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第四十七話 時間の余裕。

予定通り更新。


時間に余裕がある。

がしかし、何処に行けば良いんだ?

集合場所を聞いていない。


「一旦、戻るか。」


もしかすると、冒険者ギルド(ここ)に集まるつもりなのかもしれないが、場所の指定は無かった。ギルドの受付に戻り、城に戻る事を伝え、ここに僕を探しに来た者が居れば伝えてくれる様に頼んだ。


やっぱ、通信機みたいなのって必要だね。欲しいな。


そして、テクテク歩いて城へ戻る。

門番は流石に僕の顔を覚えたのか、通してくれる。

が、付いて来ていたフレヤさんは掴まった。


「ちょっと、待て。摂政様。この者は?」


「勝手について来ているだけだよ。」


僕の顔を見たフレヤさんは、諦めたのか、立ち止まった。


「いいよ。ここで待っているよ。」


察しが良いのか、直ぐに僕の意図を汲んだらしい。

変に騒がなくて助かる。


「ああ、そうしてくれ。」


王城には王族が住んでいる。

いくら、僕に危害が無いとは言え、よそ者を入れる事はしたくない。


「パルルさんが帰って来ていると思う。準備が出来たら、部屋に居るから来てくれ。と伝えてくれ。」


「はっ!」


僕の命令を素直に聞いてくれた門番が一人、走って行った。

これで、僕が置いて行かれる事は無いだろう。


僕は、一度部屋に戻り、小間使いのリク君にアンジェラ王女殿下に会いに行くと伝え、パルルが来たら、待機させておいてくれと頼み、アンジェラ王女殿下が居るであろう場所へ向かう。


アンジェラ王女殿下は午前中は基本的に、家庭教師から勉強を教わっているから、自室に居るだろう。本来は王族に会うには色々と手順を踏むらしいけど、僕は免除されている。


トントン。


ドアをノックする。


「ジュンです。緊急でご報告があります。今、よろしいですか?」


「もちろんです。どうぞ。」


アンジェラ王女殿下のメイドさんがドアを開けてくれる。

僕は部屋の中へと入り、一礼する。つまり挨拶だ。


「緊急の業報告なんて、なにがあったんですか?」


「はい。急遽、救出作戦を実行する事になりました。」


「救出作戦?」


今迄の経緯を丁寧に説明した。

もちろん、フレヤさんのくだりと、イザベラさんのくだりは抜いて、ビアンカ様のくだりを誇張して説明した。


「まぁ。そんな事が?」


「はい。」


厳かな態度をとり、より強調する。


「なので、僕も行って参ります。少しの間、城を開けるかもしれません。よろしくお願いします。」


「わかりました。一緒に行けないのは残念ですが、無事帰って来られる事を祈りお待ちしております。」


「はっ!」


これで、一番では無く、二番という事になるハズ。

アンジェラ王女殿下の指示の元、向かう形になるのだから。屁理屈っぽいけどね。

ガラでも無い事をやってでも、少しのプラスはあった方が良い。

洞窟では、何が起こるか分からないからね。


アンジェラ王女殿下の元を辞して部屋に戻ると、パルルさんが居た。


「待たせましたか?」


「いえ、つい先ほど着た所です。」


「わかりました。では行きましょう。」


パルルさんに着いて行動をとる。

門を出た所で、フレヤさんを乗せて馬車は冒険者ギルドへと向かう。


「なんで、アンタがジュン様を知っている?」


「まぁ、色々あってね。」


「はぁ。フレヤ。分かっているな?」


「ああ。分かっている。大丈夫だ。」


どうもパルルさんもフレヤさんを知っている様だ。

やはり馬車は冒険者ギルドに向かった。

冒険者ギルド前にはメンバーが揃っているので、一度馬車から降りる。


「なんで、アンタが馬車から出てくる?」


「まぁ、色々あってね。」


僕を目ざとく見つけた護衛隊長ビアンカ様が詰め寄ってくるが、面倒なので説明は後とした。


「よう、ビアンカ。」


「はぁ?フレヤが何で馬車から出てくるわけ?」


「アンタの今度の大将は面白いから、ついて来た。」


「ちょっとジュン。これはどういう事?」


ビアンカ様の眼が摂政である僕を射抜く。

少なくとも、僕が摂政である事を忘れているご様子。


「色々あってだな。それも行く途中で説明するよ。今は時間が無いだろ?」


「いいわ。わかった。皆、予定通り乗って。」


「「「はい!」」」


良い返事だ。統率が取れている。

僕が乗り込む馬車は先頭。

そこには、僕とビアンカ様とフレヤさんとパルルさんの四名。

二台目はキャスさんとテオ君とベスさんと食料や薬などの物資等で三名。

三台目はシャルさんと回復魔法の使い手五名。内、冒険者が二名で騎士団から三名の計六名。

後、騎士団所属の騎乗の人が5名。御者が3名。

総勢21名の結構な団体になっている。


「で、どんな理由があるのかな?」


出発して少ししてから、ビアンカ様の鋭い視線は一層鋭くなり、僕を射抜く。

ここは腹を括って話すしかない。


ここまでの経緯を道筋立てて説明する。

視線の鋭さは変わらないが、頷きながら聞くビアンカ様は最後まで口を挟まずに聞いてくれた。


「・・・という訳で、何でか知らないけど、ついて来ている。」


「こいつは、面白そうだと思うと何処にでも来るからね。」


「そんなに邪険にしなくても良いだろ?紅蓮のビアンカ♪」


「ぐぐぐ、その二つ名で呼ぶなと言っているでしょ?!」


「あ~、はいはい。まぁ、よろしく~♪」


「いいわ。戦力は多い方が良い。」


どうやら納得してくれた様だ。


「で、これから僕等が向かう洞窟。たしかケンドラゴって名前だっけ、そこってどんな洞窟なの?」


「「「「!!!」」」」


僕の質問に驚きの顔が隠せないといった感じの顔が僕の視界に入ってきた。


次回更新は

2021年5月15日(土曜日)20時

よろしくお願いします。

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