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第四十六話 不敬罪って怖いね。

予定通り更新。


立場・身分での差は、この世界において絶対的な差になる。


『不敬罪』

国王や皇帝などの君主・王族・皇族の一族と宗教・聖地・墳墓などに対し、名誉や尊厳を害するなど、不敬とされる行為の実行により成立する犯罪


僕としては馬鹿々々しいとしか言えない罪。

だけど、この不敬罪によって命を奪われる者は少なくない。

一生治る事の無い障害を負わされる者も居る。

馬鹿々々しくとも、法律に在る以上は脅威となる。それが法治国家だ。


「まだ、やると言うなら、訓練場を解放しよう。」


ギルマスの言葉にブルブルと首を横に振るキングスの面々は皆、青い顔になっている。


「そうか。ではジュン様。今回はこれまで。という事でよろしいですか?」


「そうですね。ギルマスにお任せします。」


「かしこまりました。」


「お前達も良いね?」


「「「「「へい!」」」」」


青い顔が少しホッとしている感じだ。


「ああ、そうだ。」


僕はツカツカとキングスの面々に近づく。


「これで、その傷を治してくれ。後、あの子には今後一切、関わるのは止めてくれ。」


金貨10枚位を取り出して握らせる。


「へっへい!」


「では、ギルマス。よろしく。」


僕は、振り返りギルマスを見る。

仕方ないという様な顔でギルマスは頷く。


「では、私の部屋へ。」


ギルマスの案内で、奥の部屋へと僕は黙って入って行く。


「で、なんで、お前も入って来るんだ?」


「えっ?こんな面白そうな場面に入らないという選択は無い。」


「意味がわからん。」


「まぁ、そう言うな。俺は、フレヤ。よろしくな。摂政殿。」


ニヤリと笑うフレヤと名乗る銀鎧の人。気がつけば、勝手について来ていた。

ギルマスが諫めるが、いっこうに聞く耳を持って無い様だ。


「もう良いですよ。ギル・・・。」


ギラっとした眼で僕を見るギルマスこと、イサベレさん。


「イサベラさん。彼・・・。」


ギラっとした眼で僕を見る銀鎧の人こと、フレヤさん。


「フレヤさんは僕の今の騒ぎの見届け人ですから、良いですよ。」


「さすが、摂政ジュン様。」


「ちっ!」


う~ん。これって結構メンドウな感じじゃない?前来た時とはイサベラさんは感じが違うし、そのイサベラさんと同じ感じになっているフレヤさん。面倒くさい。

とりあえず、気を取り直して、用件を済ませよう。


「で、今日の要件なのだけど。」


「はい。なんでしょうか?」


「孤児?の様な者は、何人ぐらいが冒険者として登録している?」


ぐっと奥歯を噛みしめた感じに一瞬なったイサベラさんは僕の眼を見ながら話す。


「そうですね。正確な数字は記録を見てみないと分からないのですが、少なくない数が居るのは間違いないでしょう。」


「それは数十か?数百か?」


「100は居ないと思いますが、90は居るのではないでしょうか?身寄りのない子供が稼ぐには、冒険者ぐらいしかありませんから。」


真面目な話はシリアスな話になってしまう。

孤児の全てが登録しているという事はないだろう。孤児はその何倍も居るという事になるだろう。


「で、シリアスな話の途中だが、何で、ギルマスはジュン様の横にべったりくっついて座って居るだ?」


「これが普通だけど?そういう貴女だってジュン様の隣に座っているじゃない?」


やっぱ、この世界も地球と同じで、対面に座るのがスタンダードか。

前回からこんな感じだったから、ここはそういうモノなのかと思っていた。

スケベ心からでは決してない。


ギルマス事、イサベラさんは20代後半ぐらいだと思う。

元A級冒険者で、魔法を使う戦いをしてきたとかなんとか。つまり魔女という訳だ。

魔女の名が似合うぐらいに、セクシーな衣装を纏っている。

顔も綺麗な顔立ちをしており、セクシーな衣装に負けない顔だし、スタイルだ。

男なら、一度はお相手願いたい所だろう。が、本当の年齢は分からないというのが、恐ろしいが。


「今、何か変な事を考えていませんでしたか?」


ギラりとした眼を僕に向けてくるイザベラさん。

女の感は恐ろしい事を思い出した。


「なにも考えて無いよ。それより、登録している孤児らしきモノ達の名簿とかって用意出来るの?」


「出来なくは無いですよ。」


「なら、用意して欲しい。後、出来れば面談の用意もして欲しい。」


「ジュン様が望まれるなら、用意しましょう。」


そう言ってイサベラさんは僕の肩に垂れかかってくる。


「で、ギルマスは何をしているんだ?」


ガッとギルマスの頭を押さえてフレヤさんが言う。


「ちっ、手を離しなさい!」


手を振りほどき、ギルマスは立ち上がる。


「では、救出の件が済みましたら、ギルドへお越しください。その時までには用紙して準備を進めておきます。」


救出の件をギルマスに言ったっけ?

まぁ、良いか。


「イザベラさん。ありがとうございます。では、宜しくお願いします。」


「かしこまりました。」


こうして、僕はギルドでの用件を終えてギルドを出る。

そう言えば、あいつ等、居なくなっていたな。


「で、フレヤさんはいつ迄ついて来るつもりなの?」


「うん?気が済むまでさ。」


「フレヤさんの仲間は?」


「俺は一人だ。問題ない。それに洞窟に潜るんだろ?一人でも多く手練れが居る方が良いだろ?」


どうやらこの人はついて来るつもりなのかな?

どうも変なのに声をかけてしまった様だ。


次回更新は

明日、2021年5月9日(日曜日)20時

よろしくお願いします。

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