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第九十三話 学校をつくろう。 その3

予定通り更新です。


「ほぉ。」


ラムザは声を上げた。

それほどジュンの持ってきたプレゼン内容は画期的だった。

人を集める事に成功すれば間違いなく一大事業になる。

投資をすると考えれば面白い。

今迄にない画期的な発想だ。


「だが、集まらなかったらどうする?」


「集まらないという事は無いと思いますが?」


「そうかな?」


優秀な人材はどこも欲しがっている。

優秀であれば優秀である程、重要はあるのだ。


「うん?あぁ、そうですね。絶対はありませんね。ですが、それには幾つかの側面がありますよね?」


「ああ。」


「だから、年齢も性別も種族も性格も関係ありません。制限は無し。ただ僕等が用意する試験に合格すれば良いんです。それは生徒も先生も変わりません。」


「そっちは分かった。」


「はい。でもう一つの側面ですが、全てのギルドで全世界に向けて発信とします。もちろんラムザさんの所にもお願いします。」


「ほぉ。面白いな。だがそう上手く行くかな?」


「そうですね。都市国家オヒューカスの有名度が足りませんよね。ロックフェラ連合国や周辺の国ならいざ知らずそれ以外は難しいかも知れませんね。ですが、それはゆっくりで良いんです。」


「うん?あぁ、だから一年生のみの募集だからか。」


「はい。箱は先に造ってしまいますが中身は追々で良いんです。」


「しっかり考えてんだな。まぁ良いだろ。随分と儲けさせてもらったからな。」


「アザース!」


温情で約束を取り付けた感じだけど、OKには間違いない。


「予算はこうなります。」


金額の書いた紙を渡すと少し頬がひくひくしている。


「容赦ねぇな。まぁ構わん。ただし、資材などは・・・。」


「わかっています。全てはシャルマン商会を中心として進めます。ただ地元のお店も入れてくださいよ?」


「わかっているよ。その辺のさじ加減は得意だ。」


頼もしい返事を貰ったジュンはホッと胸を撫で下ろした。

これで七割は進む。

シャルマン商会は世界で一番の商会で世界中に支店がある。

世界の国々に強い影響力を持っている。

だからこそ、プラスになるのだ。


「急ぐんだろ?」


「はい。出来得る限り急ぎたいです。街から離れられなくなるのは控えたいので。」


「わかったよ。しかし面接はどうするんだ?」


「先に学園長を決めたいと思っています。誰かいらっしゃいませんかね?」


「それなら、ザバルティに相談したらどうだ?学園に通っている学生だから紹介をしてもらえるかもしれんぞ?」


「なるほど。そうですね。ありがとうございます。早速行ってみたいと思います。」


「ああ。そうしろ。どうせあそこのダンバル一家のお世話になるだろうからな。」


ラムザへのプレゼンを終えたその足でそのままザバルティ邸へ向かう。

ゲートを利用するので時間が掛かる訳ではないが、ジュンはゲートの守り人であるダークエルフの一人を掴まえ確認をとる。


「そうですか、でしたらここでお待ちになりますか?」


「良いんですか?」


「ええ。もちろん直接向かわれても大丈夫ですよ。」


「それは分かっているんですが、ちょっとね。」


ラムザが許可を取らずに出入りしているのを知っているが、そこまで図々しく出来ないジュンは守衛室のような場所で待たせてもらう事にした。


そこにはゲート内に設置されたカメラの映像が流れた液晶パネルが設置されている。

どんだけ凄いんだよ!と初めてジュンが目にした時はツッコみを入れたほど驚いたが今は既に慣れており、ボーっと見ていた。


ゲート内はシャルマン商会が主に利用している施設となる。

商会にとって運搬コストがぐっぐっと下がるこのゲートは物流の神様的な存在(システム)だ。


商会員達があっちへこっちへと物を持って移動している。

偶に冒険者風の人間が集団で移動している姿も見える。

どちらもそれが通常運転であるので特に注目する事は無かった。


「これもザバルティさんが造ったモノなんだよなぁ~。」


いったいあの人は何者なのだろうか?と思うジュンは思う。

領地を持った子爵家の長男である事は周知の事実である。

沢山の多種多様な人を従えて、世界のシャルマン商会長のラムザと深い親交がある人。

それらはザバルティという人間の一面でしかないしかないのだ。


100年という時間を使った訓練を得て沢山のモノを身に付けたジュンであっても勝てる気がしない相手でもあるのだから当然だろう。


上には上が居る。

それを理解させられる存在であった。


「ジュン殿。主がお会いになるそうです。」


「ありがとうございます。」


ジュンは席を立ち、案内をしてくれるダークエルフについて歩いた。

真っ白な空間を横切って真っすぐに進んでいく。

目的の場所まで迷う事なく進み扉を開いた。


「ジュン様。ようこそお越しくださいました。」


「シーリスさん。突然の訪問ですいません。」


「ふふふ。お気になさらず。問題ありませんから。」


「ありがとうございます。」


「さぁ、主は食堂にてお待ちです。行きましょう。」


「は、はい。」


シーリスさんの後に続いてジュンは食堂に向かう。


「やっぱ、ゲートは慣れませんか?」


「えっ?はい。どうしても信じられない。という思いが先に立つんです。お伽話の世界の内容ですから。」


「ふふふ。そうですか。異世界には無いんですか?」


「ええ。ありません。(ロマン)の一つでした。」


シーリスさんの大人の雰囲気バリバリな姿を見るとドキッとする。

ハイエルフだからなのか、物凄く整った顔だし、金髪蒼目で耳が尖がっている。

異世界から来たばかりだったら、間違いなく鼻息荒く接していた自身があるジュンはそっと視線を外した。


そのうちガヤガヤとした音がジュンの耳に入ってきた。


次回更新は

明日、2021年9月19日(日曜日)

よろしくお願いします。

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