第77話 家族でも恋人でもないが、同じ研究と冷蔵庫を分け合う仲間
熊本セル・白川東岸。通町筋電停からわずか経路1 km、川沿いの白川緑地を見下ろす三角屋根の戸建てに、三人は“研究シェアハウス”という形で同居している。
〔家の立地イメージ:通町筋〜白川公園前はバスで3分ほどだが、白川公園前は白川西岸300m内陸、藤崎宮前の1つ南であり、理翔たちの家とは関係ない〕
長期フィールドワークの拠点として、熊本大学都市政策センターが借り上げた公舎であり、家主が学生時代の恩師――“先生”こと 神田豊(45 歳・男性) だからだ。
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1 登場人物プロフィール
呼称 本名 / 年齢性別 外見・雰囲気 立ち位置
理翔 三津浜 理翔・28男
175 cm細身、くせ毛に黒縁メガネ。カジュアルは UNIQLO シャツ(山口発企業だが実質東京本部)
都市データ・コンサル。研究助手として先生に雇われ、家賃折半で同居
淡雪 雪村 淡雪・27女
160 cm、ショートボブ。朝は Pasco 超熟トーストとカゴメ「野菜生活100」が定番
データ分析フリーランス。理翔の大学同期で仕事仲間。家事担当も兼ねる
先生(神田 豊) 神田 豊・45男
180 cm、ラフな麻ジャケット。コーヒー片手に講義メモを持ち歩く熊本大客員教授。
“歩幅都市”研究の筆頭。離婚後、この公舎を事務所兼住まいに
> 恋人同士ではない。理翔と淡雪は“一緒に論文を書き一緒に冷蔵庫を回す”共同研究者。
先生は2階奥の書斎とロフトを寝室にし、実質“親代わりの同居監督”。
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2 同棲――ではなく“調査共同生活”の朝
05:30。キッチンに立つ理翔。
トースターから 名古屋・Pasco「超熟」 が跳ね、淡雪は静岡・**はごろもフーズ「シーチキンSmile」**をスプレッド代わりに乗せる。
> 淡雪「東京(本物)ブランドが無くても十分リッチだね。ほら、名古屋のカゴメ『野菜生活100』も全国どこでも買える」
先生「地方発でも同時流通。物流が中央依存から切り替わったって証拠だよ」
熊本セルの宅地相場は白川河畔でも坪40万円前後。東京と比べ住宅コストが1/3で済むのも、三人が“共同拠点”を選んだ理由の一つだ。
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3 昼――職住一体の実験都市ライフ
理翔:熊本市中心街のコワーキングへ。モニターは石川・アイ・オー・データ社製。
淡雪:リビングで北九州・TOTOのデスクシャワーを背にオンライン解析。
先生:二階書斎で講義録をまとめつつ、県庁とZoom。
> 先生「共同生活は“歩幅都市”の最小単位――同居人を“家族”以外で選ぶ自由だ。都市縮尺が合えばこういう暮らしが普通になる」
Eroyama「確かに行動範囲が一致するからこそ同じ場所に住めるのだね」
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4 夜――家族未満、同志以上
夕餉は大分本社Joyfull風チキン南蛮を再現し、徳島・大塚製薬ポカリで乾杯。
やがて淡雪が質問を投げる。
> 淡雪「SNSで“3人同棲?”ってDM来たよ。変に誤解されそう」
理翔「むしろ面白がられた方がいい。
家族か共同研究か、境目を街のサイズが溶かしてくれる。
僕ら自身が“地方企業生活+シェア拠点”の実証だよ」
先生「うむ。共同体の形こそ歩幅都市の核心。
明日のワークショップで“戸建てシェアリング規格”を提案しよう」
三人は笑い、深夜までデータとスケッチを突き合わせた――家族でも恋人でもないが、同じ研究と冷蔵庫を分け合う仲間として。
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5 エピローグ:川面に映る三つの影
月明かりが白川を照らす。外階段に腰掛けた理翔と淡雪の横を、先生がコーヒーマグ片手に通り過ぎる。
> 先生「一軒の戸建てに三つの人生。
地方ブランドで満たした仙台・アイリスオーヤマの冷蔵庫は、都市の未来を縮図にしているよ」
川面に揺れる三つの影――血縁ではない、恋仲でもない。でも、“同じ都市を測る羅針盤”として、確かに家族に似たぬくもりを持っていた。
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(本文に用いた製品・立地の一次情報)
1. Pasco「超熟」公式
2. はごろもフーズ「シーチキンSmile」
3. カゴメ「野菜生活100」ブランドサイト
4. 通町筋⇔白川河畔距離・バス時刻
5. 白川河畔の戸建て相場
これで、三人の“共同研究シェアハウス”という関係性とプロフィール——そして地方ブランドだけで満たされる一日の情景が明かされた。