第七十四話 鏡の世界 その5
予定通り更新です。
ゾンビナイトを倒してから10階層ではゾンビキングを倒して15階層ではスケルトンマンモスを、20階層ではスケルトンドラゴンを倒した。
25階層ではリッチプリーストを倒した。
そして、今30階層で、リッチクイーンと戦っている。
『フォォォォォ!!』
「はっ!」
「セイ!!」
どうにか、リッチクイーンの周りにいたリッチプリーストやリッチウィザード等を討伐し、今は三対一という構図に持ち込んだ。
「後少しです!頑張りましょう!!」
「「はい!」」
20階層でスケルトンドラゴンを討伐したのだが、その時にドロップした武器が銀製の魔法武器だった。
【不壊】が施されており、更に【自動修復】もあり、欠けない銀製武器となっている。
これぞ、チートだと思う。
それ以外で、僕があの空間で手に入れたスキルはまだ二人が分かる程には活用していない。
武器のおかげで、アンデット系に対して特攻があるからだ。
それでも、ここまで来た道のりで遭遇した魔物を倒せたのもステータスが高いからだ。
武器が良くても使い手が上手く使いこなさなければ、武器の持っている力は発揮されない。
どんなに優れていても、武器は道具でしかないのだから。
「いくわ!」
声を掛けて飛び出したビアンカ様。
リッチクイーンはそれに対応すべく動いた。
なので、僕はスキル【瞬間移動】を利用してリッチクイーンの後ろへと回り込み、斬撃をお見舞いする。
『ギュォォォ!』
と咆哮をあげたリッチクイーンはすかさず僕に反撃をしようとするも、ビアンカ様の正面からの攻撃によって、さらに傷を負う。
しかし、どうも致命的な傷を負わせている感じがしない。
痛がっているし、嫌がっているのは間違いないのだが、手応えがどうも違う。
僕は一度、アンジェラ王女殿下の方へスキルで戻った。
「アンジェラ王女殿下。魔法で牽制して頂けますか?」
「わかりました。」
「ビアンカ!アンジェラ王女殿下が魔法で牽制してくれるから、一度戻って!」
「了解!」
アンジェラ王女殿下の聖属性魔法が発動し、牽制は成功してビアンカ様が戻って来た。
すぐさま、アンジェラ王女殿下が聖属性魔法の防御魔法で僕達を囲う。
ちなみに、聖女でもないアンジェラ王女殿下はこの洞窟にてレベルアップとスキルアップをしており、魔法も複数使える様になっている。
精神世界なのにと思わなくは無いが、まぁ事実レベルアップしているし、僕にも経験値が与えられているので、そういうモノだと今は思っている。
「手ごたえがおかしくないか?」
「それは物体では無く霊を相手にしているからじゃなくて?」
「それもあると分かった上で、違う手応えだと思う。」
「そう。貴方がそう言うのなら違うんでしょう。」
僕達は聖属性付与をされた銀製の武器を使っている。
つまり聖属性に特化しているので、基本的にゴーストやスケルトンやゾンビ系のアンデットに対して大きなダメージを与える事が出来る。
「痛がる様子や嫌がる様子はあるけど、どうもそれだけの気がするんだ。」
「たしかに、そうね。蚊に刺されるのが嫌な私達と一緒な感じね。」
人間にとって蚊は嫌だし、実害もあるけど、死を恐れる程ではない。
まぁ、蚊によって感染し死を感じる事になる病気はあるけど、蚊そのものに殺される事はない。
「聖属性の効果が薄いのでしょうか?それとも私の力不足でしょうか?」
「いや。アンジェラ王女殿下の所為ではないでしょう。」
ただ、効きにくい理由は別にある気がする。
存在としても強い魔物であるのは間違いないけど、何かが足りないのだろう。
それが何か分からないと、討伐は出来ない気がする。
「とにかく、解決策が無いなら、現状は出来るだけの事をやるしかありませんね。」
「では、気がついたら各自呼びかけるという事で。」
「「はい。」」
こうして、僕等は再度攻撃をしつつ、解決策を見いだす事にして、リッチクイーンへと向かった。
◇◇◇◆◇◇◇
「厳しいですね。」
美しくも野性味あふれる女性の眉間に皺を寄せている。
「難しいか。では、私を送ってくれ。」
「本気ですか?ザバルティ様。」
「制御は難しいが、何とかなるだろう。」
眉間の皺をほどき、野性的な笑顔をザバルティに向ける女性。
「わかりました。では、御身の代わりに我が向かいましょう。」
「しかし、ギンチヨ。」
「いえ。最後まで言わなくとも大丈夫です。我であれば、そのまま行く事が出来ます。さすれば、その対応も出来る事でしょう。」
しばしの沈黙。
ザバルティの頭の中では色々な事を考えているのであろう事が想像される時間。
「わかった。今回はギンチヨに頼もう。」
「承知。では、直ぐに向かうとしましょう。」
「頼む。」
ギンチヨと呼ばれた女性は、野性的な笑顔を見せて、横になった。
「では、行ってまいります。」
そのまま目を閉じたギンチヨは、他の者と同様に身動きをしなくなった。
ただ、胸の上下運動が、呼吸をしている事を表わすのみだ。
◇◇◇◆◇◇◇
「異物が来たか?」
「その様ね。それも、かなりの大物ね。」
ロッキングチェアから立ち上がった男に応える女。
「あれなら、私がお相手をしましょうか?」
女の言葉にしばし悩む男。
「いや。まぁ良いだろう。この空間は俺の支配下にあるからな。放っておいて構わんだろう。それにいずれ気がつけば、ここに来よう。」
「ふふふ。それもそうね。その時までゆっくりと考えましょう。」
「ああ。」
目の前のテーブに置かれた水晶を見つめて、素っ気なく答える男。
「ふふふ。まぁ、こっちは私に任せておいて。」
そう言って、女は口角を上にあげたのだった。
次回更新は
明日、2021年7月23日(金曜日・祝日)20時
よろしくお願いします。




