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第3話:『徒歩圏麗都(とほけんれいと)の詩』(85点)
理翔が住むマンションの周囲、半径400m。
香林坊みたいな百貨店
竪町風の個人店群
21美的な総合美術館
週末にはオーケストラが響くイベント会場
……これが徒歩圏。
> 「ここにはね、都市があって、しかも“ちゃんと届く距離”にあるんだよ」
エレベーターに乗らなくてもいい。
満員電車に押し込まれなくても、ちゃんと文化にも経済にも、アクセスできる。
それって、いちばん贅沢な都市体験じゃないか――理翔は、そう感じていた。
わたし、それを「徒歩圏麗都」って呼ぶことにしたの。
街は、歩ける距離で愛せなきゃ意味がない。
都市とは、人が歩ける夢の圏内にある幻想と現実の交差点だから。