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第九十二話 学校をつくろう。 その2

予定通り更新。


先王アンディスとジュンは祖父と孫程の歳の差がある。

ジュンの考えにいち早く理解を示し、共感できる存在が先王アンディスである。

孫に同調している祖父という感じではなく、戦友の様な関係である事が面白い。


先王アンディスが王であった為に対等な立場でものを言える者が居なかった訳では無い。

しかし、数多く存在する訳でも無い。

年齢が年齢だけに他界してしま者が多い。

爵位に興味も持っていないジュンの気安い対応が心地よく感じても不思議ではないのだ。



「ふむ。今度は学校か。ジュンは色々と考える奴じゃな。」


「そうですか?どれも必要に駆られてしているだけなのですけどね?」



ジュンは必要に駆られて、ジュンが思いつく事をしているに過ぎないのは間違いない。

しかし、周りが本人と同じ様に考える訳では無い。

現代知識からくる常識はこの世界の人々にとっては画期的なのである。


同じ世界でも、歴史ある国はその長い歴史の中で培われたノウハウがあり、それを活用し国を運営している。

だが、それはその歴史の中身を勉強し研究し、有益であるかどうかを判断する知識と知恵が必要である。


知識は歴史の中から得た情報であり経験だ。

知恵はその情報を活用する頭の回転を意味する。


この二つが揃う事で、良いとされるモノが出来る。

画期的なモノが出来る。



「よほどジュンの居た異世界は進んでいるのであろうな。」



過去にもこの世界に転移者が黄道十二宮の勇者として召喚されている。

されているが、その凄さを実感した事の無い先王アンディスの実感である。

そしてそれは都市国家オヒューカスの者にとって同じ実感でもある。


共有出来る感情や実感は連帯感を生む。

夏祭(サマーフィスティバル)in都市国家オヒューカスにて協力した面々も同じだ。


「ジュン君は凄いな。」


「いやいや。凄くないから。知っている事をしているだけだから。別に僕が発明した訳じゃないから。」



真似る事は決して悪じゃない。

真似る事が出来る知識と技術と知恵がある証明だからだ。

見様見真似で同じものを作る事が出来るのも才能だ。

真似たモノを自分で開発したと表現する事が問題なのだ。



「そうかもしれない。でも知っている知識を活用できるのはやはり凄い事だよ。」


「そうかな?」


「ああ。私はそんなジュン君と知り合えて嬉しいよ。」



イケてるメンズであるマコトに誉められて満更でもないジュンは照れ笑いを見せて頭を掻く。

マコトは目の前に出されたコップに口を付ける。



「で、ジュン君は私に何をして欲しいんだい。」



爽やかに笑うマコトの顔を直視できずゴクリと喉を鳴らしながら視線を外すジュンは本題に入る。



「出来れば、先生役をやって貰いたいと思っている。いや、常勤という形ではなくて特別講師的な?名誉教授みたいな?まぁそんな感じだよ。」


「それは面白そうな提案だけど、それはジュン君がやれば良いんじゃないかい?特別講師や名誉教授的な立場なら知名度が必要だろ?私よりジュン君の方が知名度は高いと思う。」


「僕には荷が重いっす。だから黄道十二宮の勇者であるマコトさんにお願いしています。それに都市国家オヒューカスだけがターゲットじゃないから。」


「なるほどね。そういう事であればもちろん構わないよ。口実も出来るしね。他の黄道十二宮の勇者にも声を掛けてみようか?」


「マジ?受けてくれるかな?」


「う~ん。昔のままの評価なら難しかったかもしれないけど、ロックフェラ連合国内におけるジュン君の評価が大きく変わったのは間違いないから、協力してくれる奴もいると思うよ。」


「じゃあ、そっちの交渉は任せても良いですか?報酬は多くは払えないけど、準備するから。」


「いいよ。任された。で小学校?初等教育だっけ、それは各エリアに設置するという事で良かったよね?」


「そうです。」


「中等教育と高等教育が僕等の受け持つ場所で良いかな?」


「そうだね。中等教育ぐらいから各都市からの募集を掛けようと思っているからね。現状では中等教育に進むには数年必要だけどね。あっそうか、箱を造ってしまえば中身は少しずつ形作れるのか!」


「ふふふ。そう。それを伝えたかったんだよ。一気に数学年分の用意はしなくて良い。一学年分ずつ増やす方向で考えてみなよ。」


「そうだね。その手があった。それに年齢はそれ以上という範囲にすれば良いわけだしね。」


「そうそう。それに本格的にこの都市の人達が教育に入っていく為のサンプルが手に入る訳だし、一気に進めても良いんじゃないかな?」


「そうすると先生達をどうするか?って事に辿り着くんですよね~。」


「そうだろうね。それも応募を募ってみてはどうだろう。」


「えっ?それも募集するんですか?」


「うん。そうだよ。そうすれば他国の優秀な人も集める事が出来るかもしれない。そうなれば、より他国から人が集まる筈だよ。そうなれば世界的な都市にも出来るんじゃない?」


「そうか。その手もありますね。そうなれば人口も増えますね。」


「そう。人が集まれば物も集まる。その中継が出来る場所も潤う。ロックフェラ連合国としても利益が望めるんじゃないかな?その上で優秀な人材がこの都市国家オヒューカスに集まり易い土壌も出来るはずだよ。」


グローバルな視点での発送をマコトから教えてもらったジュンは踊る程喜んだ。


「良いですね。面白いです!やりましょう。これはまたラムザさん達にも協力してもらう必要がありますね。」


「そうだね。世界的規模の商会は大きな力になってくれるよ。」


この後二人は夜遅くまで、詳細な内容まで考え話し合った。

ラムザへのプレゼン準備は粛々と進んだのである。


次回更新は

2021年9月18日(土曜日)20時

よろしくお願いします。

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