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第六十三話 国家プロジェクト その2

作者誕生月につき

☆誕生祭☆

一挙七話更新の第二弾!


目の前に居るちょい悪オヤジ風のラムザさんが契約書にサインをしている。

そしてそのラムザさんに圧倒されながら僕もサインをする。


「よし、これで良いな。じゃあ、早速だが動くぞ。ついて来い。」


「えっ?今から?」


「当り前だろ。さぁ、行くぞ。」


半強制的に、僕はラムザさんに連れ出された。

そしてそのまま城を出てシャルマン商会オヒューカス支店に連れてこられた。

もちろん、護衛隊のビアンカ隊長以下5名も一緒だ。

それに、暇さえあれば僕の所に来ていたフレヤもついて来ている。


「先ずは、今回の工事の受注を受けてくれる業者を紹介しよう。」


何という事でしょう。

もう、業者が決まっているのです。ってマジかぁ~。


「おい。呼んできてくれ。」


ラムザさんは部下に指示を出し、ドカッと目の前にあるソファに座る。

チョイチョイとラムザさんは僕に目の前のソファに座る様にと示唆する。


少し経つとドアのノック音がする。


「お連れしました。」


「おう。よく来てくれた。」


ラムザさんは入室してきた人に挨拶をする。


「ああ。久しぶりだね。ジュン君。」


入ってきたのは、あの時の人だった。


「お久しぶりです。ザバルティさん。」


軽く挨拶を交わす。


「今回はこのザバルティが業者だ。」


「えっ?」


ラムザさんが驚きの一言を放つ。


「はぁ。ラムザ、お前は馬鹿なのか?ちゃんと説明しろ。俺の仲間が請け負うだけだろうが。」


「でも、お前の仲間がやるんだから、間違いでは無いだろ?」


「もう良い。ジュン君。今回は私の仲間の一人であるセシリア・ダンバルが受ける事になった。よろしく頼む。」


「セシリア・ダンバル?もしかして?」


名前を聞いて驚き、声を出してしまったかのような素振りを見せるフレヤ。


「フレヤ、知っている人?」


「知っているとかじゃないですよ。建設業界にこの人ありと言われる人です。たしか今は、アスワン王国にいらっしゃるとお聞きしています。その弟子達も併せて、ダンバル一家と呼ばれていて、世界有数の建築家集団ですよ。」


「マジ?」


「あぁ、マジだぜ。ジュン。」


ラムザさんが太鼓判を押した。


「だから、アッと言う間に壁は出来るぜ。なぁ?ザバルティ。」


「ああ。そうだな。およそ長くても一ヶ月だろうな。」


いやいや、現場を見せてないんですけど?

それでもその工期とかありえなく無いですか?


「現場を教えてないですよね?」


「うん?そんなのおよその検討がついているさ。」


とニヤリと笑うラムザさん。


「まぁ、任せておいてくれ。」


と笑顔で受け持ってくれるザバルティさん。


そこでようやく、地図を広げ、僕に説明をしてくれる事になった。

普通は逆だよね?

でも、正確に僕の希望というか、計画を踏まえて、地理的な問題を解消した内容になっていた。説明を受けて、色々と分かったぐらいです。


「とまぁ、こんな感じで良いだろ?」


「えっ、はい。そうですね。」


示唆してもらった範囲はざっと現オヒューカスの街のやく半分の敷地面積になる見込みとなってしまった。


「でも、そんなにやると、お金が心配です。」


ラムザさんとザバルティさんが顔を見合うと、大声で笑いだしました。


「あぁ、それについては問題ない。気にしなくて良い。それに、敷地内の整地と魔物討伐も任せておけ。街並みについてはお前と相談しながら、やって行こうじゃないか?」


「そうして貰えると嬉しいのですが、僕にそんなに返せるほどの力は無いですよ?それにその所為で僕の行動に制限がつくのは嫌なんですけど。」


「ああ、そこも心配しなくて良い。力を借りたい時にはこちらから声を掛ける。その時に力を貸してくれ。」


「はぁ。なんか詐欺に合っているんじゃないか?って思っちゃいますよ。」


「まぁ、そう思うのも無理はないが、たいした事じゃないさ。気にするな。」


「はぁ。」


どうも、狐に化かされている様な感じは否めない。


「でだ。最初のお願いなんだが、この街の準備が終わったら、数千人規模の他国の者の受け入れをお願いしたいんだ。」


「数千人?」


「ああ。少なくとも2000人にはなると思う。奴隷になっていたり、スラムに居たりしている者達だ。どうだ?」


新しく場所を造ってもそこに人が集まらなければ只の荒野でしかないので、願ったり叶ったりの申し出だと思う。

不安が無い訳ではないのだが。


「もちろん人手は助かりますから、問題は無いと思います。けど、犯罪をされても困るので審査はしてもらいたいとは思いますけど。」


「まぁ、そうだろうな。だが、少なくとも困っている人達の現実的救済にはなる筈だ。犯罪を絶対に侵さないとは言えないが、犯罪者になる事が分かりきっている様な奴は連れてこないと誓おう。後、そいつらが生活できる最低限の準備はシャルマン商会がおこなうから心配しないでくれ。その為に土地は幾分か譲って欲しいがな。」


「そこまで言われるのでしたら、断れませんね。わかりました。ではお願いします。土地については、別途相談しましょう。」


「ああ。頼む。」


こうして、僕はラムザさんと握手を交わし、ザバルティさんとセシリアさんとも握手を交わした。


さて、僕はこの事を再度貴族たちに説明をしなければならない。

敷地面積が、現在のオヒューカスの二分の一だなんて、想像してないだろうから、大変だろうな。

先ずは先王様に話に行こう。

そう思っていると、ポンポンと護衛隊の皆が順番に肩を叩いた。

憐れみと同情と面白がる様な複雑な顔で過ぎていく。


「まぁ、なんだ。ジュン。貴様はやらなければならん。忙しくなるな。」


最後はビアンカ様のそんな言葉に隊員達がウンウンと頷いていたのだった。


次回更新は

二時間後の12時。

よろしくお願いします。

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