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ある微粒子と微粒子の結合と分離
微粒子と微粒子が連結や分離をし続け、やがては全てがお互いに何ら無関係になる宇宙論的歴史のなかで、存在の領土はわずかであり、地球儀上の孤島のように、もはや誰も認識しないその地で、無様な連結と、その連結の崩壊を理解し、偶然に組み合わさった不器用な連結を不快と呼び、しかしその連結の崩壊にたいしては恐れおののくために、まるで泥沼にはまった哀れな連中のように、右にも左にも上にもいけず、ただただ憂鬱に沈むことしかできない者どもがかつて足掻いていたころ、この余りの不条理さにどうしても納得ができずに、かと言って誰かにこの不快な、呪うべき微粒子と微粒子の連結や分離、すなわち存在にたいして、何か解決の糸口が見つかるのではないかと考え、デミウルゴスという悪魔を仮定したうえで、彼に存在への疑義を提訴したのが始まりであった。