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第六十五話 国家プロジェクト その4

予定通り更新。


作者誕生月を祝って。

☆誕生祭☆

一挙七話更新の第四弾!


商業ギルド・オヒューカス支店長である、バルカーノ・ディケンドリー。

彼は、商才ではなく、人望によって今の地位に着いた者である。

見た目は温和そうな感じであり、如何にも商人という風貌ではあるが、自身の商会は決して大きいモノではなく、長くこの地において商いをしている商会だ。

歴史ある商会という意味でも、一目置かれているの。


「保証ですか?少なくとも商売をするという事は自由競争なのでは?」


「確かに、摂政殿のおっしゃる通りでございます。しかし、我々の様な地元でしか商っていない商会や商売をしている者達にとっては一大事でございます。薄利でおこなっている者達にとっては死活問題なのです。」


なるほど。

商売だからとは言え、そういう背景も無いとは言えないな。


「う~ん。」


でも、だからと言って、全てを与える事は平等では無いよね。

まぁ、平等なんて無いかもしれないけど。


「わかりました。即答は出来ないですが、一度持ち帰り、検討してからこちらにまた伺いましょう。」


「申し訳ございません。よろしくお願いします。」


深々と頭を下げる商業ギルド・オヒューカス支店長。

宿題が出来てしまったが、これもアクションを起こしたが故のアクションであろうと考える事にして、僕は商業ギルドを後にした。



◇◇◇◆◇◇◇



「なるほどな。まぁ、そういう意見も出るな。」


商業ギルドで話が上がった内容をラムザさんに相談した。


「だがよ。商売としては、自身でどうにかするというのが公平だと思うがな。」


自由競争の理念。

それが商売では当たり前となっているのは、この世界でも同じ様だ。


「まぁ、薄利で『地元の為に』と、やっている店があるのは事実だからな。それを助けてやりてぇというのも、わかる話だがな。」


ラムザさんは豪快さをよく見せるけど、もしかして繊細な方なのかもしれない。

『知った事か?!』と一喝されて終わると思っていたから驚きがある。


「う~ん。なら、冒険者ギルドの移設と同じ様に買い取ってやればどうだ?その時は商業ギルドに査定してもらう形で、金額設定すれば、問題は無いだろう。」


「ですが、そんなに資金は無いですよ?」


「ああ。資金を気にしていたのか?資金は気にしなくて良い。そっちは俺達に任せろ。それよりも、空いた場所の活用方法を考えないとな。」


片方が栄えると片方が寂れるではダメだな。


「まぁ、そっちはこっちが片付いてからだな。」


「ああ。だからその方向性で、話をつけてみろ。」


「わかりました。それと秘書が欲しいと思うのと、領主が欲しいです。」


「秘書?それなら、一人出来る奴を一定期間貸し出すから、独自に雇って教育してもらえ。」


「良いんですか?」


「ああ。任せとけ。エリザ。一人用意してやってくれ。後、秘書見習いの方はどうする?自分で探せるか?」


「はい。各ギルドにあたってみます。」


「いや。それは止めておいた方が良いな。」


「そうだな。ギルドの息のかかった者が近くに居る事になるからな。それなら、私が数名の見習い候補を探してこよう。二日後には連れてくる。希望はあるか?」


「いえ。ありません。よろしくお願いします。」


素直に先輩方の言う事を聞く事にした。


「ところで、私兵はどうするんだ?今は見る所では、都市国家オヒューカスの近衛兵のようだが。」


「そうでした。はぁ。やる事一杯ですね~。」


「そうだな。まぁ、そっちも何名かスカウトしておこう。面談して決めればいい。気に入らなければ、私の方で雇うから安心しろ。」


「わかりました。ありがとうございます。」


その後、今後の話し合いを少ししてから、僕は自分の屋敷へと戻った。



◇◇◇◆◇◇◇



「ねぇねぇ。ビアンカ隊長は、ついて行くんだよね?」


「えっ?何の事?」


「だから、ジュンについて行くんだよね?」


「はい?!何で?」


「だって、ねぇ?」


ビアンカを囲むようにして、パルルとキャスとシャルとベスの四人が立っている。

その面々はニヤニヤしているのが、何とも恐ろしい。


「あのね?!私の忠義はアンジェラ王女に誓っているのよ?なんで他の者について行くのよ?!」


「え~。行かないの?なら、私が立候補しても良い?」


「パルルズルいよ。それなら、私が。」


「私が行く。」


「いやいや、ここは私でしょ?」


各々が何となく言い争う風を装って、チラチラとビアンカに視線を持っていく。

当のビアンカは驚きの表情となっている。


「もしかして、アンタ達はジュンを狙ってる?」


四人はニヤリと顔を見合せた。


「だったら?」

「問題?」

「優良物件。」

「楽しみだね~。」


と各々が口にした内容は違えど、煽る言葉としては適切だった。


「ちょっと。アンタ達が抜けたら、誰がアンジェラ王女を護るのよ?!」


「「「「えっ?ビアンカ隊長。」」」」


「いやいや。それなら仕方ありませんね。アナタ方をあの獣の所にはやれません。私が行くしかありませんね。仕方ありません。ええ。断腸の思いですが、あんな危ない男の所へは大事な部下を向ける訳にはいきませんからね。」


よく分からない理由を並び立てて、自分が仕方なく行くと宣言するビアンカ。

その言葉を聞いて、クスクスと笑いながらビアンカを除く四人は顔を見合せた。


「「「「どうぞ。どうぞ。」」」」


「あれ?」


ビアンカはニヤニヤして自分を見る四人の部下をようやく認知した。


「もうしらない!!」


顔を真っ赤にしたビアンカは、走ってその場から逃げ出した。

それを見送る四人は苦笑いになる。


「まったく。世話が焼ける方ですね~。」

「仕方ありません。」

「腐れ縁。」

「隊長を助ける事が出来るのは私達しか居ない。」


お互いに顔を見合せ、頷き合ったのだった。


次回更新は二時間後。

16時。

よろしくお願いします。

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