7.ナッツ好きなリス、悪魔になる
今回はいつもより長めです!
誤字脱字教えてください!はっきり言って文章力はないに等しいです(>_<)温かい目で見ていただけると幸いです。あと、勢いで書いてます。ココ大事。
私は森から出た後、まず家に向かった。
「おじいちゃんっ!!!」
「おー、レラ!ヨーナッツは取れたか?」
と、レラの祖父。ユーデスは椅子に座り、弓の手入れをしながら話す。
「悪魔!!!」
私はおじいちゃんの目の前で言う。
「お、おじいちゃんの顔が酷いからってそれはないんじゃないか?」
「違う!!!!!悪魔がいたの!!!」
一瞬、ユーデスはポカンとすると
「ハハッ!そうか。じゃあ今度からおじいちゃんと一緒に森に入ろ「違うのっ!!本当に悪魔がいたの!!」
…………………。
2人の間に静寂が流れる。
「ハァ…。レラ……。」
ユーデスは大きな溜息を吐く。
「………悪魔ってのは数千年に1度出るか、出ないかのような存在だ。そのような嘘はやめなさい。」
と諭すように言った。
「本当なのに……!!」
「もう知らない!!!おじいちゃんなんて大っ嫌い!!!!!」
「レ、レラ!?!?!?」
私は家から飛び出した。
そして、村を駆け回り大声で叫んだ。
「みんな出てきて!!大変なの!!!」
私がみんなの家を回ってると、なんだなんだ?と皆不思議そうな顔で出てくる。
村のみんながほとんど集まった所で、私は改めて言う。
「「アプルの森」で悪魔が出たの!!」
シーーーーーン。
静まり返った。
しかし
「「「ハハハハハハハッ!!!」」」
「え?」
男が言う。
「珍しいな〜、レラがそんな冗談言うなんて!!」
「冗談じゃ「分かってる分かってる!」
「かまって欲しかったんだろ?いいぞ!俺が遊び相手になってやる!!」
男はそう言って、私の頭を豪快に撫でた。
「違うの!!本当に悪魔が「これは何事じゃ!!!」
この声でなごやかだった空気が一気に引き締まった。
1人の厳格な雰囲気を纏う老人が人混みを抜けてくる。
「あ、あぁ。ブロイ村長か。実はレラが珍しく嘘を「嘘じゃない!!アプルの森に悪魔がいたの!!!」
「悪魔?」
ブロイ村長が首を傾げる。
「うん!!」
「ふむ…。」
「リスの姿をしてたんだけど…。」
「なんだと?」
人混みの中から聞こえた声は、馴染み深い声だった。
「レラ、さっきは悪かった。その話…詳しく聞かせてくれ。」
ユーデスが険しい顔をしながら人混みを掻き分けて来た。
レラは自分がリスと出会った経緯を詳しく話した。
「なるほどな…。じゃあ、そのリスはヨーナッツの木の近くで怪しい動きをしてたんだな?」
「う、うん。そうだよ。」
(あれは怪しい動きだよね…うん。)
レラは少しでもみんなに信じて貰えるよう、少し言い換えた。
(やはり…怪しい動きをしていたリス…。)
ユーデスは1人、内心あのリスだと確信していた。
「……。」
ブロイ村長は黙って聞いている。
「で?何でそのリスを悪魔だと思ったんだ?」
「……見たの。」
「何をだ?」
「……………顔を。」
「………は?」
「「「…………。」」」
この場にいる全員が黙る。
「すまん!すまん!おじいちゃん耳が遠くなったみたいだ!もう一回言ってくれるか?」
「…顔を見て悪魔だと思ったの。」
「「「……………。」」」
「本当に悪魔みたいな顔だったんだよ!!?!!?」
レラは焦ったように言う。
「はぁ………レラ…。自分でも分かってるだろ。お前がそれを他の奴から聞いたとして、信じるか?信じれないだろう?」
「………。」
レラは黙ってしまった。
「もっと村の皆を納得させる理由がなければ、それは信じる事はできない。レラにとって、今日はいい経験になったんじゃないか?」
ユーデスは孫が大好きだ。しかし時には、愛の鞭も必要だと思っている。今がその時だった。
「今日は迷惑をかけてすまなかった!あとで必ず埋め合わせをする!!」
ユーデスは村の皆にそう言い、ゾロゾロと皆んな離れていく。
「さぁ、帰ろう。」
ユーデスはレラに手を伸ばした。
「………うん。」
レラも手を伸ばし、繋ごうとした。
「信じよう。」
ブロイ村長はそう言った瞬間、村の時間が止まった気がした。
「は?ブロイ村長…今何て言ったんだ?」
「信じようと言ったんじゃ。」
「はぁ!?何言ってんだ!レラは顔で判断して悪魔って決めつけたんだぞ!!」
「外見も大切な観点じゃろうて。」
「悪魔だぞ!!悪魔!!アンタは見たことあんのかよ!!!」
2人の論争だけが村に響き渡る。
「ふむ。しぶといのぅ。」
「はっ!!あんたも珍しく中々引かねぇじゃねーかよ!!!」
「村が危ないかもしれないからのぅ。」
「それよりいいのか?先程から孫を全否定しておるようじゃが……孫が泣きそうじゃぞ。」
チラッ
レアは涙目で地面を見ている。
ブロイ村長の口撃は続く。
「孫を信じず、何が祖父じゃ。祖父として恥ずかしくはないのかのぅ?」
ブロイ村長は顎をさすりながら言う。
「うぐっ…。」
「おじいちゃん…。」
レアがユーデスの顔を上目遣いで見る。
「……!!がはっ!」
ユーデスは耐えきれず、胸辺りを抑えながら膝をついた。
「……………分かった。信じる。」
ユーデスは、遂に言ってしまった。
「うむ。では王都に連絡しようかの。」
「王都?村の奴らが調べんじゃねーのか?」
「悪魔なのかもしれないのじゃぞ?村の者らを危険に晒せるかい。用心して悪い事はなかろう。」
「まぁ、そりゃあな。でも村の奴ら納得できないと思うぜ?金、かかるだろ?」
「うむ…。ここはワシが出そう。先にレラを信じると言ったのはワシじゃしな。」
ここはアプルの森近くのへんぴな村。
へんぴな村であった。
ここで世界を揺るがす、一大事件が起こるのは…もう少し後のお話。
ーナッツ好き視点ー
そういえば、ナッツ成分が足りない。最近ナッツ食べてない気がする。そう思い立った俺は、ナッツ神への感謝を終えてヨーナッツに手を伸ばした。
…4つしかないだと…!!!
しかも今俺がヨーナッツを食べたら3つ…。
まぁ…3つなら許容範囲か…。
とりあえず俺はヨーナッツの殻を割り、口いっぱいになるまで運んだ。
うん、おいし、おいし。
他者から見ると、
モキュッモキュッという頬から出ては恥ずかしい音を鳴り響かせながら、俺は食べ続けた。
リスだもの、普通はこういう食べ方だろ。と誰に言ってるか分からない独り言を添えて。
あー、美味しかった。
俺は満足して、そこに座り込んだ。
ん?満足…??俺はヨーナッツがある方を見た。
ヨーナッツあと2つしかないじゃん!!!?!?
そう…。俺は無意識のうちに、2つ目のヨーナッツに手を伸ばし、殻を割り、食していたのだ。
俺は絶望した。あーっ!!!せめて3つはないと!!3つはないとダメだろ!!!!!保存用!!鑑賞用!!そして俺が愛でる用!!!この3つがないと泣き続けるぞ!!!
異世界に来てからナッツへの愛が深まった俺は、ヨーナッツの木まで全力で走った。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁー…。
そこには何十体ものホーンラビットがいた。
はい!?!!?
俺は咄嗟に隠れる。
なんで…。なんで…。
自然に目からナッツ油が出る…。
最近の俺なんでこんなのばっか!?!?
ラッキーボーイ!!仕事しろ!!!
俺は頭の中で叫びながら、木の後ろから顔を半分出す。
ん?なんか?レッドモンキーの時とはまた違うな。
なんか、全体的にみんなボロボロっていうか…。俺がそんなホーンラビットの様子を伺っていると、気配察知に反応があった。
ちなみに、俺はあのクソゴリラに会ってから偶然会うという、運命的なクソ出会いをなくす為、この前の訓練で習得した。何かというと、常時気配察知だ!!気配察知はMPやらを消費する必要がない!練習はし放題だ!!
ってんな事より………なんだあいつ?
俺の視線の先にはホーンラビットとは別の魔物がいた。角ではなく、頭から剣が生えたウサギだ。そのウサギは他のウサギよりもボロボロで足から血が出て、足を引きずっている。
めちゃくちゃ痛そうなんですけど…。
ん?なんだ?内輪揉めか?なんかめっちゃ鳴いてるんですけど。
まぁ、今のうちに鑑定!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
種族:ソードラビット
状態:出血、打撲、火傷
Lv2
HP:3/15
MP:8/8
攻撃力:15
防御力:7
素早さ:12
魔法力:0
ノーマルスキル
突進Lv6
噛みつきLv5
跳躍Lv3
気配察知Lv3
称号
「長」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うわっ、強っ。なんかもう、頭の剣で刺したりしちゃうよっていうステータスだな。
こんな強い奴がこんな風になるなんて…。何があったんだよ…。状態も出血に打撲、それに…火傷?俺がソードラビットのステータスを見ていると、突然ソードラビットが顔をこちらに向けて来た。
え、何!!?なんかめちゃくちゃ近づいて来てるんですけど!!
めっちゃ睨みつけながらこっち近づいてくる!!?ケガしてる今なら逃げれるか!?いや、周りのウサギもいるし!これはやばいかもしれん!!
ナッツ神様!!どうすれば良いですか!!?
無になるのじゃ……。無になればなんとかなる………。
おぉ!聞こえた!ナッツ神様の声が聞こえた気がします!!!
俺は目を瞑り、深呼吸をした。
スゥーッ…ハァーッ。
よし!っと俺は勢いよく目を開いた!!
めちゃくちゃ目の前にいた…。
ナンデ?ナッツ神様???
そういう事もあるのじゃ。
おい!!!待ってナッツ神!!!
チーン。
頭の中で、ナッツ神様が手を合わせてきた気がした。
「ギュ」
え、なに?
ソードラビットが俺の目の前で座った。
「キュ、キュキュ!」
ソードラビットが、後ろにいるホーンラビット達に何か話しかける。
ホーンラビットは戸惑いながらも地面に座る。
え、だから何!!?
俺が狼狽えていると、
「ギュッ!キュッキュキュッキュキュッ!!キュキュ…キュキュキューキュッキュッ!!」
ソードラビットが何かを言い頭を下げてきた。
「「「キュキュッ!?!?」」」
周りのホーンラビットが騒ぎ出す。
ん?なんだ?なんだ?
「ギュアッ!!!!!ギュギュギュッギュッギュアッ!!!!!」
ビリビリッ!!
ソードラビットの大きな鳴き声が鳴り響き、辺りは静かになる。
そして、ホーンラビットはソードラビットと同じように頭を下げてきた。
ソードラビットはフンッと鼻か息を吐き、こちらをドヤ顔で見てきた。
いや、ごめん。君達の言ってる事分からないから。そんな顔で見られても…。
俺は、ハァ…と溜息を吐き、首を横に振る。
もう、いいや!めんどくせぇ!
俺は考えるのをやめ、帰る事にした。なんか辺りを見回した感じナッツなさそうだし。
俺をソードラビット達を放ったらかしにして、そこから帰った。
………ザッザッザッザッザッ。
俺は足を止める。
……………。
また歩きだす。
………ザッザッザッザッザッ。
足を止める。
……………。
走る。
ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!
ついてくんなよ!!!?!?
あいつら全員ついて来てるんですけど!?
もしかして拠点までついてくる気か!?
普通に嫌なんですけど!!?
………嫌な予想は大体当たる。
ーソードラビット視点ー
クソ、あそこであいつが出てこなかったら俺達は勝ってた…。まだ…。まだ強くならねぇといけねぇ…!!クソ!!
ソードラビットは自分達の住処である、ヨーナッツのなる木の近くまで来ていた。
「クソ供!一旦ここで休憩をとるぞ!」
「は、はい〜。」
ウサギ達はその掛け声を聞き、ヨーナッツの木の周りで各々休憩をとった。
俺はクソ供が全員いる位置に座り込む。
「ふぅ…。住処まであともうすこしだ…。あいつも元気でやってるかね…。」
そうつぶやいていると、突然気配がした!!
…敵か…しかもクソ供の近くに出やがった。
俺は足を引きずりながらも、急いでクソ供の休憩しているとこに行った。
「お、長!あまり無茶はいけません!」
1匹のホーンラビットが言う。
「うっせぇ!!敵も発見出来ねぇクソ供が!!」
「え…!!?」
ホーンラビット達が青ざめる。
俺は迷いなく敵のいる場所まで一直線に向かった。
こういうのは最初が肝心だ…。
もうこっちは気付いてるんだぞ、お前なんて真正面からでもヤレるんだぞ…!!そういう余裕を持ってる風に近づく。
…チッ、足がいうこと聞かなくなってきやがった。
俺はクソ供にバレないよう、胸を張り、歩く。
クソ供に不安を与えないように…。
この木の後ろか…。
どんな面構えしてんのか見せて貰おうかねっ!!
俺は勢いよく飛び出し、そいつに突進した。
だが、寸前の所で止まる。
なんだこいつ!!?!?
子リス…………。だが普通の子リスじゃねぇ…!!なんて面してやがる…!!!
俺は寸前で突進をやめた。
後ろからついて来たクソ供は、全員固まってやがる…そりゃあそうだ…。これとやるんだったら悪魔を相手にした方がマシだぜ…。
そう思ってると、子リスが勢いよく目を開けた。
ッッッッッッ!!!?!!!?!!!?
なんつー眼力…。ダメだ。勝てねぇ。こいつには…。
俺の頭の剣が、目の前にあるっていうのにこの余裕…。
もう…経験が違うか…。
「参りました。」
俺はそう言って、この方の前で跪く。
「お前らも早く膝つけ!!」
クソ供にそう言い座らせた。
戸惑い、焦りながらもクソ供は座った。
俺は頭を地面につけた。
「お願いがあります!あなたの下で学ばせてください!!倒したい奴が…倒したい奴がいるんです!!」
と言った。これが今の最善。最速であいつを倒す最善だと俺は思った。
「「「な、何を言ってるんですか!?!?!?」」」
そう言うクソ供に俺は、
「うるせぇ!!!!!またあんな思いするぐらいなら死んだ方がマシだ!!!!!」
俺は喉がはち切れるほどの大声で叫んだ。
そうするとクソ供は一瞬考え、俺と同じようにこの方に頭を下げる。
一瞬であの時の事を思い出すほど悔しかったんだろ?お前らの気持ちが最初っから同じなのは知ってんだよ………。このクソ供が…。
俺はこのお方に改めて向き直り、返事を待つ。
…。ハァっと溜息を吐き、首を横に振る。そして、背中を向けた。
こ、これは…!!!!!
しょうがねーな、俺について来れるならいいぜ。とでも言いたげな背中!!
俺の決意を確かめようって腹か。この方の事だ。足を痛めてるのを知ってのこの試練……。
ハハッ!俺の決意を舐めて貰っちゃあ困りますぜ!!!
俺は足が千切れてでも追いかけてやる!!!
俺はクソ供と一緒に兄貴の背中を追いかけた。
次の投稿は、都合により火曜日の0時以降にします。遅い時間ですみません。
カクヨムにて、改訂版を少しずつ出しています。
今までの話を、自分なりに推敲しております。時間はかかるとは思いますが、こちらにも出します。もうしばらくお待ち下さい。