第八十三話 夏祭(サマーフィスティバル)in都市国家オヒューカス(新エリア) その1
予定通り更新
夏と言えば何だろうか?
真っ先に浮かぶのは、川に山に海。
次にはバーベキューに花火に海水浴。
アクティビティに飛んだ考えが浮かぶ。
夏のすごし方としては、その辺を押さえておけば良いのでは無いだろうか?
そう考えた僕は、異世界人仲間であるザバルティさんに話を持ち掛け、ラムザさんとマコトさんを巻き込んで一大イベントを企んだ。
そう『夏祭』だ。
もちろん会場は僕が開拓したこのエリアだ。
都市国家オヒューカスにおける大きな祭りを企画する訳だが、一つ足りないのが『海』だ。
暑い夏を熱く過ごすだけでも良いのだが、やはり何処かに涼みがあっていいと思う。
日本人だからこその贅沢思考なのかもしれないけれど、やっぱり海は良い。
『では、海岸と街を繋いでしまおうか?』
『いやいやいやいや。領地を広げるのはちょっと。』
『そうかい?ならゲートを直通させようか?』
『えっ?』
『直通なら、負担は少ないから大丈夫さ。』
とザバルティさんが請け負ってくれたのだが、そういう問題だろうか?
まぁ、繋げてくれるのだから、僕には問題が無いけども。
『面白い事を考えるな。よし!警備は俺の方で手配しよう。』
そう言ってシャルマン商会の商会長ラムザさんが手を貸してくれる事になったのだが、どこかで雇うのかと思っていたのだけど、シャルマン商会は冒険者組織もあるらしい。
その名もクラウン【シャルマン】。
SS級冒険者まで抱える大組織みたいで、世界中に支部まで持っているらしく、総勢10万を超える大組織なのだそうだ。
ラムザさんは何処を目指しているのだろう?
ある意味で、国に属さない世界規模の大組織の一つになっている。
他にある世界規模の組織はギルドがあるが、お互いに領分を犯さないという暗黙のルールがあるそうなので、一種独特な組織だと思う。
地球で言う所の世界機構的なのが各ギルドだとするならば、シャルマン商会は世界の大財閥という所だろうか?
色々なギルドよりも恐ろしいと僕は思う。
ザバルティさんとラムザさんを巻き込んだ事で、かなり前進した。
しかし、アンジェラ王女殿下を口説くのにかなり難航した。
『いやです!そんな大任を何故私が負わなければいけないのですか?』
責任ある立場に成りたくなかった僕は実行役になりたくて、責任者としてアンジェラ王女殿下に立って頂く事にしたのだが、断られるという事態になってしまった。
『そこをなんとか。他国の王女もお忍びで来られるというのですから、アンジェラ王女殿下しかいません。』
『父上や母上でも良いではありませんか?!』
『いいえ。駄目です。都市国家オヒューカスのこのエリアにスポットを当てるには、アンジェラ王女殿下以外に居ないのです!』
『先王・・・。』
『駄目です。貴女しかいません!』
『うぅぅぅ。わかりました。』
渋々だが、何度目かの説得で諦めてくれた。
いや、認めてくれた。
『よっしゃぁぁぁぁ!!』
僕はサラリーマン〇太郎張りの声を上げた程に、嬉しかったし、やりきった気がした。
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【夏祭in都市国家オヒューカス新エリア】
大会長:アンジェラ・フォン・オヒューカス
実行委員長:ジュン・フォン(オヒューカス)・カンザキ
実行副委員長:ザバルティ・フォン・マカロッサ
実行副委員長:ラムザ・ハイマ―(シャルマン商会長)
実行副委員長:マコト・キャンサー・ドイ
開催場所:ロックフェラ連合国内、都市国家オヒューカス、新エリア
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ちなみに王女のお忍びというのは事実で、アスワン王国からは第三王女のマリリン王女殿下とジェスター王国の第一王女のエリザネス王女殿下に二人で、共にザバルティさんの婚約者だ。
他にも王族が来るだろうと断言したのはザバルティさんだった。
何故なら、僕が小国とは言え、【名誉公爵】という肩書を得た事や、シャルマン商会が関わっている一大イベントだからだそうだが、ザバルティさん目当ても居るんじゃない?と僕は思う。
このイベントは、周辺各国やロックフェラ連合国内で大々的に発表する事にした。
当初、集客は10万人を見込んでいたけど、マコトさんの感触ではそれを越える人員になるのではないかと言っていた。
ロックフェラ連合国内への情報提供をマコトさんにやってもらい、国外はザバルティさんとラムザさん率いるシャルマン商会にお願いしている。
そして、会場は新エリア南を中心にしており、中心地にはシャルマン商会が急ピッチで高級ホテルを幾つか建設しており、他にも高級ブティック街が形成される様だ。
外資による投資での街開発が進む事になった。
本来であれば、数年がかりの構想での構築になると思うけど、魔法があるこの世界のトップと呼んで良いラムザさんとチートの塊であるザバルティさんのタッグによる建設は本当のチート建設だろう。
その様子を見た都市国家オヒューカスの貴族達も商会や他の都市国家の力を利用してオヒューカス従来の街並みも建設が始まった。
都市国家オヒューカスは小国であるからこそ、従来の街にも利益が及ぶ事になるのは明白だ。
だからこその、建設ラッシュが始まったのだ。
王と王妃もアンディス先王により諭されて認可している様で、これを機に景気を良くしてもらいたいと思う。
「これは【名誉公爵景気】だな。」
「えっ!」
アンディス先王がニヤリと僕の顔を見て悪い笑顔になっている。
「これは都市国家オヒューカスの歴史の新たな一ページじゃな。名誉公爵の名が更に輝きを増すのぉ~。」
「えぇぇぇぇぇ~!」
僕が、嫌がる事を知っているアンディス先王は僕を揶揄って楽しむ事を憶えてしまった様だ。
次回更新は
明日、2021年8月15日(日曜日)
よろしくお願いします。