第75話 「剥がし屋の夜、MAGAの昼——40 kmごとの推し活王国へ」
第75話
「剥がし屋の夜、MAGAの昼——40 kmごとの推し活王国へ」
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あらすじ(先頭要約)
有明アリーナで起きた“剥がし屋事件”——最前柵を巡りファン同士が文字どおり引き剥がし合う騒乱。人口3600 万の旧・東京圏が生むライブ過密の象徴だった。
現場検証に訪れた理翔・淡雪・先生の一行は、偶然来日したドルネルド・U・S・A・トルンプ 現・永久米大統領と遭遇。トルンプ閣下は東京(本物)が「家賃ブレーキで意図的にGDPを2.5分の1に抑えながら多様職を生かす街」だと聞かされ、アメリカにも“低GDPでも暮らせるMAGAセル”を輸入すべきだと熱弁する。
物語は、人口110 万セルが並ぶ未来の日本で、推し活の過密を解きほぐすローカル・アイドル経済と、トルンプ流“製造業回帰×家賃抑制”思想が交差する一夜を描く。
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1 剥がし屋が走った夜
1-A アリーナの騒乱
SUITES MIXER の照明が落ちた瞬間、最前ブロックがぐらりと波打った。複数の黒パーカー男が男性客の肩をつかみ、後方へ引き倒す——空いた隙へ別の客が滑り込む。SNSでは**「雇われ剥がし屋」**説が瞬時に拡散。
> 淡雪 (息を呑みながら)「これが3600 万都市圏アイドル現場の“物理競争”よ」
先生「発信力に優れる3600万人都市のアイドルを推してたのでは、推し先の数は有限、ファンは無限——密度差が暴力に転じた」
1-B トルンプ登場
終演後、ロビーに赤いキャップが揺れた。ドルネルド・U・S・A・トルンプ本人――MAGAツアーの合間に視察に訪れたのだ。
> Troomp「Too many fans, not enough space! We saw a stampede in Houston once。同じだね!」
理翔「都市を細かく分ければ、押し合いは起きにくいんです」
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2 東京(本物)は“GDPブレーキ都市”
2-A 民泊ならGDP×2.5
先生がTabletを掲げる。都心マンションは宿泊特区に切り替えれば、現行賃貸の 2.5倍 のGDPを生む。だが東京都は家賃抑制・治安維持を優先し、短期貸しを封じてきた。
> Troomp「You’re deliberately shrinking GDP? In America we boost it!」
先生「生活者の可処分所得を守るために経済の火力を落とす選択です」
2-B 東京vsニューヨーク家賃
Numbeo比較——NY家賃は東京の 2.5倍超。
> 淡雪「NYは稼げても住めない。東京は稼ぎは抑えめでも家を失わない」
Troomp「Interesting… low GDP, affordable rent—that’s a template for Rust Belt」
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3 40 kmごとに“推し”が棲む国
3-A ローカルVTuber市場
都雇圏110万人までだと、チャンネル登録者数1.0万人超えればトップ層だ。(というか2番手は多くても4500くらいのことが多い)
登録1万人でトップ層——地方VTuber「ぽてこ」の投稿が例。人口110 万セルごとに自都市圏への“箱推し”文化が根づき、遠征ストレスが消えた。
> 玲於奈「剥がし屋は消え、ファンは20分で“地元の推し”に会える」
3-B 北部九州――9つの110 万セル
福岡・久留米・佐賀・武雄・大牟田・熊本・佐世保・大村・長崎が40 km間隔で連なる。旧270万人の福岡は110万人にスリム化。余剰ライブ需要は隣セルへ分散。
> 地元中学生「今日は佐賀セルの地下アイドルを観に行くっちゃ」
母親「電車で25分。夜9時には帰れるから安心よ」
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4 MAGAセル構想と日本のヒント
4-A トルンプの青写真
> Troomp「We’ll set rent caps, re-zone Detroit into MAGA cells, let factories grow while GDP per capita drops—workers still win」
4-B 理翔の応酬
> 理翔「3600万人もの人口を1箇所に詰め込む東京(本物)方式は“高学歴でないと都市圏で家族を持つのすら厳しい”影もある。
工業セルならブルーカラーがroom shareせずに家を持てる。
要は職種多様性×家賃ブレーキの掛け算ですね」
先生が結論を下す。
1. 地元推し文化が密度を下げる。
2. 家賃抑制が多様職を支える。
3. GDPは2.5分の1でも**GNP(取り分)**が地域へ残る。
> Troomp「Tokyo proves it. Make America Great—but not overcrowded!」
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5 剥がし屋ゼロ宣言
翌日、SUITES MIXER 運営は声明を出した。「次ツアーからはセル別ローテ公演を採用、40 km圏ごとのキャパ3千会場で連続興行」。ファンは歓声を上げ、転売屋と剥がし屋は撤退を余儀なくされる。
> 淡雪「推し活すら歩幅都市仕様ね」
理翔「GDPを上げずとも幸福度を上げる――都市もアイドルも同じさ」
有明の潮風の中、トルンプは赤いキャップを理翔にポンと被せた。
> Troomp「Kid, keep shrinking GDP if it means bigger lives」
海上を横切るレインボーブリッジの灯が、40 km先の千葉セルまで伸びて揺れた。
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参考ソース
就任演説「We will bring back our jobs…」
White House記事「Putting American Workers First」
Numbeo Tokyo vs New York家賃指数
Redditまとめ「家賃2.5倍・Airbnb疑惑」
Crowd crushリスクとAstroworld教訓
VTuber登録1万人事例
剥がし屋騒動報道(FNN転載)