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第五十話 地下五階層。

予定通り更新。


現在は地下5階まで来ている。

えっ?その間?すんなりと通り過ぎました。

ゴブリン?とかワーウルフ?とかスライム?とか低級と言われる魔物をサクサクと倒す一行の後ろについて行っています。最後尾をフレヤさんと一緒に歩いているという感じです。


どうもこの洞窟は階層主という存在が居る様なのです。

10階が最初のボスが居る場所。

なので、話を聞く限りは、そこまでは行けても、それ以上は無理だろうとの事。

ちなみに、騎士達はこの洞窟で訓練をするそうで、ある程度は頭の中に入っているみたい。


「ここが良いわね。ここにセカンドキャンプを張るわ。」


「「「はい!」」」


ちょっとした空間。

なぜ、ここにするのかな?


「ここは、魔物はポップしない場所。テオ君も安心して休みなさい。」


「ありがとうございます。」


「皆も休憩をとりましょう。」


「「はい!」」


魔物がホップしない場所。

逆に他の場所はホップするという事。

洞窟の怖い事の中に一つ、魔物の出現がある。

洞窟の至る所から、魔物が生まれるというのだ。つまり洞窟が魔物を生産しているという事になる。普通に考えると、あり得ない事だと思う。洞窟に意志が無ければ成立しない事だ。


だが、この世界には魔法がある。

それに、原理は地球に居た僕からすれば、全く分からない事でもない。

理解は出来ても、納得出来る事ではないけれど、目の前で起これば信じる他ない。


「ねぇ。こういう場所って他にもあるの?」


「おう。あるぜ。だいたい一つ階の中に5か所はあると言われているなぁ。」


「へぇ~。」


「まぁ、神様の気まぐれだろ。」


このケンドラゴの洞窟が神様の領域であり別世界であるという説がアテナ神様の神託により、信じられている。よってここでの不思議はその支配する神様によって起こっている。という訳だ。


「神様の気まぐれねぇ。」


僕はそうは思わない。

何かしらの意図を持って物事は決められる。

意図が無いという意図もあり得るが、ここは洞窟であり、一つの世界とするならば、人が生きていく為に必要だからじゃないかと思う。

神様の考えを想像するのも不敬と思われるかもしれないけどね。


僕は少しこの空間を探検する気になった。

魔物がホップしない空間。セーフティーエリア。

壁を叩いたり、ジーっと見つめてみたりする。

やっぱり違和感がある。ここまでの道のりの洞窟の壁とは違う気がする。

何が違うんだろうか?う~ん。


「ジュン殿?どうした?」


「いや、何か違うなぁ~と思ってね。」


「何が違うんだい?」


「それが分からないんだよね。」


「不思議な事を気にする男だね。まぁ違うと言えば、魔物がホップしないという事ぐらいで、他はどこも違いやしないよ。」


「まぁ、そうだよね。あははは。」


「時間が有る時にでも、調べたら良いさ。今は難しいだろ?」


顎をクイっとしたフレヤさんの先には護衛隊長ビアンカ様が居た。

それで納得。


「そうだね。今はテオ君の仲間を探す事に集中しなければいけないね。」


「ふふふ。」


笑うフレヤさん。それ以上は言わなかった。


「そこっ!シッカリ休みなさい!!」


突如、ビアンカ様がビシッと僕等を指差した。


「「へぇ~い。」」


「へいじゃない!ハイ!」


「「は~い!!」」


僕とフレヤさんの二人の気の無い返事を聞いてプイッと顔を反らしたビアンカ様。

どうやら、これ以上は構ってくれない様だ。



第二ベースキャンプの設置を見届けてから、僕達は捜索の再開をする事になった。


「先ずは10階層までここから降りるわ。捜索は10階層から上に向かって調べる。」


ここまでの階層までの間につぶさに情報を集めた。

潜っている冒険者達に聞いて回ったのだ。もちろん自分達も無駄のない程度で調べた結果でもある。その上で、これより上の階層に居ないと判断したのには訳があった。


「ガキの集団なら、見たぜ。地下6階層だったかな?俺達も下に潜る時だったから、昨日だとは思うがな。」


という情報が入ったのだ。

彼等は10階のボスを倒し、15階層まで行っていたらしいのだ。

帰りには出会ってないという。


それ等を踏まえての決断だった。

正直、道が分かれば10階に一日掛かるという様な事は無い。

が、彼らは常に1階層以外に行ってない訳だから、時間はかかるだろう。


僕らは地下へと進んでいく。

今回も僕はビアンカ隊長達の最後尾にフレヤと共に進んでいる。


それにしても、何故僕は洞窟が怖くないのだろうか?

初めて入るハズなんだが、怖さを感じない。無知ゆえの恐れ無しという事なのか?

う~ん。緊張感のない者は、こういう時に大怪我を負うのが、小説では常だ。

注意しないとな。


「おりゃ!」

「ふん!」

「キャス!そっちに回って!パルル。貴女はあっち!」


目の前で繰り広げられる戦闘。

僕はただ見ているだけ。となりのフレヤも同じ様子。

だってさ。サクッと倒しちゃうんだもん。僕等の出番なんてないよ。本当だよ?


「ふぁ~あ。」


フレヤさんも退屈な様だ。


「暇なら、加わっても良いんだよ?」


「?いや、倒しがいのない魔物に用は無い。」


手をヒラヒラさせてフレヤさんは答えた。

どうも、今戦っている相手。トロールには用が無いそうだ。

まぁ、それも何となくだけどわかる気がする。

なにせ。たった今。あっさりと。バターを斬る様に。ビアンカ様が斬り倒したからだ。



次回更新は

2021年5月23日(日曜日)20時

よろしくお願いします。

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