おまけと言う名の解説
目次
◎はじめに
◎世界観解説
◎想定されうる質問に答えるコーナー
〇モデルとなった作品とその片鱗が見える場所
〇『にゃんと奇妙な人生か!』のテーマ
〇この作品を書くきっかけ・モデルを選んだ理由
〇なぜ「アストリアスの悪夢」では三人称視点ではなくナリの一人称視点になったのか?
〇各キャラクターの名前の由来や意味:仲間編
〇各キャラクターの名前の由来や意味:その他主要キャラ編
〇その他名前の由来
〇それぞれの過去の分類、過去のテーマ
〇鬼宿しのベルの過去
〇いつから零はナリのことが好きだったのか?
〇いつからナリは零のことが好きになったのか?
〇満咲の母親への復讐計画
〇65話「過去」で零が言いかけた言葉とは?
〇なぜナリが主人公になったのか?
〇次回作
◎おわりに
◎はじめに
いつもお読みいただきありがとうございます。朝那月貴です。
今回はタイトルの通り、ホープ=ドリームが話した世界観をもう少し分かりやすく解説し直したり、今まで張ってきた伏線や、この作品のモデル、裏設定などを解説していきたいと思います。
これはただの蛇足であり、おまけですので、お好きなところでプラウザバックしてください。
それでも最後までお付き合いして頂ける方は、朝那が投げキッスします。
それでは、はじめていきましょう!
◎世界観解説
ざっくり言うと、こんな感じの真相です。
①ソルンボルは夢である
②ソルンボルと現実世界モドキは地続きの世界
③三賢者の正体は名前に表れているものを司る三姉妹の精霊
④ソルンボルの作り方 (ラヴ=ブレイヴが嘆き、ホープ=ドリームが夢 (世界案)を提示し、ウィル=フレンドシップが意志を決定し、ホープ=ドリームが夢で作り上げた)
⑤有はホープ=ドリームの試練に合格した
⑥有の世界では有の魂以外全て夢or人形
⑦アストリアスが最初にやってきた転生者。三姉妹がアストリアスを育てた
⑧アストリアスが育ったので真相を教えた
⑨アストリアスが虚無感を感じる中、プライヤが母親だと知る
⑩アストリアス失踪。その間に鬼宿しのベル回収。母親を殺してこの世界を壊そうと決める
⑪三姉妹の防衛でプライヤは守れたが、《盧生之夢》によりソルンボル崩壊
⑫何も知らず巻き込まれた人が可哀想&三姉妹が1番助けたいアストリアスとプライヤを救えていない→現実世界モドキを作り上げる
⑬夢の維持にも限界を感じた。魂を持つものだけでなく、人形までもがこの世界の真実に気付いた。この世界を壊そう
⑭現実世界と夢の世界は切り離されており、本当の現実世界はまだ7月中旬
⑮世界を壊す方法は、禁断の魔法 《盧生之夢》にある
⑯ナリ達の姿は、ホープ=ドリームが「精神年齢が近い」と感じた姿の人形
⑰アストリアスは全ての始まりにして、全ての終わりに定めている(ラストコンテンツ)。アストリアスを倒せば、全ての結末がついたと判断し、三姉妹は心置き無く世界を壊せる
⑱この世界を三姉妹が壊す前に、女王アストリアスの暴走を止めて、この世界に住む者の物語を終わらせてくれ(ラストの依頼)
①〜⑥ アストリアスの悪夢1
⑥、⑭、⑯アストリアスの悪夢2
If (仲間と出会わない世界線、現実世界)
⑦〜⑬、⑮、⑰、⑱アストリアスの悪夢3
では、詳しく見ていきます。
ホープ=ドリームが解説してくれましたが、たとえが分かりにくいので私が分かりやすいたとえで解説します。
皆さんが、MMORPGをプレイしているとします(MMORPGについての説明は、皆さんの方が詳しいと思うので割愛します)。
自分のキャラを作り、ファンタジー世界で操作します。
その時、皆さんはプレイヤー(PL)であり、自分が作り上げたキャラ (PC)そのものではありません。
しかしナリ達は、自分自身 (PL)が作り上げたキャラ (PC)そのものだと思い込んでいます。
ホープ=ドリームの言葉で説明するなら、プレイヤーは「魂」、作り上げたキャラは「人形」となります。
人形 (創で言うなら月島零の身体)そのものが、転生した自分自身 (創で言うなら川峰創の魂)だと思い込んでいたのです。
性質としては、ブランキャシアと、現実世界だと思っていた世界は変わりません。
それが夢である以上、ナリ達はゲームの中にいただけに過ぎません。
また、「元々あるNPCの顔のうち、どれか好きなのを選ぶ」形式のキャラクリエイトは、ゲームによくあると思います。
有が猫に、創が零に転生する(プレイする)ことになったのは、次に転生するからとかではなく、その人に合ったいい感じの人形だったからです。
元々あったキャラ(創にとっての月島零)の体を、プレイヤー(魂、今回の例なら川峰創)がプレイしているだけです。
なので、転生と言う割には赤ちゃんから始まっていないのは、そういう訳です。
そして、皆さんはMMORPGをする時、媒体を利用すると思います。
スマホ、タブレット、PC、PS4/PS5、Switch、Xbox、etc……
一緒にプレイしているゲーム内の友人は、あなたと全く同じ媒体を使っているでしょうか。
あなたがスマホでゲームをプレイしているのならば、あなたのスマホで友人はプレイしているのでしょうか。
これは、私達が寝る時に見る夢でも同じ状況が言えます。
皆さんで同じ夢を見たとして、自分が見た夢と他の人が見た夢は、繋がっているものでしょうか。
ナリ達にも、同じ状況が起こっています。
ナリが見た世界 (夢)と、零が見た世界 (夢)は別のものです。
そして、運営 (ホープ=ドリーム)は、何か修正が起きた際、全員にいっぺんにアップデートを配信するのではなく、個々に修正内容を変えています。(めんどいことしてますねこの精霊)
たとえば、「山風町の笛吹き」編や「ネバーランドの姫君」編で、ナリは事件後に事件のことを話しますが、全員「何の話?」と首を傾げます。
それは、ナリ以外が全員PCでありながらNPC化されていて、ホープ=ドリームが「事件のことは無かった」という修正を、NPC化された元PC含め、他全NPCに施しているからです。
実はあの場面、そこにいた全員は同じタイミングで、同じように事件について尋ねています。
しかし、ホープ=ドリームは「PCとしての尋ねたセリフ」を消し、「NPCとしての知らないセリフ」を言わせています。
第64話「生き物の定め」にて、詩乃が奏太について語る場面がありましたが、あれは「詩乃の世界 (夢)では、詩乃は奏太のことを覚えているが、他の人は覚えていない」という状況になっています。
それを「詩乃→ナリ」に変更したら、ナリの世界 (夢)と変わらない状況になります。
ナリの世界 (夢)では詩乃は覚えていないし、詩乃の世界 (夢)ではナリは覚えていない。
そういう風に、覚えているようなセリフを言った場合は、ホープ=ドリームが都度修正して、その瞬間だけNPC化させているのです。
これが、「魂のある人形でありながら私に操られる人形でもある」ということの正体です。
ナリの世界 (夢)で、魂として存在しているのはナリだけです。
他の人もいるように見せられていますが、世界の真実に触れようとした瞬間、ナリ以外全員NPC化されます。
そういう世界を、ナリは現実の世界だと信じこんでいました。
そして今回、世界 (夢)を精霊三姉妹が終わらせようとしています。
ゲームにたとえるなら、運営がサ終しようとしています。
そこで経験されたPCの記憶 (PLの記録)は、一切合切消えますよね。サ終しますから。
では、そのPCの記憶 (PLの記録)は、他のゲームのキャラに、全く同じように反映されるでしょうか。
世界観や、装備品や、周りのNPCや、顔立ち……全て違うのだから、PCの記憶 (PLの記録)は違います。
ドラクエでちいさなメダルを100枚集めたとしても、FFでちいさなメダルは溜まりませんよね。そもそも、ちいさなメダルはFFにありませんから。
つまり、ナリ達が夢の中で経た経験は、次の人間に転生した時には反映されません。
たまに、前世のことを覚えている方がいらっしゃいますが、大抵の方は覚えていないと思います(覚えていたらごめんなさい)。
なので、「まあ来世になっても今のこと覚えているだろうな」と思って生活することは出来ないはずです。
自分が前世のことを覚えていないのだから、来世になって今のことを覚えているはずが無い。そんな風に思うのではないでしょうか。
つまり、ナリ達は「どんなに頑張っても次の人生に何も役に立たない」という人生を、世界 (夢)の中で、現実世界に本当に転生したと思い込み、転生して生きている(プレイしている)のです。
ナリや満咲が抱える「虚無感」。まとめると、以下の三つに起因します。
・この世界が夢だった。現実そのものに影響を与えるものでは無かった。
・どんなに手を伸ばしても、大切な人の世界に自分はいないし、自分の世界に大切な人の魂はいない。たまに運営 (精霊三姉妹)にNPCとして扱われる。
・どんなに頑張っても、次に転生する時に一切役に立たないし、影響もない。
ナリは夢の中でどんなに頑張っても、現実世界で父親に死体を知らせることは出来ません。
どんなに零のことが好きでも、ナリの隣にいる零は本物ではなく、零の形をした人形 (NPC化するPC)です。
どんなにナリが頑張って敵を倒しても、次に転生した時には一切忘れます。
そうして、アストリアスはこの世界を壊すことに決めました。
ナリが全てを知った今、これからどうするのか?
どうしても振り払えないこの虚無感を、どうするのか?
それは、これからの展開をお楽しみに。
◎想定されうる質問に答えるコーナー
〇モデルとなった作品とその片鱗が見える場所
この作品全体のモデルになった作品。
それは、中島敦の有名な小説『山月記』です。
主人公・李徴は才ある人物でしたが、ある日川沿いの宿に泊まってから、行方不明になってしまいます。
一方、彼の友人である袁傪は、人食い虎の噂を受け偵察に向かいます。そこで出会ったのは、大きな虎。
そこで袁傪は、虎の正体が自身の友人である李徴だと気付きます。
そこから、李徴の後悔、そして、どうして虎になったのかについて、李徴は袁傪に語り始めます。
ざっくり言うと、こんな感じの小説です。
その片鱗が一番現れているのは、亥李の過去編「空虚で、空白な思い出」です。
この「空虚」「空白」という言葉は、亥李の元の名前である「去間空」にかけていますが、それと同時に、李徴のセリフから取っています。
そもそも、この回の話し方や話題の展開の仕方は、まんま『山月記』です。見ながら書きました。
例えば、亥李のゲーム(バレラグ)への執着は、李徴の詩へのプライドにかけています。
また、亥李が家を飛び出した時、最初に向かったのは月島家でした。
それは、ナリと零に助けを求めたかったから……ではなく、零の元々の名前が「川峰創」だからです。
このように、亥李編「陸への憧れ、海への想い」は、『山月記』をほぼオマージュしています。
実際は亥李編だけではなく、他の所にも随所『山月記』オマージュがあります。
例えば、度々登場する「夢遊病」。
あれはホープ=ドリームに「気を失っている間、あなたは現実世界にいる。現実世界の意識を持っていないから、あなたは何も知らない」と説明されています。
それは、李徴が虎として意識を奪われていることのオマージュです。
また、実はナリは「只、狼は優しくありたかった」編ほどから、心の中のセリフの中に「にゃあ」が増えています。
そもそも、ナリはよく「にゃはは」と笑います。
「赤き人形達の舞踏会」編でも、偽有がよくそう笑っていましたね。
あれは、ナリが「猫である体に自分を乗っ取られかけている」という暗示です。
そしてその暗示は、やはり李徴が虎へと変貌していたことのオマージュです。
このように、亥李の過去編だけでなく、そもそもこの話全体が『山月記』のオマージュになっています。
「空虚で、空白な思い出」より前に分かった人は本当にすごいと思います。自分を褒めてください。
〇『にゃんと奇妙な人生か!』のテーマ
『山月記』をモデルにしている今作のテーマ。
それは「全てが夢だと分かった時、どうするのか?」です。
全てが夢であり、そして周りにいる人間は全て自分の手の届かないところにいる。
そんな時どうするか?というのを、私の代わりにナリに答えを出して貰いました。
また、参華が「ネバーランドの姫君」編でよく言っていた、「過去を踏みしめて、今を生きていく」も今作のテーマです。
私個人の考えとしては、(異世界限らず)転生ものはその性質的に、過去に触れなきゃいけないと思います。
なので過去をかなり重めにしたのですが、山月記と組み合わせるに当たり、「後悔」という気持ちを強めにしました。
その結果生まれたのが「過去を踏みしめて、今を生きていく」です。
(比較的)過去に囚われていない参華が、転生していない立花に言ったセリフですが、私としては全員にこの言葉をかけたいと思っています。
転生した後だって、生きている。なのに過去を見てばかりでは転んでしまう。
前を向かなければ、上手く生きられない。
だから、過去を踏みしめて、今を生きていく。それが前を向く一番の方法です。
という訳で、このテーマを選びました。
ナリは「赤き人形達の舞踏会」編で前を向けましたが、果たしてアストリアスはどうでしょうか。
〇この作品を書くきっかけ・モデルを選んだ理由
きっかけは、2021年の1月。前作『ギヴ』を書き終わった後「最近流行ってるから」という理由で、異世界転生ものを書きたいと思ったことです。
ただ、普通の異世界転生だと私が面白くない。
せっかくなら変わったものを書きたい。
そこで考えたのが、「異世界に帰ってきた」という設定です。
異世界に帰ってきて、かつての仲間と再会したことにしよう。
主人公は猫にして、ずっと猫のままだとやりづらいから擬人化しよう。
擬人化するならスキルが必要だから、魔法とかは全部使えるようにしよう。
そうして考えていった結果、最終的に「異世界とは何か?」という疑問に当たりました。
そして、全てのことに辻褄を合わせる為に思いついたのが、「全てが夢である」ということでした。
夢オチじゃん!って思った方、結構多いと思います。私もそう思います。
でも目覚めたくない夢だし、夢から覚めたらもう二度とその姿で起き上がれないし、夢オチとはまた違う感じだからいいかな……?(言い訳)
そのあたりで、『山月記』と組み合わせることを思いつきました。ちょうど高校の授業で習っていましたし。
『山月記』にも夢の話が登場するので、じゃあもうこれでいいやと。
そんな感じで決まりました。『山月記』には本当に助かりました。
〇なぜ「アストリアスの悪夢」では三人称視点ではなくナリの一人称視点になったのか?
単純な話です。もう私 (三人称)は要らないからです。
今まではナリ以外の心情も描写しないといけなかったので、三人称視点にしていました。
しかしもうその必要が無くなったので、晴れて主人公として一人称視点になってもらったのです。
元々、各章のラストに少しだけ、メインキャラクターの一人称視点を入れていましたし、多分そんなに驚かれなかったかなと思います。
〇各キャラクターの名前の由来や意味:仲間編
1番最初の名前―ソルンボルの名前―今の名前
という順番で表示します。
・山門有―ナリ―ナリ
『山月記』というタイトルから。
第2話の「猫って名前を付けられてキレる時に、『な』が『にゃ』になる」というくだりをやりたかったので、頭文字を「な」にすることは決めていました。
また、月要素を入れたいので、名前は「月 (あるいはにくづき)」が付いている名前にしたい。
そこで、赤ちゃんの名前を集めたサイトで調べたら、有とかいて「なり」と読ませる名前があったので、即決しました。
全登場人物の中で唯一、苗字から決めたキャラです。
ちなみに、最初に零に付けられた「猫」ですが、昼休みにクラスメイトが「猫を飼ったら猫って名前をつけたい」と言っていたことに由来します。
憶測ですが、多分夏目漱石オマージュだと思います(言ってた本人に聞いてないので分かりません)。
ただ私としては、「猫」より普通に名前をつけた方が猫が喜ぶだろうなと思います。
・川峰創―アッシュ―月島零
ナリ以外全員に言えることですが、基本的に転生後の名前から考えています(ナリだけは前の名前から)。
まず月島。こちらは『山月記』から。
零は、単純に私が好きな名前だということと、「零からからスタート」ということに由来します。
直前にリゼロの1期をアマプラで見てたので、たぶんそれが原因ですね。
『耳をすませば』の主人公の月島雫に名前がそっくりだったのは、書き始めてから気付きました。
アッシュは、ファンタジー系の名前で私が一番好きな名前です。
元気お兄さん系か、クールロンリーウルフ系のどっちかだと思います(偏見)。
川峰は、『山月記』にて李徴が川の近くで行方不明になった為。
創は、零から取りました。
・青桐勇吾―ブレイン―日下部陽斗
語感から名前を決めたキャラ第一弾。
強いていうなら、『山月記』の中に草原が描写されていたり、日の出と共に別れが来たりするからでしょうか。
青桐勇吾に関しては完全に語感から決めてます。
「青桐」は若さを象徴してる感じを出しました。
ブレインに関しては、ファンタジーっぽい名前を考えた時に最初に出てきた単語です。
英語で「脳」という意味だということには後で気付きました。この名前をつけたのは高校生の冬ですが、私は本当に大丈夫だったのでしょうか。
実際、ケルベロスアイの中で一番の常識人であり、金勘定にうるさい人であり、ブレーン枠だったので、名は体を表すだったのでしょうか。
・小早川那月―フィーネ―土屋美波
語感から名前を決めたキャラ第二弾。
『山月記』の主人公は虎なので、土は多分そのあたりの連想です。
美波は、私の頭の中の『山月記』像にて、草原が風で波打つ姿があったので、恐らくそこからだと思います。
「多分」とか「恐らく」とかいう言葉を使っているのは、実際は感性に従って決めたので、深い理由が自分でも分からないからです。(陽斗に関してもそうだけど)
フィーネは、エルフの名前をつけるにあたり、水をイメージした名前にしようと思い決めました。
小早川那月に関しては、まず私は戦国武将が好きで、小早川秀秋はかなり好きな方です。
ちなみに一番好きなのは真田信繁です。
なので、そこから名付けました。那月はなんとなく。
・若木健人―アルケミス―虎前千里
恐らく、作者が一番重宝したキャラ。
知りたがりで魔法が得意で仮説を立てたがるという性格上、伏線を貼ったり話題を変えたり、情報を出したり、ミスリードしたりという仕事は、殆ど彼がやってくれました。本当にありがとう。
さて名前ですが、虎は千里を走るという伝説から。
千里は好奇心や知的探究心をテーマにしたキャラなので、賢かった李徴にあやかって名前をつけました。
アルケミスは、知恵のある彼になぞらえて、錬金術 (Alchemy)から。
若木健人ですが、これは千里の過去からとっています。
若くして亡くなったことと、病気に縁のある人生を送っていたことからです。
「山風町の笛吹き」編のラストでもそうですが、彼の設定には皮肉が多いですね。愛ってやつです。
・銘苅再会―メルヴィナ―相沢詩乃
相沢は、『山月記』において李徴と袁傪が再会すること、二人でいることから。
詩乃は、『山月記』にて李徴が一番未練を残していたのが詩だったからです。
詩乃は再会や未練 (トラウマ)をテーマにしたキャラなので、コスプレに対して趣味を超える執着を持っています。
李徴の詩に対する感情だけ抜け出したキャラって感じですね。
メルヴィナは、本当に思いつかなかったので創作メーカー様に頼りました。
銘苅再会に関して、名付けの作中での理由は、本編で語ったのでそれを参照してください。
さて、作者が名付けた理由ですが、まず彼女の一人称やコスプレのハンネが「メル」であって欲しかったので、「める」とあだ名がつきそうな苗字を探しました。
次に再会。皮肉を交えつつ、彼女が嫌がる名前であり、尚且つ『山月記』とも組み合わせられる名前を考えたら、こうなりました。
タイトルは忘れたのですが「京都に修学旅行に行った女の子が舞妓さんになり、師匠から芸名として二重を頂いて、皆の前に登場する」という小説を、昔受験勉強の時に読みまして。
二重という名前をなぜ師匠が名付けたのかという問題を解いたのですが、それが印象的で、10年近く経った今でも覚えています。
確か答えは、カモフラージュしているという意味と、いつも内気な女の子が舞妓さんになって躍動的になるので、二重という意味でした。
再会も「ふたたび」「え(会釈など)」と読める漢字を使っていますし、詩乃は元々二重になりたい人だったので、即決しました。
・去間空―ダンバー―志学亥李
亥李のモデルは完全に李徴です。なので、彼の名前のほとんどの由来は李徴から取っています。
志学は、賢かった李徴にあやかって。
また、空が受験勉強とプレッシャーに関して思い悩んだ人なので、皮肉を込めて志学。
亥李は完全に李徴です。亥がイノシシであることは完全に忘れていましたが……まあ、寅だと寅さんみたいだし、いいかな?と変化なしです。
かいりという名前、乖離とかけていて、とても気に入っていましたし。変えるつもりはあまりありませんでした。
ダンバーはなんとなくその2。ちょっとリーダーっぽい感じに名付けました。
去間空は何回も説明したので省略します。詳しくは「第5回幕間ラジオ〜陸への憧れ、海への想い〜」をご覧下さい。
・安城友香―クリス―遠谷参華
亥李が李徴モデルなら、参華は袁傪モデルです。
袁傪の傪は恐らく「亻+参の旧字」だなと思った私は、参という名前を使った名前にしようと決めました。華は女性らしい名前にする為。
ちなみに傪は鼓を演奏する楽曲の名前らしいです。(漢字辞典オンラインより)
遠谷は、「遠」のつくりが袁である為。猿渡と悩みましたが、同じ読みの知り合いがいるのでやめました。
袁傪ぽさを強調する為に「エン」という読みで読みたかったので、「とおい」という方で読む気はあまりありませんでした。
クリスはなんとなくその3。姉御っぽい感じをイメージしてつけましたが、クリスって男性名じゃないですかね?女性ならクリスティとかじゃないですかね?
友香は、袁傪が李徴の友達だった為。
安城は会社の社長令嬢であることを最初から決めていたので、安定した城 (会社)をイメージして。
響きが万里の長城っぽくて、とても気に入っています。『山月記』も中国がモデルですし。
こんな感じです。さて次、ボスや愛、満咲の名前に行きましょう!
〇各キャラクターの名前の由来や意味:その他主要キャラ編
・ホープ=ドリーム、ラヴ=ブレイヴ、ウィル=フレンドシップ
この小説の真の黒幕。なお自覚はありません。
それぞれ司るものから名前を付けました。
この小説を書く経緯でも触れたように、夢というのはこの小説でかなり初期に決まったテーマでした。
その為、夢を司る精霊は確定。もう一つくらい司っとくかと思ったら、希望を思いつきました。
多分その時Undertale実況にハマっていたからだと思います。どういう意味かはゲームをプレイしてサントラを聞いてください。
夢と希望って似ている意味なのに、ここまで希望のない夢が展開されているので、皮肉が効いていてとても好きです。
ラヴ=ブレイヴは某パンのヒーローから。
愛だけ最初に決めていたのですが、勇気しか続けられませんでした。
ウィル=フレンドシップは、残りの概念で重要そうなものを考えたらそうなりました。なぜ私はウィル=フレンドとかにしなかったんでしょうか。とても読みづらい。
ウィル=フレンドシップを考えたあたりで、感情/行動/思考、過去/現在/未来の概念も分けました。
ラヴ=ブレイヴは感情を重視するから、過去しか見られない。
ホープ=ドリームは現在の為に、夢と希望を生み出す。
ウィル=フレンドシップは未来へ向けて、意志を決定し友情を築く。
作中でナリが「人間を三等分したみたいだ」と言っていましたが、まさにその通りです。
・山川ゆり―アストリアス―幸野満咲
この小説の表の黒幕にして、最大の被害者。
三賢者達が司っていないのに、この小説で重要だと何度も言われているものが「幸福」です。
なので、幸福を満咲と愛で分けて、二人合わせて幸福にしました。なので幸野。
満咲は、満咲か未咲か迷って、満咲にしました。ちなみに、咲くものはカサブランカをイメージしています。
「咲き満ちる」と「未だ咲かず」だったら、皮肉が効いているのは「未だ咲かず(赤ちゃんの時に死んだから未熟者)」ですが、否定的な意味がある名前を満咲の両親は付けないだろうと考え、満咲にしました。
アストリアスは、女王っぽくて威厳ありそうな名前を考えました。多分戦艦イラストリアス(私がよく知っているのはアズレン)のせいですね。
山川ゆりに関して、山川和葉の方が先に名前が出来ていたので、山川は確定していました。
名前はすごく悩みましたが、彼女のイメージフラワーはカサブランカ(百合)なので、まあじゃあゆりかなと。
・山川和葉―プライヤ―福島愛
「全ての原因を作った者」のことを黒幕と言うのなら、彼女がまさしく黒幕でしょう。
満咲の所で「二人合わせて幸福」と言ったように、福島は福から来ています。最初は福山にしようと思ってました。
愛は、愛情のある母親だから。これは愛しか有り得ないと考えていました。
そしたらフルネームが卓球の福原愛選手に近くなってしまったので、慌てて島に変えました。多分、リオデジャネイロ五輪のイメージがどこかにあったんでしょう。
プライヤはPrayerから来ています。本当は「プレイヤ」が正しい英語の発音なのですが、それだとPlayerぽくなってしまうのと、私が英語が出来なかったのでやめました。
山川は、やはり『山月記』のイメージから。
和葉は、『山月記』内に「茂みの中から泣き声が聞こえた」との表現がありましたので、葉っぱっぽい名前を考えたら思いつきました。コナンっぽいですね。
・金子翼刃―トビー―津金澤朝日
翼刃に関しては幕間ラジオの方で説明しましたので、省略します。詳しくは「第7回幕間ラジオ〜小さな少年の武器屋〜」をご覧下さい。
トビーは、「欧羅巴人名録」という私がよくお世話になっているサイト様を見て、なんとなく決めました。ハリーポッターは全く意識してないです。
朝日は、『山月記』で朝日と共に別れが訪れるから。実際は、朝日が昇るまでには至りませんでしたが、それでもやはり読んでいて印象的なシーンだったので。
津金澤は、彼が鍛冶屋だったからです。
・毒島安寿/典明
「毒りんご事件」の黒幕。元ネタは『白雪姫』です。
毒島は毒りんごから来ています。
安寿はなんとなく、怪しい宗教家っぽい名前 (偏見)。
本名を普通にしたのは、「怪しい宗教家の本名って意外だったりするよなぁ」と思ったからです。
・氷結の女王、溝口恵麻
「スノー・ベアーズ・クイーン」編の黒幕達。元ネタは『雪の女王』です。
ちなみに氷結の女王に関しては、完全に満咲の被害者です。
氷結の女王は、まんま『雪の女王』から。本名は決めてないです。
溝口さんは、ヒルダという訳でもなく、かといってカイという訳でもなく。
ヒルダっぽくて欧米っぽい日本の名前を考えたら恵麻になりました。溝口は、霙と「美波 (那月)との溝」から。
ちなみに、溝口さんには星也くんという子供がいますが、名付けの理由はなんとなくです。冬の夜空の星が綺麗だからとか、そんな理由です。
・ニール―稲子谷奏太
「山風町の笛吹き」編の黒幕。元ネタは『ハーメルンの笛吹き男』です。
稲子谷は、『ハーメルンの笛吹き男』でネズミを最初に使役するので、ネズミに関係のある「稲」と「子 (干支でネズミ)」のある苗字を探したらこうなりました。
奏太は、演奏家であったことから。
ニールは完全に生成メーカー様に頼りました。
・春川辰美―チャーリー―湊玖志
「渚のシンデレラ」編の黒幕。またの名を春川アクア。
どう頑張っても王子様にはなれない可哀想な人。元ネタは『シンデレラ』です。
詳しくは「第4回幕間ラジオ〜渚のシンデレラ〜」で語りましたので省略しますが、チャーリーはシンデレラの王子の名前から。
湊はアクアから、玖志は連続テレビ小説『エール』の久志からです。懐かしいですね。
春川は春宮 (王子の意味)から。辰美は寅と同じ干支の動物&なんとなくです。
・鍵本立花、鬼宿しのベル
「陸への憧れ、海への想い」編と「ネバーランドの姫君」編の黒幕達。元ネタは『人魚姫』と『ピーターパン』です。
「第6回幕間ラジオ〜ネバーランドの姫君〜」にて詳しく語ったので省略しますが、立花はフック船長&ピーターパンがモデルなので、鍵本はフックから。立花は多分『中二病でも恋がしたい』のせいです。
ベルはティンカーベルから。鬼宿しなのは、「この魔法って変な存在居ないと存在不可能じゃね?」と考え急遽「鬼」を思いついたからです。
・十優人
「ただ、狼は優しくありたかった」編のキーパーソン。元ネタは『赤ずきん』です。
ちなみに、この章だけ零がフードをよく被っているのは、零が赤ずきんであることを作者が意識してのことです。
十は、零が苗字を見て一発で優人だと分かって震え上がるシーンが描きたかったので、珍しい苗字をチョイスしました。
優人はまんま、優しくなりたかった人より。
詳しくは「第8回幕間ラジオ〜ただ、狼は優しくありたかった〜」をご覧下さい。
・山門剛
有のお父さんで、「赤き人形達の舞踏会」編のキーパーソン。元ネタは『あかいくつ』です。
でも剛に関して理由とかないです。強いていうのであれば、有のお父さんくらいに流行った名前ですかね。
こんな感じですね。それでは次、国の名前や町の名前に行きましょう!
〇その他名前の由来
・ブランキャシア王国
ナリ達転生者が暮らしていた国。北に広がる大きな国です。
百合の品種「カサブランカ」を文字って作りました。
何がいいかなーとか考えていたら、モロッコの都市・カサブランカが思いつきまして。花の名前だし、カッコイイし、いいかなーと。
最初は百合の名前にすると決めていなかったので、ブランキャシアを決めたあたりで、他の地名は大体百合の品種の名前にすると決めました。
・ソルンボル
ソシャゲの「プリコネ」をプレイしていて、「世界の名前があった方がいいかな」と考えつきました。
私達はこの世界のことを特有の名前で呼びませんが、まあ異世界だし、名前くらいあってもいいかなと。
百合の品種「ソルボンヌ」のアナグラムです。
・テッポウ共和国
南東の国で、秩序徹底維持による平和をもたらしたそうです。
テッポウユリから取っています。テッポウだけだと、ちょっと秩序っぽい感じしますね。
・イザベラ王国
反乱軍による奴隷解放デモが盛んな、自由を求めている南西の国です。
イザベラというオリエンタルリリーの品種から名付けています。
ちなみに裏設定として、プライヤと鬼宿しのベルはこの国出身です。小さい頃にブランキャシアにやってきて、住み着いたって感じですね。
・ヤマナ廃城跡
第3話「邂逅」にて名前だけ登場したダンジョンその1。
ヤマユリを文字っています。
ダンジョン全般に言えることですが、最初の方 (30話以前くらい)に名前だけ登場するダンジョンの名前は、書き始めるより前にテキトーに名前だけ付けています。
その後に、何があるかとか、誰がボスかとかを決めています。中盤からは、先にボスを決めて百合の品種から名付けている感じですね。
・ササハリ鉱山
「邂逅」にて名前だけ登場したダンジョンその2。
その後、第31話「吟遊詩人ニール」にて、ササハリ鉱山から月の鋼鉄を持ち帰ったことがニールに謳われています。
ササユリから名付けています。
・コオニユ洞窟
氷結の女王が住んでいるダンジョンで、かつて彼女が女王を務めていた雪の王国の跡地です。
コオニユリを文字ったら、氷っぽかったので氷結の女王の住処にしました。お互いに独立して誕生していたのが、関わりあったみたいな感じですね。
今気付きましたが、スノー・クイーンっていう百合の品種があるんですね。そっちでも良かったじゃん。
・クーリエの迷い森
愛と勇気の塔の近くにある、精霊の巣が発見されたダンジョン。
クーリア(クーリエ)という品種から名付けています。
・レッドウッド火山
第31話で名前だけ出てきたダンジョンその1。
レッドウッドリリーから名付けています。
・ガルリー廃城跡
第31話で名前だけ出てきたダンジョンその2。
鳥っぽい名前から名付けたので、確か百合の名前は関係無かったはずです。でもリーのあたりはLilium (百合の学名)っぽい。メモがないので分からないです。
・イゲタ洞窟
鬼宿しのベルが住んでいたダンジョンで、女王アストリアスが最後に保険の為に向かった場所。
確かイゲタユリかイケダユリみたいな百合の名前 (品種)があったような気がするのですが、検索しても出てきませんでした。
メモを残せ、過去の私。
・山風町
『山月記』より。自然っぽい感じで名付けました。
東京のイメージで書いていますが、ちょっと郊外よりの感じです。新宿とか渋谷とかが電車 (特急)で20分みたいな。
駅名ではなく市区町村の名前です。
・喜山
陽斗が住んでいるあたりの最寄り駅で、タワマンが並び立つ高級住宅地。
駅っぽくて、『山月記』に少し近そうで、山風町にありそうな名前を考えました。
元々、この世界は夢であるという設定上、地名や日付はほとんど表示するつもりはありませんでした。
前に書いていた小説で、カレンダーを作るのがとにかく大変だったので、もうやりたくなくて。
でも結局、地名がないと待ち合わせに不便で仕方がなかったんです。あと、日付がないと約束が出来ないので、結局作りました。
全てを諦めたのは第28話です。
でも最近は、ナリが夢だと気付いた結果日付も地名も無意味と化したので、とても楽です。
・中ヶ丘
ショッピングモールがある、ちょっと周りより発展した駅。
中に対してヶ丘ってあんまりないよなーと思い名付けました。普通桜ヶ丘とかつづじが丘とか、花の名前ですね。花の咲いている丘って意味ですもんね。
あとは魔法の名前ですが、多いので省略します。
基本的にSW2.0のルールブックを読んで、魔法決めて、漢字をつけています。
属性の名前ついている系と回復魔法、《魔源収納》は、その魔法の(私の)イメージから。
例えば《氷風白煙》は、氷で白い煙が出ているイメージです。
ボスが使う魔法は、ボスが抱えている辛さや苦しみを、そのまま名前に落とし込んでいます。
例えば《寂雪悲雨》は、氷結の女王がバレアデス(先代王)や自国民に裏切られた経験から名付けています。
〇それぞれの過去の分類、過去のテーマ
今回の物語において、全体的な過去のテーマとして、「私がそうやって死んだら嫌な死に方」で統一しました。その結果として、若者の死に方ランキングぽくなっています。
そこで私は、過去を3パターンに分類しています。ラジオでもその話はしていますね。
①自分が死んだ理由は他人にあると考えている人
該当者:陽斗、美波、詩乃
特徴:必ず何かしらのトラウマがあり、それを避けたがる(陽斗にとっての仕事、美波にとっての冬、詩乃にとっての一対一の状況)。殺してきた相手が悪いと思っていて、相手の都合を考えていなかった。
②自分が死んだ理由は運命のせいだと考えている人
該当者:千里、参華
特徴:運命のせいだと思っているので、自分の死因に対して何も思っていないし、聞かれたら話す。「しょうがないよねー」くらいに思っている。その死の裏に隠された人間による思惑・真相をほとんど知らない。
③自分が死んだ理由は自分にあると考えている人
該当者:亥李
特徴:自分の行動を後悔し続けるし、自身のことを罪人だと考えているし、ひたすらに死因を隠す。転生したことを「贖罪の時間だ」と考えている。独白形式で過去話が展開される。本当に必要な時、そして「罪を話しても良い」と考えるほど親しい人間が聞く時しか話さない。
例外が4人いて、零、ナリ、満咲、愛です。
零……①+③。どっちかというと①寄り。基本的には優人のせいだと考えているが、自分が誰にも相談しなかったこと、弱かったことを後悔している。
ナリ……②+③。どっちかというと③寄り。自分が我儘を言ったせいで行方不明になり、山から滑落して、父親を残してしまったことを後悔し続けたが、ある意味運命とも言える。
満咲……①+②。半々くらいの割合。完全に母親 (愛)のせいで死んだと思っているが、満咲も愛もどうしようもならない運命によって死んでいる。割とすんなり自分の復讐計画を言うあたり、②っぽい。
愛……全部。助けてくれなかった両親、無責任な元彼、トリガーとなった娘の死は、ある意味「他人によるもの」ではある。また、自分がちゃんと産めなかったこと、死んだことを後悔し続け、異世界では修道女を務めた。だが、娘が息をせずそのまま死んだのは、愛 (和葉)にとってどうしようもない運命だった。
こんな感じですかね。読み返してみると、もしかしたら「あ、本当にこんな言動してる」みたいなのがあるかもしれません。
例えば第16話で、千里が死因を尋ねてきたのに対し、ナリが困って、参華が助け舟を出した辺りなど。
千里は死因について言えますが、ナリは言えません。その辺の事情を全部分かっていて、参華は相手の立場に立ちつつ、助け舟を出しています。
〇鬼宿しのベルの過去
かなりの重要人物で、操り人形の中で唯一主人公の存在に気付き、自分が主人公には永遠になれないと分かっていた人、ベル。
切なくて悲しい人ですが、「魔法」のメモと過去編のメモが残っていたので、公開します。
《おとぎばなし》…時の回廊
《旋風の雛鳥》…forgive (許して)
《さざれ石》…memory (記憶)
《暗黒の牢獄》… peace in mind (心の拠り所)
《痩せ我慢にくたびれ損》…behavior (ふるまい)
《自由なき殺害》…weapons (武器 (鎌))
《鬼になった日》…be dominated by (支配される)
《翅翼を尽くせ》…freedom (自由)
ベルは鬼宿しの家系として生まれ、父はベルの「鬼」となり、母はベルを産んだ後に父の中の「鬼」に食い殺された。
「鬼」は先代の鬼宿しであり、鬼宿しが十分独り立ちできるとされる5歳の時に、第1子の心の中に入り込む。
「鬼」となった元鬼宿しは、現鬼宿しに「魔法」を使わせる力を与える代わりに、鬼宿し以外の肉を望む。鬼宿しはあくまで媒体であり、「鬼」は自我を操ることも可能である。
ベルが鬼宿しとなった時、彼は誰も頼る者がいない状態で過ごしていた。
内に秘める「鬼」に導かれるまま過ごしていたが、それは周りとは違うということであり、彼は虐められていた。また「鬼」に従うと人を殺してしまうと気付き、我慢の人生を過ごしていた。
しかし彼が大人に近付くにつれ、食事のできない「鬼」は凶暴化していき、ついに彼は飢えた「鬼」に操られ、農具 (鎌)で虐めてきた男を殺害してしまう。
牢屋に入れられたベルは周りの囚人を食い殺し、安寧を過ごした。しかしそこで自由が欲しいと思うようになり、国宝「精霊の粉」のことを知る。
彼はそれを盗めば自由になれるのではと考え、脱獄し、それを盗んだ。
結果、粉を振りかけたことで「鬼」を完全に制御することが可能となり、彼は一時的な自由を得た。
しかし、失踪したアストリアスがイゲタ洞窟に現れ、手鏡に吸い込まれた。アストリアスの目的は「鬼」を手に入れ誰にも見つからないようにすること。
その手鏡が《胡蝶之夢》経由で現実世界モドキに運ばれ、復讐を企んでいた立花に渡された。
立花は安城友香 (参華)を探していた為、居場所を知る能力を与える代わりに、ナリ達の足止めと、和葉 (愛)の居場所を突き止めてもらうという取引を、満咲はしていた。
〇いつから零はナリのことが好きだったのか?
さて、ここからは恋愛の話です。
恋愛がメインな話ではなく、テーマは別で、しれっと好きになっていて、後でその恋が重要になるみたいな展開は私は大好きです(図書館戦争とか)。
という訳で、まずは零の恋物語から。
零がナリを意識しだしたのは、第15話「全員集結」にて、詩乃に「一体零はナリと一緒に暮らしてどんなことを考えているのやら……ふふふ!」と言われた時です。
その時、零は「考えてねえし、考えてたとしてもお前には絶対教えない」と答えていますが、実はこの時、詩乃に言われて初めてナリのことを考え始めています。
それまではただの旧友ぐらいの認識でした。
他人に言われて相手のことを意識しだすって、あるあるですよね。
次に進展があったのは第34話「我儘」。自分の我儘に対して後悔の強いナリが、自分の言動が我儘だったと言って涙を流すシーンです。
ナリの涙を見た零は、彼女に対して何かしてあげたい、助けてあげたいと決意します。ここのタイミングで好感度がぐっと上がります。
さて次は第50話「夜夜中メル」。風呂上がりのナリを見たシーンで、零は自分の恋心に気付きます。
可愛いって思っちゃったんですね。ニコニコしちゃいますね。
次は第52話「星の瞬き」と第65話「過去」です。美波に「ナリに代わりに恩返しして欲しいから、何が辛いのか聞いて欲しい」と頼まれ、実行に移すシーンですね。
この段階では、恋心には気付いていますが、まだ確信が持てていません。
また、美波には「恩返ししたい」「助けてくれたから助けてあげたい」と思う心当たりがありますが、零にはこの段階ではありません。
なので少しセリフがぎこちないです。
本当に助けたいって感じじゃないですね。単に「相手のことが知りたい」「美波との約束を守る為」ぐらいに聞いています。
さて次は飛んで第107話「月の表情」です。零が苦しんでいる時に、ナリが助けになりたいと言うシーンですね。
ここでついに零はナリのことが好きだと確信します。
普段から可愛いけど、いざとなったら頼りになるし、助けてくれる。背中を任せられるし、自分が弱っている時は、背中合わせで話を聞いてくれる。
ナリはそんな存在だったんだと、ここで零は初めて気付きます。
可愛いだけじゃないんだってことで、ギャップ萌えしたんでしょうね。
そして最後、第120話「告白」。ここは完全に零の(恋愛的な)熱い告白シーンです。
かつて美波に頼まれて聞いたこと、本心ではなかったことを認め、そして今は自分が本心で知りたい、助けたいと叫びます。カッコイイですね。
彼にとってそれはほとんど恋愛の告白と同じだったんですが、残念なことに彼は肝心なところで恥ずかしがって、自分の感情を伝えていませんでした。
それがここ。『「それに……」と零が言いかけたところで、頬の熱さを感じた。耳も熱い。』です。
「それに……」の後に続くのは、「それに、俺はお前のことが好きなんだ。だから助けたいんだ」でした。
それを言ってくれれば、ナリは愛と勇気の試練であれほど苦しまなかったでしょう。
さて、それではナリの方へ行きましょう!
〇いつからナリは零のことが好きになったのか?
一方のナリは、意識し始めるのはめちゃくちゃ遅いです。
最初に自分の感情に気付くのは、第103話「私の知らない零」です。自分より参華の方が零を知っているかもしれないと考え、少しモヤモヤしています。
それまで零はただの仲のいい友達でした。
零が意識し始めている第15話「全員集結」でも、ナリは零の例の反応に対し(私と暮らして考えること……え、ないの?感情死んでるの?え、嘘、零?)と反応していますが、それは友達として。
「友達なんだし、少しは何か思ってもいいんじゃないの?」ということです。恋愛感情は一切ありません。
しかし「私の知らない零」にて、零が弱っているところを初めて見て、驚きます。助けてあげたいと思って始めて、ナリは零を意識しだしました。
朝日と参華は第104話「「赤」の弱点」で、ナリすら気付いていないナリの感情に気付いていましたけど。
次に進展があったのは、第107話「月の表情」です。ここでナリは「あなたが笑顔になるまで傍に居たい」と言いますが、そのタイミングで、好感度が上がります。
その次は第120話「告白」。ここでも好感度が上がり、(本人は気付いていませんが)零のことが恋愛的に好きになります。
でもまだ自分の恋愛感情には気づいていません。
そして、零の一世一代の告白にも全く気付かず、「親友だからこのくらいしてくれるんだな」としか思っていません。
自他両方に対して鈍感なんですね。
そして最後は、第143話「ラヴ=ブレイヴの試練」です。偽物の零とダンスをした後、ナリはこう言います。
『なぜだろう。零と同じように、会いたかった皆なのに。今は、その誰とも会いたくない。今は、零と二人きりでいたい。』
ここでやっと、ナリは自分の中に眠る独占欲に気付き始めます。
そして、自分が見ているものが全て夢だと思い出した時。
ここでようやく、ナリは自分が零を恋愛対象として見ていると気付きます。
その後は散々三賢者にイジられるので、すぐに認めちゃっています(本人的には恥ずかしいので認めたくないらしいですが)。
気付くまで遅いけど、隠したり不安に思ったりせず堂々とするタイプなんですね。可愛いですね。
何にせよ、まだナリは零に対して告白をしていません。
そして零もナリも、まだ両片思いをしています。お互いにお互いが好きだと気付いていません。
零は実質、一回振られたようなものですし。
これからどうなるんでしょうか?とても楽しみですね。
〇満咲の母親への復讐計画
ちょっと分かりにくいのでまとめてみました。
目的:愛 (母親)を殺し、自分をちゃんと産まなかったことへの復讐を果たして、その後三賢者が作った夢を終わらせる
①真実を知り暴走。すぐに母を殺そうとするのではなく、世界を終わらせようとする。保険に鬼宿しのベルを鏡に封じ込める。
②世界を終わらせることには成功したが、三賢者が新しい夢の世界を作ってしまった。母が誰になったのかも居場所も不明。探し出そう。
③保険に持っていたベルを使って居場所を探し出したいが、邪魔なナリ達に「アストリアス=幸野満咲」だとバレたくない。足がつかないよう、参華に復讐しようとしてる後輩 (立花)に取引しよう。
④立花の奴バラシやがった。しょうがないから「元の魂の元へ帰る魔法」をかけた人形達をばらまいて、山川和葉の偽物がどこに行くか見つけ出そう。ついでに《魔源収納》を有の父親にして、ナリを機能停止させよう。
⑤ナリの機能停止には失敗したけど、母親は見つけ出した。すぐに殺したいけど、何故か逃げられる。
⑥なんか愛を追いかけたらナリ達もいるし愛もいる。絶好の機会!→逃げられた。絶対殺してやる。
こんな感じですね。⑤は第128話「赤き人形達の舞踏会」のラストで描かれています。
愛は満咲の居場所が分かりますが、満咲は愛の居場所が分かりません。それ故に満咲の計画は停滞しています。
ちなみに、「満咲が夜しか鏡の中に現れない」というのは、足がつかないように、そして作中でも触れられていたように、異物として認識されるとすぐに真実に気付かれるからです。
母親を殺してから世界を終わらせようとすることに拘ったり、異物であることを避け、不思議ちゃんでいたがったり。満咲はちょっと構ってちゃんです。
〇第65話「過去」で零が言いかけた言葉とは?
件のセリフを引用します。
『「……ナリ。お前は、気付いてないかもしんないけど……俺は、お前に随分助けられてるんだ。毒りんご事件の時も、氷結の女王の時も、……だから、俺はお前に恩返しがしたい。お前が苦しんでるなら、力になってやりたい。抱え込んでるもんを、俺も共有したい。駄目か?」
それは、零自身の本心ではなかった。言い淀んだ部分を誤魔化し、彼は続けた。』
ここの『氷結の女王の時も、……だから』ってところですね。読点を入れたのはミスとかではなく、わざとです。
ここの間には『稲子谷奏太の時も……』と入ります。
本当なら奏太の話をしたかった零ですが、奏太のことを(彼視点では)ナリは覚えていません。だから言い淀んだということです。
〇なぜナリが主人公になったのか?
ナリを最初から主人公に据えて考えていたといったら、終わってしまう話ですが。
他メンバーを見てみると、ナリはチームのリーダーという訳でもなく、そこまで強い訳でもありません。(ちなみに、一番強いのは多分詩乃です)
過去の種類を考えても亥李&参華で良さそうなのに、なぜナリが主人公になったのでしょうか?
答えは単純です。ナリみたいに、悩む時はとことん悩む人じゃないと、私が主人公に出来ないからです。
亥李だって参華だって零だって他の人だって悩みますが、ナリほど悩みません。
また、ナリは全員の過去を知っており、全員の幸せを願っています。そして、彼女は思い出を大切にする人です。
思い出や過去が大切な今作で、ナリ程の適任はいないでしょう。
亥李達も他人の幸せを願うことはありますが、ナリ程徹底していません。
感情的で、悩む時は悩み、決めたことには必ず後悔が付きまとい、それでも最後は決めてくれる主人公。そういう、人間味溢れた主人公が私は好きです。
勿論、めっちゃ完璧な主人公も、めっちゃ脳筋な主人公も、私は大好きですが。私には描けないです。どんな作品でも悩んで悩んで決め抜く主人公しか描けません。
〇次回作
次回は4000文字 (もいかないかもしれない)×25話の10万字の作品を書こうかなーと思っています。
5人主人公、全5章。人間とは違う種族の生きる為の物語です。だいぶ複雑な作品になりそうですが、面白いことになりそうです。
もしくは、源氏物語をモデルにした恋愛物語か。まだ秘密にしておきますが、正直タイトルだけで面白いです。
そんなことを言いつつ、最近TRPG熱が高まっているので何かのリプレイを出すかもしれません。多分coc。
あるいは全く別の作品を出すかも。ある日突然思いついたりするので、それは運次第です。
まあいずれにせよ、予定は未定。気長に待っていてください。
◎おわりに
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
投げキッスしておきますね。๑´ ³`)ノ〜♥♥
長々と書いてきましたが、ただのおまけであり、解説であり、本編を読むのに一切要らない知識ですので、別に気にしなくても大丈夫です。
まあ、こんなこと考えて受験してたんだなーと思ってくれれば幸いです。
それでは、またどこかで。




