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悪魔のクマ  作者: ib
6/12

第六話 ハロウィン

物語も中盤です。あなたは失ったものがわかりましたか?


やるからには徹底的に、それが南家の方針である。


三時間で作られるものは限られるからな……あれにするか。買うものは包帯とテープと絵の具かな?これで良し。


家に戻ると志乃が既に制作に入っていた。


「見ちゃだめだからねー!」


「わかってるよ。俺は二階で作るからなー。」


残りは二時間。まずは包帯に赤い絵の具で所々色を塗っていく。


俺が作ってるのはそう、ミイラ男ならぬ包帯男のようなものだ。いい感じで仕上がればいいのだが、、。


よし、こんなものだろう。鏡を見て最終確認をし一階へ向かう。時間だし仮に終わってなくて見てしまっても文句は言われないだろう。


「志乃ー?」


彼女の姿はない。リビング、風呂場、トイレ、ベランダ……どこを探しても志乃は見つからない。


……まさかっ!嫌な予感が頭を()ぎる。慌てて玄関の扉を開け外へ、、。


あれ?目の前に志乃がいる。


「見つかっちゃったー。どう……かな?」


そこにはなんとも可愛らしい魔女姿の妻が立っていた。


「最高。」


「やったねっ!浩史のその……ゾンビ?も凄い迫力あるね。」


そう言ってニシシと白い歯を見せる。ああ、改めて幸せを噛み締める。


「今日はこのままご飯にしよっか。」


「そうだな。」


「あ!魔女だ!ゾンビもいる!!」


声のする方を見てみると子供が数人バスケットカゴを持っている。


「トリックオアトリート!お菓子くれないとイタズラしちゃうぞ!」


「えー!それは困っちゃう!ちょっと待っててね〜。」


いつ買っていたのか彼女は人数分のお菓子の詰め合わせを持ってきた。


「ありがとう魔女さん!」


「じゃあなゾンビ!!」


「はーいまたね〜!」


「気をつけろよ。」


子供達を見送った後、あのお菓子はいつ用意してたのか尋ねてみる。


「あれは……月見の時買いすぎたやつ!」


「あっ。」


確かにかなりの量余っていたもんな、、。狙って買っていたのなら凄いものだ。まあ妻の反応からそれはないと断定できてしまうが。


「さーて!今日はかぼちゃのサラダと、かぼちゃスープ、かぼちゃの煮物に、デザートはかぼちゃのケーキでしょー……。」


「徹底してるな、、。」


「我が家の方針。でしょ?」


「そうだった。」


かぼちゃばかりで飽きるかと思ったが、どれも美味しく平らげてしまった。


「いやー、楽しかったねー!」


「ああ。」


「また来年も……やろうね。」


「……?ああ。来年はかっこいい伯爵になる努力をしてみるよ。」


「え!楽しみー!」


各イベントは年一度しか来ない。だからこそ彼女は終わる度に少し寂しそうな顔をする。でもまた来年、再来年とハロウィンはやってくる。他のイベントだってそうだ。


「ハロウィンは終わるけど、次のイベントの時は今以上に楽しむことをしよう。」


「……うん!」



遊び疲れたのかその後志乃はすぐ眠いからとベッドへ行ってしまった。


一人のうちに俺は聞きたかったことをクマに尋ねてみる。


「なあクマ。」


「どうしたんだい?」


「お前って人の記憶を消したり事故そのものをなかったことにしてるよな?」


「あーまあうんそうだね。」


「今回だと志乃が巻き込まれるはずだった事故を無かったことにして、事故によって植え付けられるはずだった記憶を色んな人から消している。」


「うんうん。」


「それが大変なことなのは想像がつく。だから俺から対価を受け取ったってことだよな?」


「どうしたのそんな改まって?」


「いや失ったもののヒントすら今は掴めてなくてな。こうやって話してたら何か思い浮かぶかなと思ってさ。」


「なるほどねー。まあ僕からは教えられないんだけどね。あ、そうそう奥さんなんだけどね。」


「何か問題でも見つかったのか?!」


「いやいやその逆さ。経過は良好、魂が体に定着してきているね。それなりに蘇生は失敗するものだから僕としても一安心さ。」


「そうか……。それはよかった。」


「約束も守ってもらえてるみたいだしね。」


「約束?」


「いやこっちの話さ。気にする事はないよ。他に聞きたいことはあるかい?」


「今は他にないな。あっ。いやこれだけは聞いておきたい。」


「……?」


「本当に俺は3つのものを失ってるんだよな?」


「変なこと聞くね。対価なんだからちゃんと貰ってるよ。それに君たちは見ていて面白い。これからも幸せに過ごして欲しいな。」


そう言ってクマは消えてしまった。


まもなくあれから半年が経ってしまう。どうして失ったものがわからない?些細なものくらいは見つかってもいいはずだ。


年数がわからないのは過ごしてて不便じゃない。でもこれはとても分かりやすい変化だった。


ということはもう一つは分かりにくい変化なのか?()()()()()()()()()()()()()()


何かこれまでの行動でヒントはなかったのか?よく思い出せ……。







どうしたらいい?どうしたら……。このままだとまた、、。





10月31日(水)

今日はハロウィン。志乃は魔女、俺は包帯男のコスプレをした。近所の子供達にお菓子を配ったりかぼちゃパーティをした。来年はかっこいい伯爵のコスプレをする約束をした。

志乃は何をしてくれるのだろう。





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