表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/108

第六十八話 国家プロジェクト その7

作者誕生月!


☆誕生祭☆開催中!

一挙七話更新のフィナーレ!

第七弾!!


国との調整の結果を踏まえてビアンカ様と対峙した。


「・・・という事に決まったよ。」


「わかりました。」


頷いたビアンカ様の様子は少し変だ。

少しじゃないか?いつもの不遜な態度が鳴りを潜めている。

ある意味で不気味だと感じる。


少しの間を沈黙が支配する。

僕はビアンカ様の言葉を待った。

ビアンカ様は何かを伝えようとしているが、悩んでもいる様子だからだ。


「・・・です。」


「何?」


『です』しか聞こえなかったので、聞き返す。

意を決したように、ビアンカ様は顔を上げた。


「私を領主の補佐をする騎士にしてください。」


「えっと、国の近衛騎士を辞するって事?良いの?」


「私は、この身を国の為に捧げると誓いました。それはアンジェラ王女殿下をお守りする事も同義です。アンジェラ王女殿下に領主をとお考えであるならば、アンジェラ王女殿下に付き従いたいと思います。」


「なるほど。良いんじゃないかな?」


「ありがとうございます。」


「あっ、でも一応は会議に掛けるね?」


「はい。」


嬉しそうに顔ではあるが、若干の後悔の顔になるビアンカ様。

しかしこうして、アンジェラ王女殿下の領主計画に従い、近衛騎士団から派遣もしてもらえる様にする事になった。

まぁ、反対される事は無いだろう。

よって、アンジェラ王女殿下が領主となる暁には、その身を護る近衛騎士団が派兵されるので、それを中心に私兵団を雇う形で纏めよう。



◇◇◇◆◇◇◇



「はぁ~。」

「まったく何やっているのかしら?」

「ダメダメですね。」

「意気地なし。」


四人のうら若き女性騎士達は溜息と共に口々に愚痴る。

かの四名は期待を胸に見守っていたのだ。


「どうします?」

「今は見守るしか無いでしょう。」

「でも、時間は有限ですよ?」

「時機到来、ダメ押し。」

「それしか無いですかね?」

「無い。」

「でしょうね。」

「面倒ですね~。」

「「「それは同意。」」」


同意する面々は渋い顔であるが、目は爛々と輝いている。

彼女達は、次回を待つようである。



◇◇◇◆◇◇◇



「という形になりました。なので、領主の私兵は必要となりました。」


「そうか。わかった。では時期を見て面接をしてやってくれ。」


「う~ん。それなんですけど、とにかく、アンジェラ王女殿下を領主にするには一つ問題があって、ご相談させて頂いても良いですか?」


「ああ。もちろんだ。」


ラムザさんが快く返事をしてくれたので、相談させてもらう事にした。

簡潔に王と王妃が意識不明の状態であり、それが数年前の災害からである事。

息はしている様で、生きている事は分かる事を伝えた。


「ほぉ。珍しいな。ある種の植物人間的状態か?」


「そうですね。そう言えますね。」


「まぁ、ザバルティに任せれば何とかなるんじゃないか?」


「えっ?ザバルティさんは回復魔法や治癒系魔法が使えるんですか?」


「おう。アイツは何でも出来るぞ?」


「まさにチートオブチートですね。」


「?」


「あぁ、あの規格外中の規格外って意味です。」


「なるほどな。チートオブチート。間違いねぇな。」


そう言った後、ラムザさんは『がははは』と大口を開けてわらった。

この人は本当に豪快な人だと改めて思う。


「まぁ、そんな訳だから、ザバルティが面会出来る様に調整しておいてくれ。ザバルティには俺から伝えておく。ザバルティの都合になると思うからよろしくな。」


「はい。わかりました。ありがとうございます。」



◇◇◇◆◇◇◇



数日後、ザバルティさんが城へやって来た。

あの翌日には日程調整をしてくれたのか、ラムザさんから連絡が来ていた。

『治せるという確約は出来ないが、出来るだけの事はしよう。』

という連絡だったのだ。

アンジェラ王女殿下に事前に話をして、『望みがあるならば。』と許可を貰っていたので今日は同席する事になっている。


「ご無沙汰しております。アンジェラ王女殿下。」


「ようこそ、お越しくださいました。ザバルティ様。」


簡単な挨拶を終えて、そのままアンジェラ王女殿下の案内の元で王と王妃が眠る部屋へと入って行った。

もちろん、僕も一緒に居る。


王と王妃は安らかな寝顔を見せており、苦しそうな様子も無い。

前回来た時と同じ様に、ただ眠っているかのような状態だ。


「話に聞いていた通りの状態だね。これは魔法的な要因でこの状態を保たれていると言った所かな?少しお聞きしたいのだが、食事や栄養補給的な行為や排泄という行為は一切していないという事で間違いないかな?」


「はい。おっしゃる通りです。この5年間もの間にそう言った行為は行っておりませんし、こちらから何かをするという事も出来ておりません。」


アンジェラ王女殿下の話をザバルティさんは頷きながら聞いていた。


「わかった。少し時間を頂いて?」


「はい。」


ザバルティさんはアンジェラ王女殿下に許可を貰うと、王と王妃の体を調べ始めた。

僕が見る限りでは確認作業に見えた。

体の状態を見終わったのかザバルティさんは立ち上がると、部屋の中を見て回り出した。

魔法が原因と言っていたので、何かしらの痕跡を探しているのかもしれない。

一通り探した後、ザバルティさんは立ち止まった。

そして、僕をチラッと見た後でアンジェラ王女殿下に向き直った。


「アンジェラ王女殿下。王様か王妃様が大切にしていた鏡?もしくは水晶などの姿が映るモノは無かったですか?」


「姿が映るモノですか?」


「ええ。」


アンジェラ王女殿下は『姿が映るモノ』を思い出そうとブツブツと何事かを言いながら考え込んだ。


「あっ?!あります。姿が映るモノですよね?」


ピコン!

というビックリマークが浮かんでいそうな顔になり手を合わせて叩くアンジェラ王女殿下に皆が注目した。


☆誕生月祭☆はこれにて終了です。

お楽しみいただけたでしょうか?


さて、次回更新は

明日、2021年7月4日(日曜日)20時

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ