プロローグ草案2
【注意】
・これは第1話の草案その2となっています。
・途中から第2話と同じ内容である為、省略しています。
・あとがきの投票に参加してくれるととても嬉しいです。
・感想やアドバイスを頂けるともっと嬉しいです。
・最初に投稿した時の第1話とかなり似ています。
晴れ渡る空。アスファルトに響くセミの鳴き声。立ち上がる陽炎。よくある夏の日のことだった。
(どうしてこうなっちゃったかなぁ……)
そんな中、彼女は天を仰ぎ、ため息をついた。
彼女の前の名前は、山門有。17歳、風ノ宮高校2年生。山風町で生まれ育った。性格は明るく、友達も多かった。彼女は、いわば青春を謳歌していた。
だが、その年の秋。落ち葉が積もる頃、有は崖から転落し、命を落とした。
気が付くと彼女は、「ブランキャシア」と呼ばれる、剣と魔法の王国の草原に立っていた。いわゆる「異世界転生」だ、と彼女はすぐに理解した。
ブランキャシアがあるのは「ソルンボル」という世界であり、そこには国を問わず5種類の種族が存在していた。人間、エルフ、ドワーフ、獣人族、混血種。有は獣人族だった。
有は赤のスカートに黒いブラウス、茶色の皮のベストを着て、スカートに茶色のベルトを巻いていた。頭の上には猫の発達した黒い耳が付いており、スカートからは白い先端を持つ黒い尻尾が見えていた。
有は近くの村の住民から、ソルンボルで最も流行っている職業、冒険者について聞き出した。
そしてそのまま、有はブランキャシア王国の城下町に向かい、冒険者のギルドに入った。
冒険者は、武器を持って戦う「戦士」、己の体のみで戦う「拳闘士」、杖から魔法を放つ「魔術師」、祈りを捧げチームメイトを回復する「神官」、精霊と呼ばれるソルンボルに生息する小さな種族と契約して戦う「精霊使い」の5つの職業に分かれ、それぞれでチームを組み、お互いの目的を達成するためにダンジョンに潜るという職業だった。有はそれに憧れた。
有は冒険者ギルドで冒険者の登録を行い、冒険者の証である白い百合のバッジを貰った。有は自分を「ナリ」と名乗った。
そこでナリは「ケルベロスアイ」というチームに所属した。
リーダーの人間の剣士、ダンバー。斧を使うドワーフの戦士、ブレイン。チームで唯一ナリと同じ性を持つ、エルフの神官、フィーネ。
その3人にナリを含めた4人は、まだ見ぬ財宝を求め、ダンジョンに潜った。ナリはそのチームで牽制役を担い、チームの戦いに貢献した。
ナリは、ブランキャシアでの生活を大いに楽しんでいた。冒険者ギルドに併設された酒場で、チームメイトと食事をするのが何よりも好きだった。
だが、ある日。
ダンジョンに入る直前、ナリの意識は途切れた。そして、気が付くとナリは、ナリが「山門有」として生きていた世界……すなわち、現実の世界に帰ってきていた。
だが、その姿は可憐な少女であったナリの姿ではなかった。それは、黒猫そのものだった。
そして、今に至る。
「にゃんでこうにゃっちゃったかにゃあ……」
ナリはブロック塀の上で天を仰ぎ、ため息をついた。
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