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クレハの悪戯

私は米よりもパンが好きだから、今まで米が無くても苦にはならなかった。

でも今日食べてみて、やはり日本人だなと思った。

凄く美味しくて食べ過ぎたから・・・。

元々は南方の国から輸入していたらしいんだけど、この港町でも作られているらしい。

さすがに味噌や醤油は輸入品のみだと言う。

作るのも難しいもんね。

私も子供の頃おばあちゃんが作るのを見ただけで、詳しい作り方は解らないし。

安定して輸入されているので特別高価ってのでもないらしいので少し買って帰ろうかな。

お米も少しだけ買って帰ろう。

ラファは醤油と山葵を買って帰って皆に食べさせると張り切っていた。

きっと皆の反応を楽しみたいんだろうね。フフフ。

食材は出発前に買うとして、次は雑貨屋さんでも見て見ようかな。


宿を教えてくれた住人が言っていたお勧めの店に行ってみると。

おぉー。アジアンチックな小物やアクセサリーがある!

しかもここにも精霊がいて、子狐の姿をしている。

ちょこんとカウンターに座っている姿は招き猫ならぬ招き狐のようだった。可愛いじゃないかっ。


『いらっしゃい。ゆっくり見ていってね。』


子狐が挨拶してくれた。うん、可愛い。撫でてもいいかな?


『少しだけなら、いいよ?』


おぉぅ、ありがとう! モフモフ ナデナデ。 可愛いなぁ。


『ロゼ、僕もさあってみたい。』


いいかな?と聞いてみたら子狐はどうぞと言ってくれた。


『ラファ、そっと優しくね?少しならどうぞだって。』

『わぁ。ありがとう!』


モフモフッと頬擦りしている。 む、それずるい。私もすればよかった。


撫でさせて貰ったお礼を言って店内を眺める。

木彫りの熊に 木彫りの狐 北海道かっ!と突っ込みそうになった。

木彫りのコースターはいいなあ。

桜のモチーフのイヤリングも可愛いな。

これアルテシアさんとハイデルに買って帰ろうかな。

こっちのブレスレットも可愛いなぁ。

ラファも目移りしているみたいだった。

結局私はイヤリングを ラファはブレスレットをお土産に買った。

お金を払う時に


『子狐ちゃんが たまには休みの日にしてゆっくりして欲しいと言ってますよ。』


と伝えたら、心配かけちゃったのね、ちゃんと休むようにするわと笑っていた。

子狐は嬉しそうにしていた。


宿への帰り道で団子屋を見つけた。 こっちにもあるんだ。

夜食にいいかなと思って、私は黄粉がたっぷりかかっているのにした。

ラファは醤油が塗られた焼き団子にしたみたい。

こうなると緑茶が欲しくなる。どこかにお茶屋さんがないかな。

さすがに今日はもう日が暮れるので、明日探してみよう。



『見た事無い物がいっぱいでキョロキョロしちゃった。』

「ふふっ、そうだね。私には懐かしいと思える物もあったなぁ。」

『そっかあ。ロゼの居た所は南方の文化と似ているのかもだね。』

「うん、そうかもね。」

『いつか行ってみたい?』

「うーん、行ってみたい気もするけどこうやって交易品見るだけでいいかな。」

『見るだけでいいの?』

「うん。だって遠いみたいだし船酔いしそうじゃない?

 それに、なんか面倒な事があってもね?」

『あー。確かに。』

「さぁラファ。先にお風呂にはいっちゃって。」

『えー、僕魔法で終わらせるからいいよ。』

「だーめ。潮風にも当たってるし疲れてるんだからお風呂に入って。

 特別に入浴剤いれてあげるから!」

『入浴剤! ほんと? 入る!!』


まあなんちゃって入浴剤なんだけどね。

乾燥させた柚子の皮と色付けにクチナシの実をカーゼに包んで湯舟にぽいっ。

色と香りで雰囲気は出せるのよ、ふふふ。


『ロゼ 一緒に入ろうよ。』


ゴフッ 


「それはちょっと駄目なんじゃないかな?」

『えー。駄目なの?』

「一応ラファも男性だからね?」

『そ・・・そっか。』


ここは敢えて男の子とは言わず男性にしておいた。


『ふむ、独りだと心細いのか。なら私が付き添ってやろう。』


ぶっ クレハが一緒に入るの?

美少年と美青年が お風呂でアハハウフフ・・・。

だめだめ、消えよ妄想! 立ち去れ煩悩!


「ラファ、クレハが一緒に入るってー。」

『えぇ?!』


早く行くぞと言う様にクレハはラファを抱えて行った。

大丈夫かな、あの2人。

風呂場からは楽しそうなラファの声が聞こえて来た。

心配は必要なかったみたいだ。


湯上りの2人は・・・艶っぽかった。

まだまだ少年だと思っていたラファは普段から鍛えているのか意外と筋肉質だった。

クレハはもう言わずとも・・・て感じ。

ちゃんと服着てから出て来てよね。そんなバスタオル腰に巻いただけとか目のやり場に困るじゃない。


『遠慮せずとも見ればよいではないか。』


ゴフッ

おもむろにバスタオルを外さないで!

クレハ聞いてる?! ねえ? ねえってばぁー!

慌ててバスタオルを拾って投げつける。

それを見たラファはニヤリと笑って


『僕のも見る?』


ブハッ

勘弁してください。クレハのせいだからね。2人共さっさと服を着ろぉぉぉー!!

心臓に悪い。こんな事絶対ルシェには言えない。聞かせられない。

知ったらルシェまで脱ぎそうで怖い・・・。

落ち着け私・・・。

そうだ私も風呂に入って来よう。風呂で落ち着こう。


『お風呂入って来るからちゃんと服きてなさいよ!風邪ひくからね!』


はーい、なんで言ってるけど大丈夫かな、もぅ。

やっぱり部屋は分けて貰った方がよかったかなあ。

はあ~お風呂気持ちい。柚子の香りに癒される。


お風呂から上がって驚いた。

なんでベットがくっつけてあるんだろう?


『3人で寝るからな。』


まさか・・・クレハも一緒に寝るつもり?


『当然だろう。』


なにが当然なのかな?

そして言葉は交わせないはずのこの2人が意気投合しているのは気のせいかな?

うーん、2人で添い寝とか言われるよりはいいかな?いいって事にしておこう。


夜食のお団子はおいしかった。白玉に近い食感だった。

でもやっぱり緑茶が欲しかったとも思った。明日探そう。


で?・・・

私が真ん中なの? クレハが真ん中じゃないの?

そんな2人で見つめてニッコリされましてもね?

うぅ・・・。

ぽんぽんっとベットを叩いて誘導しないでくれるかな、クレハさんや。

ラファも嬉しそうにポンポンとベットを叩かないの!

はぁ・・・。

はいはい。解ったわよ。解りましたよ。諦めればいいんですね?諦めるわよ。

変な事しないでよ? 特にクレハ!


『変な事とは?』ニヤリ


このぉ・・・解ってて聞いてるでしょ?

いいわよ、それなら。

ラファの方に向いて寝るから!!


『待てロゼ。それはないだろう。悪かった。私が悪かったから。』


ふふん。困らせるクレハが悪いんだからね!


『ロゼ。機嫌を直してくれぬか。ロゼ・・・。』ショボン


しょげちゃった。

このくらいにしとくかな。フフ

悪戯はほどほどにね?クレハ。


読んで下さりありがとうございます。

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