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第九十七話 学校を見学しよう。 その3

予定通り更新。


あれでもこの学院の名誉院長なのだが。

ザバルティのその言葉に更なる衝撃を受けたジュンは固まった。

学院長という存在が恐ろしい生き物に見えたのかもしれない。


その後の見学は順調に進んだ。

最初に見たジュンの専属部屋やSSクラスの教室があまりにも豪華すぎて普通の教室をみたジュンはホッと胸を撫で下ろした。


もちろんSクラスはそれなりに豪華ではあったが、日本の私立の学校や大学に比べればたいした事なかったし、真面な授業風景だった。

何人かの学生や先生に紹介されながら回る学校見学は、幾つかの収穫を得て終了した。


「で、どうだった?」


「はい。大変勉強になりました。」


「そうか。それは良かった。」


時間は夕方となり今はザバルティの屋敷へと戻り夕食を待っている状況である。

ちゃっかりラムザも来ており、メンツが揃った。

ジュンが一通り説明してラムザから協力の承諾を得た。


「で、どうなんだ?学園長は決まりそうか?」


「現状ではアテはありません。」


「まぁ普通はそうだろうな。人の確保が一番難しいからな。」


「よし、ちょっと探してやろう。ただし、有名である事は保証しねぇぞ?」


「はい。お願いします。」


「ラムザ。そんなに安請け合いして大丈夫なのか?」


「ああ。問題は無い。ただ、お前には協力してもらうだろうがな。」


「へぇ、あてがあるみたいだな?」


「そうなんですか?!」


「おいおい。そんな期待のこもった眼差しはよしてくれ。」


ラムザは顔を赤くしてソッポを向く。

それを見ていた周りは笑い出し、益々ラムザは顔を赤くした。

大商会、それも世界一と言っても過言では無いシャルマン商会の商会長が善意のみで協力を申し出た証の様なモノである。

良い年こいたイケメンオッサンのそんな姿は誰得なのかはわからないが・・・。



◇◇◇◆◇◇◇



あれから数日後、ジュンはラムザに呼び出された。


「おう。来たな。」


シャルマン商会ではなく、ゲート中継地でジュンはラムザ達と顔を合わせた。


「どこかに行くのですか?」


「ああ。ちょっとお前にはきついかも知れないが、これもこの世界の事だと勉強するつもりでついて来い。」


「はい。」


「そんなに緊張しなくても大丈夫だ。」


「ザバルティさん。ありがとうございます。」


「よし、じゃあ行くぞ。ついて来い。」


「勝手知ったるなんとやら。だな。」


「そう言うな。長い事使わせて貰っているからな。分かるモノは仕方が無いだろう?」


「まぁ。そうかもな。」


ラムザは迷うそぶりも見せずに歩き進む。

その動きから慣れを感じさせるほどにスムーズだった。

一つの扉の前に着くとそのまま中に入り進んでいく。

途中にはダークエルフが居るが、情報が入っているのであろう。

驚く事は無く、主であるザバルティに挨拶しラムザやジュンにも挨拶するだけである。


そしてゲートを越えた先は何処かの部屋であった。

ただし、そこには人が居た。


「お待ちしていました。」


「今日はよろしく頼むね。」


「はい。で、こちらの方がジュン様ですか?」


ザバルティが頷いた相手はジュンの目の前に立っていた。

悪人顔で背は2メートル程ありそうで高く横にも大きい男性でオーガやトロールのイメージが先行するような出で立ちであり、悪人顔は鬼と呼ばれても不思議ではない。

その男性の横には綺麗な顔立ちの細身の女性が立っていた。

まさに美女と野獣の組み合わせである。


「始めましてチャップリンと申します。こちらは私の妻でオードリーンです。」


「初めまして。」


「丁寧にありがとうございます。僕はジュンと言います。よろしくお願いします。」


「お貴族様とお聞きしたのに、そんな感じがしませんね?」


「おい。オードリーン。ジュン様に失礼であろうが。」


慌てたようにチャンプリンが妻であるオードリーンを嗜め、ジュンに謝罪をする。


「いやいや。僕は名誉公爵ですし、そんなの都合上頂いたモノですから、お気になさらず。」


「ふふふ。ほらアナタ。ジュン様がこうおっしゃっているではないですか。あまり格式張って話さなくても良いじゃありませんか?」


「それでも、ザバルティ様の御客人だ。失礼があっては・・・。」


「チャンプリンさん。大丈夫です。ジュンが良いと言っていますから。」


「む~。わかりました。」


渋々という感じではあるがチャンプリンが矛を収め、話題を変えた。


「それで、本当によろしいのですか?」


「ああ。社会勉強もあるからな。」


「ラムザ殿。そうはおっしゃるが、普通では耐えられませんぞ?」


「チャンプリンさんは心配性だな。ショックはあるだろうが、大丈夫だ。それに先方が直接来いと言っているのだろう?」


「はい。申し訳ありません。欲深い奴でして直接会わせろと。」


「まぁ仕方ないでしょう。チャンプリンさんとは方向性が違う者なのでしょ?」


「ええ。ジュン様のおかげもあり違法な事はしておりませんが、それでもグレーゾーンでありますが。」


「まぁまぁ。その話は仕方がないという事で決着しただろう?チャンプリンも諦めてくれ。」


「ラムザ殿。確かにその通りですな。では、私もついて行きましょう。」


「無理はするなよ?」


「もちろんです。」


ジュンはついて行けなかったが、どうやら面倒な場所に向かうのだけは理解した。


「ジュン。行くぞ。」


「はい。」


オードリーンとミーリアとエリザが残る事になった。

ラムザ、ザバルティ、ジュン、チャンプリンの四人が建物から出る事になった。


次回更新は

明日9月26日(日曜日)20時

よろしくお願いします。

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