番外編
『 産まれたぁぁぁぁぁ!! 』
『『『 どっちだぁ?! 』』』
『 可愛い5つ子だぞ!! 』
ニィー ニィー ニィー
産まれたのは翡翠の子供、可愛い5匹の子猫だった。
この世界に付いて来てしまった翡翠はちゃっかりパートナーを見つけていたのよね。
虎徹も一応はパートナーが居るらしいんだけどまだ紹介して貰ったことは無い。
『おぉぉ、ラファ見て見ろよ。ちっこいなぁ。』
『小さな毛玉みたいだよね、兄上。』
『クレハこれが生命誕生の神秘か?素晴らしいな。』
『ディーヴァ、その手はなんだ?』
『ん?このように小さく愛らしいのだ。加護を与えようかと。』
『『『 いやいやいやいや、待て待て。 』』』
「ディーヴァ、そんなにぽいぽい加護の安売りしないでよ!
ディーヴァの加護なんて貰っちゃったら
この子達皆精霊獣になりそうじゃない。」
『駄目か?』
「一気に精霊獣が増えたらバランスおかしくなるし
ありがたみもなくなっちゃうでしょ!」
『しかしこのように小さくては心配であろう。』
「赤ちゃんなんだからこんなもんでしょ!
翡翠だってついてるし虎徹だってお手伝いしてるし。
私達は見守っていればいいのよ。」
『そ・・・そうか。
だがあのように可愛らしいのだ。何かしてやりたいではないか。』
うなぁ~うなうななぁ~ん
『む?疲れて眠いから、後は宜しく?』
『待て翡翠。後は宜しくと言われても。何をすればよいのだ。』
んぅ~なぁ~
『ロゼに聞け?・・・』
『ロゼ!ロゼ! 私は何をすればよい?』
はぃはぃ、精霊王が子供の様に目キラキラさせないの!
ほらほらクレハも騒がないの、子猫が起きちゃうでしょー!
ラファ、寝てる子猫を突かないのよ!
ルシェも静かにして! え?子守歌?
子猫に子守歌は要らないから!
まったく大騒ぎして・・・。
もうすぐアルテシアさんも出産だけど大丈夫かしら?・・・
バァーンッ!
『無事生まれたと聞いたがどこだ!!』
ビクッ
ニィーニィーニィー ぴゃぁぴゃぁぴゃぁ
あああ、起きちゃったじゃないよぉー。
「ウリンさん!! せっかく子猫達寝てたのに!
静かにして下さい!!」
『あ・・・あぁすまない。つい嬉しくて。』
もぉ!!ウリンさんまで騒がないで欲しいのだけど?
翡翠がピクリともせず起きる気配もないので代わりに虎徹がペロペロ舐めて子猫を寝かしつけている。
うん、どっちの子なんだか・・・。
虎徹のお陰で子猫も再び寝たみたいね、よかった。
バァーンッ!
『生まれたって? 私の可愛い毛玉の天使ちゃん達はどこだーいっ!』
んびゃう ニィーニィー ぴゃぁーぴゃぁー
『『『『 ・・・・・ 』』』』ジト目
『おや?どうしたんだい?』
こぉんのぉ・・・・
親ばかなのは知ってたけどね?
まさか猫にまでとはね?
しかもこのKY感
「バールードーさぁーんっ!」
『はひっ?!』
「あのね、嬉しいのはわかるよ?
喜んでくれるのもありがたいわよ?
でもね、子猫はやっと眠ったばかりだったのよ。
翡翠だって疲れて寝ているのよ。
静かに入って来てくれるかな?
だいたいね、考えればわかるでしょ?
アルテシアさんももうすぐ出産でしょ?
アルテシアさんと赤ちゃんが寝ている所にそんなに大騒ぎして入るつもり?
赤ちゃんが居る所では静かにしなさいって教えてもらわなかった?」
『はい、すみません・・・。』
『父上はハイデアが生まれた時も怒られてたよな・・・。』
『ラファが生まれた時も怒られてたぞ?叔父上に。』
「・・・学習能力がないの?・・・」
『うっ・・・』
まったくこの人は・・・。
「いい?皆。
アルテシアさんの赤ちゃんが生まれても今みたいに大はしゃぎしない事!
しずかにそっと見守るだけにしてね?」
『『『『『 わかった・・・ 』』』』』
それから数日後
ほんぎゃぁ
アルテシアさんは元気な女の子を産んだ。
私は産後で疲れているだろうアルテシアさんのお世話と
赤ちゃんのお世話をしに屋敷に来ている。
アルテシアさんにはゆっくりして欲しいし
赤ちゃんは見ているだけでも癒されるし
なによりも男性陣に任せておけない。
今はハイデアも居ないしね。
赤ちゃんはアルテシアさんやハイデアを小さくした感じ。
スヤスヤ眠る姿はそりゃもそ可愛くて天使か妖精よ!
見ているとニマニマが止まらないわよっ。
うふふっ 可愛いなぁ。
『僕の可愛い天使元気だったかい!』
『僕の可愛い妖精!逢いたかったよ!』
『おぉー。愛らしいではないか。』
『うむ、この子もハイデアのように愛らしい姫になるであろうな。』
『これはこれは。なんとも愛くるしい。』
うぎゃぁぁぁ ああぁぁぁんっ あぁーんあーんっ
『『『『『 あ・・・ 』』』』』
・・・・
この5人も学習してないじゃないよ!
そっと赤ん坊を抱きあげてあやしながら5人を見る。
「よぉーしよし。大丈夫よぉ。
駄目なお兄ちゃんとおじちゃん達ですねぇ。」
お尻をポンポンとしながらゆっくりと揺らして寝かしつけていると
バァーンッ!!
『マイプリンセス、パパだよぉー!可愛いお顔を見せておくれぇー』
んぎゃぁぁぁぁっ あぅっあうっ ぅああーんっあーんっ
『『『『『 ・・・・ 』』』』』
ピキピキと自分のこめかみが脈打つのが解った。
「バーールーードーーさぁーんっ!!」
『え?あ?ひぃっ・・・』
「皆出てけぇぇぇぇぇぇ!!」
追い出してやったわよ全員!フンスッ
ごめんねぇうるさかったよねぇ怖かったよねぇ。
さあ今度こそゆっくり寝ましょうねぇ・・・。
ぽんっ ぽんっ
あぅぅ・・・あぃあぃあ・・・ すぴぃ・・・
眠ったのを確認してベットに降ろそうとすると
廊下が何やら騒がしい。
『可愛いベイビーベアはどこかしら!お姉ちゃんが来ましたよぉ~♪』
バンッ!!
ふぎゃぁぁぁぁぁぁ ぅあぁぁぁんっ あぁーんっ
「・・・・・」
『あ・・・ら?ごめんなさい・・・。』
ハイデアまでなの?ちょっと勘弁してよぉ・・・。
と背中から寒気がした。
ズモモモモッと背景効果が描かれてそうなアルテシアさんがやって来ていた。
『貴方達、いいかげんにしてちょうだい!
ちょっとお話でもしましょうか?こっちへいらっしゃい!!』青筋
ヒィッ・・・怖いですアルテシアさん・・・。
『ごめんなさいねぇロゼ。あなたはそのまま赤ちゃんをお願いね。』ニッコリ
「はい」
ズリズリと引きずられている音を聞きながら
私は再び赤ん坊を寝かしつける。
この先 アルテシアさんは苦労が続きそうだ・・・。大変だなぁ。
私はまだまだ子供とか居なくていいかななんて思いながらポンポンしていると
いつのまにか一緒に眠ってしまったようだった・・・。
読んで下さりありがとうございます。
気が向いた時にまた番外編を書くかもです(;´Д`)




