心 4 分 8.5 万円

差額 8.2 万円がシッター補助を軽く上回る。



> 理翔「0-5歳6年間、住宅差で毎月 8.2 万浮く。

都の補助は良質だけど“家賃で一噛み”消えるんだ」


Eroyama「なお、都雇圏50万人以上なら、探せば東京(本物)と同じ享受対象は全て有る(高松は80万人)」



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第3章 路地の証言と“絆の距離”



3-1 渋谷の独白


就活生マミは渋谷区のシェアハウス。補助のおかげで週2コマ分シッターを入れたが、上限超えた途端に一晩で 1.5 万円が飛んだ。「実家は岩手。頼れる人ゼロで怖かった」



3-2 熊本・通町筋の笑み


「さす九シッターズ」時給 950 円。学生パパ剛志は講義3限目を終えると自転車で 10 分。「シフト表と授業表をアプリで重ねれば破産しない」



3-3 財布と絆を切る重力


東京(本物)の時給は賃上げ競争と通勤費が内包。サービス労働者が都心に住めず“価格インフレ連鎖”を起こす──現業コストバブルだ、とEroyama が黒板に書く。


Eroyama「居住コストが高くなりすぎて、現業者が都市圏内に住めなくなったのは

アメリカの都雇圏650万人以上相当都市で2019年以降起きてたのと同じ現象だ。

https://www.npr.org/2023/10/15/1205976886




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第4章 データが指す“110 万人セル”の気配


国交省レポートによれば香川県の可処分−基礎支出は月 22.9 万円、東京都は 19.3 万円。


> 「月 3.6 万の差。ちょうど家賃差+賃金差の額と重なる」理翔はポインタを置く。


都雇圏 50〜110 万人セルなら、


シッター時給≈1 000円台


百貨店徒歩 4 分圏に住宅を確保しても月 9 万円前後

親族ゼロでも“学業×育児”は破綻しない。




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第5章 エンディング:さす九・月下のセッション


夜の博多港。屋台の湯気とともにコントラバスの低音。


> 理翔「上位大に“学内園”があるかないかはスタート地点でしかない。

真に問うべきは街のサービス代金時間単価と家賃が、子と親の距離を何メートル押し広げるかだ」




Eroyama は海面を指差す。


> 「110 万人セルを日本列島に散らせば、保育は“特権”じゃなく“呼吸”になる。


そして赤子は東京(本物)の重力に引き裂かれず、さす九の夜風を吸う自由を得る」




屋台の灯に揺れる計算式。


> (家賃差 7.8 万 − 補助差 0.4 万) × 72 か月 = 531 万

浮いた5百万円が、親子の未来を編み直す糸になる――物語は、月明かりの水面で静かに幕を閉じた。





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主要出典一覧


1. 東京大学 本部育児室 FAQ

2. 一橋大学「たまむすび保育園」案内

3. 東京都立大学「夕やけ保育園」

4. 東京工業大学「すずかけ保育園」

5. 横浜国立大学 Childcare Center


6. 九州大学「こぐま保育園」

7. 佐賀大学 託児施設概要

8. 東京都ベビーシッター利用支援事業要綱

9. 東京シッター平均 3 000円報道

10. 福岡市求人平均 1 200円


11. 宮崎市求人 1 000円

12. 不動産サイト(高松家賃)

13. 国交省「家計分析資料」



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・東京(本物)圏

東京大学、一橋大学、東京科学大、東京都立大には、学生が利用できる学内保育園がある。


横浜国立大学は、学内に保育園があるが、地域住民も利用可能。教職員向けには優先枠がある。つまり、大学の近辺にある通常の保育園に近いのではないかな。


埼玉大学、千葉大学、東京農工大、東京海洋大には無い。



・九州

九州大学には学生が利用できる学内保育園がある。

佐賀大学にも病院附属として、学生については病院長が許可したものについては利用可能なものがある。しかし、メインキャンパスと経路7.5km離れている。


熊本大、鹿児島大、大分大、長崎大、宮崎大学には無い。


しかし、東京(本物)には、(良くないことだが)上位大が集まっており、それらの大学は予算が潤沢(故に学生向けを設置できる)と考えられる。



概ね、

旧帝大以上→有る

それ未満→無い

と言ってよいのではないかな。


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