あれよゆめよ
日も変わりそうだという頃。
ベッドの中で夢を見る。
あのときああしてればよかった、とか。
あのときこうしてればよかった、とか。
そんなイフの世界の夢を見る。
嫌だ。
最適な選択肢を選べなかったことが嫌だ。
偽の幸福を想像していることが嫌だ。
現状は失敗の延長線上だということが嫌だ。
だから目を開く。
真っ暗闇の部屋。
カーテンの隙間から光が漏れている。
なんの意味もない明かり。
あってもなくても同じ。
しかし、意味を求めることは間違っている。
もしそれが正しいのであれば、自分自身を否定することになる。
どうでもいいことは考えなくていい。
こんな夜を毎日繰り返す。
これまでも、これからも。
そうして自分ができていく。