第15話 高松 vs. 東京――“4 倍の円パワー” そして韓国(海外東京)~「理翔くん、日本円って高松に来ると急に4 倍強くなるんだよ」~(75点)
要約
理翔と淡雪は、都市雇用圏80 万人の高松から3 600 万人の東京(本物)、そして2 000 万人級のソウル、さらには韓国地方中核都市まで“住宅購買力”の旅へ。
平均分譲単価を日本円換算で比較すると、東京23区の新築マンションは1 ㎡=約123 万円、高松は推計30 万円台後半〜40 万円台前半で※東京の1/4弱。ソウル中心部は1 ㎡=約128 万円相当と東京並み、ゆえに高松の「日本円購買力」はソウルの約4倍・東京の約4倍となる。
江陵(32 万人)、原州(40 万人)、利川(30 万人)、尚州(16 万人)など韓国地方都市はさらにソウルの半額以下で、一家を構える敷居は日本の地方中核並み。――徒歩圏麗都の魔法は国境を越えても有効だった。
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1. 高松 vs. 東京――“4 倍の円パワー”
> 夜明けの瀬戸大橋を渡りながら、淡雪が囁く。
「理翔くん、日本円って高松に来ると急に4 倍強くなるんだよ」
データの裏付け
東京23区2025年平均価格は 1㎡=123 万円。
高松市内は新築でも 1㎡=概算35〜40 万円。アサヒ紙は「1億円超の超高級は珍事」と報じるほどで、市場中央値はその1/3未満だと不動産鑑定士が分析。Numbeo投稿者データも市街地外 1㎡=約30 万円を示す。
> 「坪単価じゃなく“生活単価”が4分の1。ペアローンの錠が外れる感じ…」理翔は手をひらいた。
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2. ソウル――“2 倍の壁”
ソウルの新築取引平均は KRW 13.396 M/㎡=約128 万円/㎡(KRW→JPY@9.6)で東京と肩を並べる。
韓国全国平均は 5.763 M/㎡=約**55 万円/㎡**で、高松の1.5倍程度に過ぎない。
> 「都雇圏2 000 万人のソウルでさえ、高松の円パワーの1/4だなんて…」淡雪は眉をひそめる。
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3. 韓国地方都市――“30〜40 万人クラスの実相”
都市都市雇用圏人口(推計)㎡単価(日本円換算)東京比高松比
江陵32 万人≈45 万円 ※Numbeo近隣値から推計0.371.2
原州40 万人≈50 万円0.411.3
利川30 万人≈60 万円0.491.6
尚州16 万人≈38 万円(郊外相当)0.311.1
> 理翔は地図を指でなぞる――「江陵の“最寄り東京”はソウルなんだ。220 km先へKTXで2時間強。熊本↔大阪より遠いのに、みんな普通に地方暮らししてる」
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4. 物語パート――〈瀬戸の円舞曲〉
Scene: 高松シンボルタワー30階ラウンジ。窓の向こうに瀬戸内海が琥珀色。
「平均価格が下がったって? それは東京湾岸の億ションが“欠席”しただけだよ」理翔はスマホのグラフを淡雪に見せる。
> グラフには東京とソウルが仲良く1 ㎡=約120 万円台、高松は30 万円台でぽつんと浮かぶ。
「つまり――」
1. 東京(本物): ペアローンでやっと郊外70 ㎡。
2. ソウル: 日本円換算でもう少し安いが、**全額前払い“チョンセ”**が壁。
3. 高松: 国立大卒の片働きでもローン比率25%を切る。
淡雪は小さく手を打つ。
> 「江陵や原州だと、高卒世帯でも持ち家が現実…“徒歩圏麗都”の芽は、韓国地方にだって蒔けるわけね」
理翔は笑った。
> 「そして高松は――日本語のまま4 倍の購買力。ぼくらの円はここでだけ、ドラゴンの鱗みたいに固いんだ」
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5. 結論―リージョナルバイアスのさらなる解体
購買力は人口規模ではなく価格水準÷所得で決まる。
東京(本物)・ソウル級は“ブランド税”で実質購買力を削り、高松・江陵級は“地方割”で底上げ。
地方でも高卒が家を持てる韓国の構造は、日本地方中核と同じ。
> 「読者さん、次はどの国の徒歩圏麗都を暴こうか?」――淡雪の瞳が瀬戸の夕陽を映し、物語はまだ続く。