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第六十二話 国家プロジェクト その1

予定通り更新。


☆誕生祭☆

一挙七話更新日の第一弾


「皆さん。僕から提案があります。」


会議室を埋める面々から驚きの感情が溢れる。

その様子を見渡しながら、もったいぶる様に、驚きの顔を一人一人見る。

全員を見終わった所で、口を開く。


「なに、そんな難しい事ではありません。城壁を広げます。」


「城壁を広げる?」


一人の者が疑問を声に出す。

それはそうだ。

これまで経済危機に陥っていた都市国家オヒューカスは都市を拡大するという国家プロジェクトを凍結していた。

その歳月は王と王妃が倒れる事になった災害を境に止まっていた事だ。


「ええ。そうです。」


「ちょっとお待ちください。たしかに都市国家オヒューカスの負債は無くなりました。がしかし、国として潤っている訳ではありませんし、まだ救済も完ぺきではありません。」


「たしかに、グランツ伯爵のおっしゃる通りです。」


「そうでしょう。では、この話は「ですが。」」


「ですが、これから先のこの国の利益と繁栄の為には必須ですし、ぶっちゃけ言うと、女神テティス様から、指示を受けているんですよね~。」


「女神テティス様?」


「ええ。あのケンドラゴの洞窟の支配者。そして神の一柱であり、国樹神(トヨタマ)様の友神様でもあられるそうで、その女神テティス様から直に言われているんですよ。『今後は、この世界との懸け橋として、都市国家オヒューカスを任命する』ってね。流石にこれは断れないですよね?」


「それは誠の話なのですか?」


「ええ。近いうち、女神アテナ様よりロックフェラ連合国中に知らされる事になるでしょうね。それとも、断っちゃいます?」


「そ、そんな畏れ多い事はできません。」


「ですよね。なので、この拡大工事については、僕が私財を投入しますよ。その代わり、その地域の税は僕が頂くというのはどうでしょうか?実質は僕の支配する地区って事になりますかね?」


「なっ?!都市国家オヒューカスの隣に都市国家を興すと言う事か?」


「まぁ、そんな所ですか?ですけど、王になろうとか、国主になろうとは思っていませんから、どちらかと言うと土地持ち貴族ってとこですかね?その地域の税収の中から、税金を納めますよ。そこの詳細は決定してからで良いでしょう?」


「摂政殿が、それをやると言うならば、他の者も同じ様に出来るという事になるのではないか?」


「ええ。その通りです。出来るならば、となるでしょうが、今後はその様にして広げていくのも手では無いですか?勿論、国からの離脱はあり得ませんし、現存する王家の土地を下賜するのは控えるべきですがね。後は城壁のチェックも必須でしょうね。脆い壁を作って広げても結果問題があれば、意味は無いですからね。つまり、国が許可すれば、それが通る。と言う事ですね。僕も稼がないと、借金が返せないですから。」


「そうでしたな。シャルマン商会に大きな借金をしてらっしゃる身でしたな。」


「ええ。その通りです。後、僕が死んだのなら、その後は僕に子供が居れば、相続させたいですが、居なければ、王家にお返しするという事で良いでしょうかね?」


ここは摂政と言う立場をフル活用して、進めさせて頂きます。


「個人でなさると言うのであれば、止めようがありませんな。それに税が取れれば、利益は上がるのでしょうし、ケンドラゴの洞窟の主である女神テティス様とも話が出来るのであれば、その地域が例え洞窟を含んでいても問題は無いでしょう。」


「そうですな。我らに止めれる術はないですな。」


「ありがとうございます。では私は都市国家オヒューカスの王家に対して土地を借りさせて頂く形で開拓します。」


「「「「はは。」」」」


一応は反対らしい反対も無く、決着をみた。

そもそも僕は土地が欲しい訳では無い。

女神テティス様との約束を守ろうとしているに過ぎない。

もっと言えば、王とかに興味は無し。少しの間ならしてみたいという気持ちはあるけど、ずっとは無理だ。

あとは、資金だな。



◇◇◇◆◇◇◇



僕が言った通りに、女神アテナ様より神託として都市国家オヒューカスがケンドラゴの洞窟の交渉権?を得る事になり、ケンドラゴの洞窟から出る資源の所有を女神テティス様より認められた事の発表がなされた。


流石に欲が有る者も、ロックフェラ連合国の国教である女神アテナ様の神託を無視する事は出来なかった様だ。

そりゃあそうだよね。

黄道十二宮の勇者達が派遣されているんだからどうなるか想像が出来るもんね。


そして、開拓資金だけど・・・。


「おぅ。少年。元気か?」


「少年って言うほど若くないですけど?」


「まぁ細かい事は気にするな。で、聞いたぞ。」


シャルマン商会長であるラムザさんが急に面会に来た時にはある程度の想像が出来ていたが、僕が思っているよりもより深く詳細な情報をラムザさんが持っていた。


「どこまで知っているんですか?!」


僕は驚きのあまり、そう聞いてしまった。

それを聞いてニヤリと悪い笑顔になるラムザさんは少し怖かった。


「なぁに、今回の事はそれぐらいさ。」


なんて謙遜していたが、絶対もっと知っている。と思った。

そしてこのタイミングで来たと言う事はつまり、そう言う事なのだろう。


「で、俺達に任せてくれるんだよな?」


ほらね。

資金や資材に工事一切を任せろと仰せだ。


「なに、大丈夫さ。あっという間に、ちゃんと作ってやるさ。ぶっ飛ぶほど凄いのを。」


そんな言葉を聞いてより、安心できる訳ないと思う。

が、そもそも、資金は元々、シャルマン商会をあてにするしか無かったのは事実だ。


こうして、僕は国家プロジェクト相当の事を一個人で行う事になった訳だ。

でも、これが上手くいけば、都市国家オヒューカスは潤う事は間違いなく、都市国家オヒューカスの発展に繋がる事だと僕は思っている。


「あははは。まぁお願いします。」


「おお。任せとけ。」


ニカっと笑うラムザさんを見る僕の心境は『やるしかないな。』であった。


次回更新は

二時間後です。

よろしくお願いします。

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