番外編2
笑える程度のシモネタあります。
苦手な方はご注意くださいませ。
とある日の夜
ディーヴァ・クレハ・翁の3人は温泉に浸かっていた。
とは言っても翁の大きさでは湯舟だと溺れてしまうので
桶に湯を張り楽しんでいるわけだが。
湯が冷めぬように時々クレハが汲み足してやっている。
存外にクレハは面倒見がいいようだ。
そんな様子を見ながらディーヴァが口を開く。
「なぁ、ルシェとラファ。どちらの子がよいと思う?」
『え? ディーヴァが産むの?!』
「何故そうなる。私が産める訳がないだろう。
ロゼの子を考えているのだ。
どちらが父親であってもロゼの子なら可愛いとは思うのだがな。」
『ああそうだよね。驚いた。
うーん、俺はどちらでもよいかな。
ロゼが子を何人欲しいのかにもよるだろうが
ラファは意外とタフだぞ?』
「ぶぅーっ。
何故クレハがそれを知っておるのだ・・・。」
『ん? ラファの体は隅々まで見たからな。』
『「 ぶうぅぅーっ 」』
噴出した勢いで翁は湯の中に突っ伏してしまった。
「大丈夫か翁! しっかりせい。呼吸をしろ、深呼吸をするのだ!
クレハ 変な事を言い出すでない。翁がおぼれたではないか!」
『いやいや、変な想像をしたのは2人でしょ?
俺は体の隅々まで見たって言っただけだろう?』
「それが変だと言っておるのだ!
どんな状態で隅々まで見る事になると言うのだ!」
『え? 普通に一緒に風呂に入って 背中の流し合いをしただけだけど?
あ、違う。それだけじゃなかったな。
湯上りでお互い仁王立ちをしたな。』
「何故にお互いで仁王立ちをしているのだ!」
『なんでだっけ?
あー、そうそう。
腰にタオル巻いてリビングに行ったらロゼが顔を真っ赤にしてて・・・」
「待て! 今なんと言った? ロゼの前で仁王立ちになったのか?!」
『うんそうそう。その時にハラリとタオルが落ちてしまってねぇー。』
ザバァー! 思わず立ち上がってしまったディーヴァ。
『うん、ディーヴァ。そんなに見せつけなくても・・・ね?』
「ハッ! 別にそういう意味で立ち上がったわけでは無いぞ!
驚いただけだ。
クレハ・・・。まさかお前・・・。」
『不可抗力だよ?
ああでもラファは自分から・・・』
「ぬああぁぁぁ、もうよい!それ以上何も言うな!」
『やだなあディーヴァ。変な想像しないでよ。
何も無かったんだからさ。』
『「 なにかあってたまるかぁー!! 」』
カポーンッと翁の小さな下駄がクレハの眉間にヒットしていた。
どこから下駄が出て来たのかは謎である。
『『ただいま』』
「おかえりー、どう?疲れは取れた?」
『『 たぶん?・・・ 』』
2人はそう答え、翁は無言のままである。
実際2人は温泉で疲れを取るつもりで出かけたのだが変に疲れたような気がするのだ。
(これもクレハが変な事を言いだすからだ・・・)
(ディーヴァと翁が変な想像するからだろう?)
そんな2人を尻目に翁はトテトテとロゼに近寄り懐から小瓶を取り出し渡す。
「なぁに?翁。
え?これって 湯の花?
わざわざ取ってきてくれたの? 嬉しい。
翁ありがとう。」
(む?いつのまに・・・。)
(翁ずるいぞ!)
(ふぉっふぉっふぉっふぉっ)
ロゼは嬉しそうに小瓶をもって風呂場に置きに行った。
湯の花を溶かせばほのかに硫黄の香りがして自宅でも温泉気分を味わえる。
翁はそれが解っているので気を利かせたのだろう。さすが年の功である。
そこに温泉での出来事を知らないラファがやってきた。
奇しくも丁度湯上りである・・・。
『ラファ・・・。』
『なにディーヴァ?』
『私にも確かめさせろ。』
『は?何を?
え?ちょ・・・!ディーヴァ?!』
『ディーヴァ、ここでそれはマズイんじゃないか?』
『えぇぇ、翁までどこに潜ってるのさ!
ちょ、あはははは。そこだめだってくすぐったいって。』
何を思ったのかディーバはラファのバスローブを開けさせ組み伏した。
『ディーヴァ、さすがにこれはちょっと恥ずかしいかな。』
『だがクレハには見せたのであろう?
ロゼにも見せたのであろう?』
『へぇー・・・。何を見せたのかな?』
『?! 兄上!!』
タイミング悪く、いやタイミングよく?ルシェが現れた。
『ちょっと詳しく教えてくれないかな? ん?
ラファはロゼに何を見せたのかな?』
『兄上?! 今はそれどころじゃ・・・。』
『それどころじゃ? いや大事な事なんじゃないかな?』
『別にどうという事ではない。
以前私が湯上りに腰に巻いたタオルが開けた事が有ってな。
その時にロゼが恥ずかしそうにしたのをラファが面白がって脱いだだけだ。』
『ちょ!クレハそれ言わなくてもいいだろ!!』
『ほおー、クレハもロゼに見せたのか・・・』
『俺の場合はたまたまだ、たまたま。』
『ずるいぞクレハ。この裏切者ー!』
『それで?ラファ。いつだ?いつ脱いだ?』
『いや・・・それは・・・』
ガシャーンッ
人数分のお茶を煎れて戻って来たロゼの目の前に繰り広げられた後継・・・
ラファが半裸でディーバに組み伏され
ルシェがラファの頭上から覗き込むようになっており
そこにひょっこり翁が顔を出している。
「この状態は・・・どういえばいいのかしら?
えっと・・・ね?
それぞれの恋愛にアレコレ言うつもりはないのよ?
別に性別や種族とかは気にする必要もないとは思うし自由だと思うのね?
でも、少しは人目を気にしてくれるといいかなぁ・・・・。
私はこのまま寝るから、クレハ悪いけど割れたカップの片付けお願いね。」
(いやそこはアレコレ気にしてくれ!
その前にこの状況について聞いてくれ!
誤解を解かせてくれぇぇぇぇぇぇぇ!!!)
4人の心の叫びが届く事は無かった。
ふふふ。本当は解ってるんだけどね?
でもあのままだったら全員が脱ぎそうだったし
それはちょっと困るのよねぇ。
翁のアタフタする姿も可愛かったなぁ。
そう思いながらベットに潜り込み寝たふりをするロゼであった。
読んで下さりありがとうございます。
評価やブクマもありがとうございます(*'ω'*)
新たに別の話も書き始めました。
もしよければ暇つぶしにでも・・・(;'∀')
https://ncode.syosetu.com/n3086ig/
また気が向いたら番外編を書こうと思います。




