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第四十八話 ケンドラゴの洞窟とは。

予定通り更新。


「嘘でしょ?」

「・・・。」

「ぎゃはははは!」


信じられないモノを見る様な目。

固まり時が止まる人。

ただただ、大爆笑する人。

反応は様々だが、一致しているのは、『こいつは知らないらしい。』という考え。


「そっか、ジュンはこっちに来てそんなに日が立っていないものね。知らなくて当然か。」


「そ、そうですね。あははは。」


「でも、何処か分からぬ場所に助けに行くつもりだというのが面白い。良い奴なんだな、お前は。」


「そんなに有名な洞窟なんですか?」


「ええ。その通りよ。仕方ないわね。」


そう言って、護衛隊長ビアンカ様が説明しだした。


太古の昔からある洞窟。それが、今回の目的のケンドラゴの洞窟だそうだ。

何でも、洞窟都市国家アブレバストの洞窟が管理される洞窟である事は有名だ。

その洞窟都市国家アブレバストの開祖王が遂にクリア出来なかった洞窟であり、数多の魔物が生息する洞窟なのだそうだ。

また、特徴的なのは、この洞窟から外には魔物が出てこない事も有名らしい。

一度として無いというのだ。よって、神の支配する洞窟であるという噂が絶えないらしい。


スタンビード:魔物の集団による暴走。

この現象は、世界各地で見られる。洞窟都市国家アブレバストは国の管理下にある洞窟を資源として活用しているのだが、それでも魔物の間引きを怠ると、スタンビードは発生するとされている。洞窟が元気である証拠でもあるのだが、そこに住む人間にとっては死活問題だ。


「なるほど、それを踏まえても、魔物が出てこないというのは、異常ですね。」


「ええ。つまり、一つの世界として考えられる洞窟なのよ。洞窟の中で完結している世界と言った方が分かり易いかしら。あくまでも学者の一説だけどね。」


「後、この洞窟はロックフェラ連合国の共同資源扱いなの。だから、ロックフェラ連合国の管轄扱い。探索者ギルドが仕切りをしているわ。」


「へぇ。じゃあ整備されているという事ですか?」


「そうね。ある程度は整備されているわ。だからある意味でその洞窟で遭難するという事はかなり絶望的な事なのよ。」


僕の質問に丁寧に答えてくれるビアンカ様。


「でもまぁ、もしかすると潜っているだけの可能性もあるけどな。」


「そうなのよ。だからこそ、他の冒険者は動かない。けど、実力を知る者が助けを求めている事。そこが今回の決めてなのよ。」


フレヤさんが言う事は冒険者なら誰もが考える事のようだが、ビアンカ様はそれを踏まえて決めた様だ。


「テオ君の話では、一日を越えて潜れるほどの準備もしていないらしいですからね。」


「そうね。それにジュンが受けそうだったというのも、決めた理由ね。」


パルルさんの話に頷いているとビアンカ様が何か言った。


「ほぉ。ビアンカはジュン様が好きなのか?」


「違うわよ!意図を汲んだに過ぎないわ。」


顔を真っ赤にして、フレヤさんに反論するビアンカ様。

まぁ、鈍感ではない僕は、その意味を理解しているし、ビアンカ様の好意は感じている。

がしかし、今の僕はそれに対応するつもりは無い。その気が無いからね。


とても綺麗な女騎士って燃えるじゃん。という正論は間違いない。

しかし、綺麗な相手だから誰でも良いなんて思う気持ちは無い。

男だから性的解消の欲求はあるのだが、その為に適当に近くの女性に手あたり次第に手を出すという事は考えられない。どうしても解消したければ、そういう商売の所に行けば良いのだから。だから、欲求が強くなっても我慢する。自制を働かせるというのが大人だろう。・・・大人?


「どうした?ようやく今回の難しさがわかったのか?」


「ああ、まぁそんな所だね。」


曖昧に答えたが、実際は全然違う事を考えていた。とは言える雰囲気じゃないな。

とにかく、頭の中を切り替えよう。


「ケンドラゴの洞窟を探すのは大変な事なの?」


「ああ。あの洞窟は、とにかく広いんだ。」


「広い?」


「そう、広い。そして深い。現在において認識されている階層は21階だ。地図があるのは5階層まで。それ以降は市販されていない。20階層より下に到達した者は今の所は居ない。」


「へぇ~。あのさ、ロックフェラ連合国と言えば、黄道十二宮の勇者がいるよね?彼等でも突破できないの?」


そう、このロックフェラ連合国には黄道十二宮の勇者が居る。

彼等なら腕試しとして入っていそうだよな?


「彼等は修行として入ったという話は聞いた事がるが、それでも長い間を洞窟に縛られる事は出来ない。だから、結果は出ていないと聞いている。」


「どうして?」


「黄道十二宮の勇者は使命がある。支配地域を守るという使命。だから、洞窟攻略をする事に至らなかったんじゃないですか?広くて深い洞窟ですから。」


「ふ~ん。」


今度、マコトさんに会った時にでも聞いてみよう。


「黄道十二宮の勇者は、このロックフェラ連合国の全体の安寧が大事なんだ。一洞窟に構っている事は出来ないだろう。」


ビアンカ様の言う事はごもっとも正論だけど、なんかそれだけじゃ無い様な気がするな。

神の支配領域。この世界の神様とは別の神様が支配する場所なのではないかな?

そうなると、(コトワリ)に違いが出てくるよね。でも全く違うとかでは無いよな。少なくとも繋がっているんだから。


次回更新は、

明日、2021年5月16日(日曜日)20時

よろしくお願いします。

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