餞別
青ざめた犬を見ました
その動物は友人たちを噛むので
困りました
仕方がないので
名前を呼んでやりました
むなしい むなしい むなしいと
青ざめた犬は逃げました
動物は
名前を嫌いました
恐怖が共鳴しているのです
狂った血が騒ぎます
だけど決して理解し合う事は
ありません
なぜなら僕らの間には
黒い川が流れているのだから
この世にある楽しいものや
美しいものすべてを集めても
向こう側では役に立たない
それが
よくわかりました
さようなら
未来に向けて
書いて下さい
今いる人々に君の声は届かないかもしれない
だから
まだ見ぬ人のために
書いて下さい