第26話:浜松・新潟・富山・那覇は、徒歩4分圏70㎡ が 3 000 万〜6 600 万円。―“徒都(トホト)”―「百貨店徒歩 3 分…そりゃ旅飯にこだわらない人も居住地で完結するわけだ」(87点)
まとめ
東京 (本物) で“百貨店徒歩 4 分・70 ㎡・ファミリー向け”を狙うと 1.6 億円級──年収 2 025 万円に届かないとローンが張り付く世界ですが、都市雇用圏人口 75 万〜110 万 人クラスの S ランク都市 なら、同じ「徒歩 4 分圏×百貨店×70 ㎡新築」のタグで 4 000 万〜6 600 万円 に収まり、年収 500 万〜1 000 万円帯でも手が届きます。ここでは浜松・新潟・富山・那覇を具体モデルに、「徒歩圏チートがリアルに買える街」を小説仕立てで歩いてみます。
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第26話 ―“徒都”パスポートは静かに光る―
◆序章:浜松・砂山町、遠鉄の灯
わたし――理翔は、浜松駅北口を抜け、遠鉄百貨店の時計塔を見上げる。
そこから 徒歩 6 分、砂山町の角に 2024 年竣工の 20 階建てタワー。その 14 階・南向き 72 ㎡は 6 620 万円。
「東京(本物)だと 1.6 億でしょ? ここなら世帯年収 830 万円で 35 年返済が回るわね」
わたしが呟くと、友人の雪音が〝トロネーゼ的ゆとり係数=3.1 dB 減!〟と謎計算をする。
遠鉄百貨店本館では、週替わりで物産展が回り、地下には静岡茶スタンドと鰻パウンドケーキの実演。
「旅先グルメ? こっちが向こうからやって来るじゃない…」雪音は肩をすくめた。
◆第二章:新潟・万代、伊勢丹の潮風
新幹線を降り万代橋を渡ると、新潟伊勢丹。脇道を 250 m、築浅 2LDK 70 ㎡が 3 480 万円で出ていた。
「ローン月 9.3 万円、管理修繕込み 13 万円。地元メーカー勤め 夫婦世帯年収 720 万円なら余裕ね」
万代シテイのバスターミナルには佐渡バタークロワッサンのキッチンカー、夜は日本酒バーが路面に延びる。
「百貨店徒歩 3 分…そりゃ旅飯にこだわらない人も現地で完結するわけだ」
◆第三章:富山・総曲輪、夜更けの大和
路面電車・西町停留場で降り、大和富山店の裏手。築 5 年 71 ㎡・4 階角、2 980 万円。
総曲輪ベースのフードホールは 22 時までクラフトビールと白えびパエリアが香る。
「東京(本物)なら“ビール醸造所タワマン”は億越えだけど、ここは年収 375 万円層でも射程だ」
わたしたちは《妖怪トレモロ現象》と名付けた街灯の揺らぎを追って、ガラス美術館へ流れ込む。
◆第四章:那覇・久茂地、リウボウの潮騒
国際通りを外れ、パレットくもじ(リウボウ百貨店) 南側。築 2 年 68 ㎡が 3 980 万円、管理費込み月 15 万円。
「移住医師求人は年収 1 300 万台。だから世帯片働きでも回る…」
泡盛バーが百貨店地下から地上へ吹き抜け、タコライス屋台が路地を満たす――歩幅 200 歩のシティ・コンパクト。
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比較テーブル
都市圏人口 *百貨店 徒歩分数 70 ㎡価格(新築/築浅) 想定必要世帯年収 †ソース
109 万 浜松遠鉄百貨店6 分 6 620 万円 830 万円
100 万 新潟新潟伊勢丹3 分 3 480 万円 440 万円
101 万 富山大和富山店4 分 2 980 万円 380 万円
90 万 那覇リウボウ4 分 3 980 万円 500 万円
* 直近の都市雇用圏推計人口。
† 変動 0.5 %・35 年ローン、返済負担率 33 %で試算。
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旅先グルメより“日常グルメが向こうから”
増田さんの「旅先で食にこだわらない人って?」という疑問に、理翔は笑う。
> 「百貨店徒歩 4 分って、全国物産展とご当地シェフがわたしたちの台所に 巡礼 してくる装置なの」
毎週替わる北海道展、九州展、沖縄展──“歩かずに旅行する食卓” が成立する街。それが S ランク都市のリアルだ。
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結論
東京(本物)の百貨店徒歩 4 分=年収 2 000 万ラインは、もはや「観光地価格」。
対して 浜松・新潟・富山・那覇 クラスは、徒歩 4 分圏・ファミリー 70 ㎡ が 3 000 万〜6 600 万円。
「旅的食文化 × 通勤 徒歩5 分圏 × 手の届く価格」――これが 徒都 ランクの実力。
理翔は今日も百貨店の地下で次の物産展を待ちながら、自作の造語《ロコグラミック値》を呟く。
> 「ねぇ読者さん…東京(本物)まで行かなくても、“徒歩 4 分” が そのまま旅 になる街、案外たくさんあるんだよ」
(造語ログ:徒都 / ロコグラミック値 / トロネーゼ的ゆとり係数)