表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/40

星祭りは楽しかった

『あ・・・。』

『なんだ?』

『ラファが知ったら怒りそうだ。』

『拗ねるやも知れんな。』

『心配ない。起きたら来ると言っていた。』

『『 クレハ?! 』』

『問題ない。』

『いや、あるだろうー!』

『静かにしろ、ロゼが起きてしまう。』

『む・・・。』

『しかし・・・狭いな。』

『2人がモフモフになってないからだろ。』

『たまには人型でもよいではないか。』

『だったら文句言うなよ。』

『ロゼのベットでは人型になれぬからな。』

『さあ寝るぞ。』

『うむ。』

『うむじゃねぇよ。』

ディーヴァとクレハは布団の引っ張り合いをしている。

真ん中に挟まれたルシェは何とも言えない気分だ。

ソファーで寝るかと思ったが、何故か2人は抱き着いて離れそうにもない。

なんで俺が真ん中なんだよ・・・。

そんな事を思いながらルシェは眠りについた。




『おはようロゼ』 chu


目覚めと同時に唇を奪われたので咄嗟に反応が出来ない。

今 私に 何が起こった?

そして何でラファが居るのだろう。しかも漫勉の笑みで。

寝起きなので頭が回らない・・・。


『フフッ 寝起きのロゼも可愛いなぁ。』 chu


?!  ?!

今度はしっかりと目が覚めた。


「ラファ?! なんで居るの? って、待って?ねんでベットの中に居るの?!」


そうファラはちゃっかりベットに潜り込んでいた。

そして視界に入ったのはファラの姿だけではなく・・・

ベットヘッドからぶら下がっている宿り木・・・。

まさか?・・・


『昨日クレハから教えて貰ったよ。ロゼの世界には素敵な風習があるんだね。』


待って?待って待って待って?・・・

ルシェ達は額にだったからまだいい。

けどラファ、唇だったよね?

えぇぇ・・・・・・。


『ラファ、唇は反則だ。』

『兄上達だって抜け駆けしたじゃないか。』

『抜け駆けとは違う。』

『『 んむ 』』


様子を伺っていたらしい3人まで入って来た。

何をやってんだか・・・。


「取り合えず4人共、私着替えるからさ。」

『うん、どうぞ?』

『『 気にするな。 』』

『手伝う?』

「ちょ」

すぱぱぱぱんっ


私が抗議する前に翁の扇が4人の頭に振り下ろされた。

フンスと息巻いてドアを指差している。

4人を追い出すと自分も出ていきドアを閉めてくれた。

さすが翁。


着替えてリビングに向かえば朝食の準備は終わっていた。

さぁ今日は忙しくなる。

4人には言いたい事もあるけど、それは後回しで。

料理やお菓子作り、お城の仕上げもあるしね。



『ロゼ 見つけて来たわよ!』


現れたのはフラウだ。

その手に抱えられていたのは ポインセチアの鉢。

クリスマスと言えばこれよねー。て事で頼んでおいたのよね。


「うわあ。フラウ凄い!よく見つけたね。」

『ふっふっふー。頑張ったわよっ。』


ありがとうと頭を撫でてあげるとフラウは嬉しそうだった。


『1鉢でよかったの?』

「うん、1鉢を大切にしたいのよ。」

『そっか。』


ポインセチアの鉢を窓辺に飾り作業に戻る。

何の作業かというと、ジンジャークッキー作り。

材料はあったのよ。

ただね・・・。

抜き型がなかったのよね・・・。

なので、パーリングナイフで切り取っているんだけど・・・。

疲れるのよ・・・。

いっそアイスボックスクッキーみたいにすればよかったかなとも思う。

せめて人数分くらいは人形とツリーの形にしたい。

隣ではルシェがマッシュポテト作りを頑張っている。

ラファは雪のお城を見て 僕も何かしてあげたい と何やらやっている。

クレハはディーヴァにお説教を喰らっている・・・。

クレハがドアを開けた時に風が吹き込んできちゃってね。

ケーキ用の粉を振るってたディーバが見事なまでに粉まみれに・・・。

精霊はドアをすり抜けれるのに何故ドアを開けたのかと・・・。

小麦粉はね・・・粒子が細かいからぶちまけると掃除が大変なんだよ・・・。

起こりたくなる気持ちは解るので止めないでいる。


全ての準備が終わった頃、ちょうど雪の精霊もやって来た。


『お城が豪華になってる!

 ベットにお布団があるよ!これ寝てもいいの?

 ソファーにもカバーが付いてる!

 凄いよ、人間のお家みたいに色が付いてるよ!』


見ているこっちまで嬉しくなるくらいに喜んでくれている。

ラファが何をしていたんだろうと思ったら、小さなフロアライトが作ってあった。

魔道具だから熱は発しないらしい。

ていうか魔道具作れるって凄くない?


『簡単な物なら うちの家族は皆作れるよ?』


なんですと?! さすが王家というかこの優秀一家め!

でもこういう小さい物は手先が器用なラファが得意らしい。


『皆さんありがとです。 僕嬉しい。』


雪の精霊はウルウルしちゃってた。


「さあ。ご飯にしよ? 今日はね、君も一緒に食べるんだよ?」

『え? でも・・・ 僕・・・。』


じゃじゃーん!

と大鍋で作った氷の小部屋を見せる。


「どう?この中なら大丈夫でしょ?」

『溶けないように時々冷風を掛ければいいしね。』

『僕・・・僕・・・・』

「泣かないで! 溶けちゃう!!」

『『『 溶けないから!! 』』』

「あ、そ・・・そう?」

『さ、中に入ろう。』


全員でテーブルに着くと 大地の恵みと空の導きに感謝し、家族の健康と幸せを願ってから食事を始める。

ラムのオーブン焼きはいい感じに焼きあがっていて美味しく出来上がっていた。

ルシェが頑張ったマッシュポテトもバターと胡椒の香りでいい感じ。

サラダもアンチョビを使ってドレッシングを作ったのでいい感じ。

クルミパンは羊の形になっていて可愛かった。

皆笑顔で食事を楽しんでいるようだった。


『やっぱりこのハーブソルトは凄いね。美味しい。』

『うん、羊肉の臭みが抑えられていいよね。』

『僕はこのマッシュポテトが好きです。』

『僕 サラダ』

『私はやっぱりこのケーキよねぇ。』


そうディーヴァが作ったケーキは凄かった。

パティシエですか?ってくらい綺麗にベリーがデコレーションされていたし

スポンジもフワフワで美味しかったの!

今度からケーキはディーヴァに任せようと思う。


食事の後は恒例のボードゲーム。

雪の精霊とフラウとナディは初めてだったから大はしゃぎで一喜一憂してた。

今日の勝者はラファ、ルシェと接戦だった。

私? 安定の最下位ですけども?・・・ やっぱり何かがおかしいと思うのよ・・・。

そして楽しい星祭りのパーティも終わり、お開きとなった。

余ったクッキーは包んで皆にお持ち帰りして貰った。

ラファは止まるのでルシェと寝て貰う事にした。

その結果私はモフモフ4匹と寝るはめになった・・・。

寝返りが打てない・・・。そして暑い・・・。


読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ