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第三十八話 世界の商会との会合。

予定通り更新です。


その後、付き添いという形で来ていたアンジェラ王女殿下や黄道十二宮の勇者であるマコトさんと挨拶を交わしたラムザさんに誘われて飛行船内へと案内された。

会合はこの中でやるらしい。


アンジェラ王女殿下も一緒にという事で、護衛隊も一緒に入って来るという物々しい状況になっているが、手狭に感じる事は無く、広い空間の部屋に通された。会議室的な場所だろうか?


リスターさんが僕達の案内役を務めてくれるらしく、彼女についてここまで来て椅子を勧められた。ラムザさんが座る場所の反対側だ。


「改めて、俺が≪シャルマン商会≫会長のラムザだ。」


「都市国家オヒューカスで摂政をしておりますジュンです。」


やっぱ、改めて見ても商人というより冒険者って方がしっくりくる。

ラムザさんのすぐ後ろに真っ赤な美女は立っている。

あの銀髪銀眼の人はリスターさんと一緒にラムザさんの斜め後ろに立っている。


「今日は、時間をくれた事に感謝する。俺は回りくどい話は好きじゃねぇ。早速本題に入らせてもらう。」


挨拶を交わしているから問題はないし、僕としてもその方が良い。


「わかりました。」


「単刀直入に聞く。お前が国の借金を背負う覚悟があるか?」


僕が借金を背負う?それはどういう意味だろうか?

借金を無くすつもりでいるが、背負うと言うのとは違うかな?

だけど、摂政になる時に決めた事でもある。払うつもりと背負うでは意味が違うかもしれないが、僕が負う事になるとは思う。


「背負うつもりがあるか無いかであれば、あります。摂政になった時に借金はこの一年間で全て返済するつもりでしたから。」


「ほぉ。どんな手段で?」


「まだ、決まっていません。少なくとも商売になる事は間違いないでしょう。」


「甘いな。あれか?銀杏の販売でもしようってか?それとも観光で稼ぐとかか?」


「いえ。」


ニカッて感じの笑顔をもう一度作るとラムザさんは言う。


「それとも冒険者としてドラゴンでも狩るか?」


「ド、ドラゴン?!」


「そう言うのでも無いと、返せんだろ?お前んとこの借金は。」


「・・・。」


図星だ。借金の金額は半端ない。利息だけでも結構な額になる。

伝説の魔物を複数倒さないと借金は無くならない。


「今のお前じゃ無理だな。」


それも間違いない。

レベル25位でドラゴンを複数倒せるなら、誰も困らないだろう。


「クッ?!」


「だから、俺がお前を買ってやる。」


「「「えっ?!」」」


俺、男なんですけど、男に買われてしまうんですか?

マジっすか?!

僕が顔を青ざめると、その様に気がついたラムザさんが笑う。


「おい。勘違いすんなよ?俺に男の趣味はねぇ。」


「えっ?じゃあ何で買うんですか?」


「まぁ、何だ。転移者仲間のよしみって奴だな。それにお前は期待出来る奴の様だしな。お前、俺のすぐ後ろに居るペレが見えているだろ?」


赤髪の美女がニコッとする。


「ペレ?誰か居るのかい?ジュン君。」


マコトさんが驚いている。

アンジェラ王女殿下も同じ様に驚いた顔をしているから、見えていないのだろう。


「ペレさんって言うんですか?普通は見えないんですか?」


「そうだな。精霊使いしか本来は見えない。特別な奴は見えるみたいだがな。」


そう言って、ラムザさんは銀髪銀眼の人をチラッと見るが、銀髪銀眼の人は動じた様子もない。


「精霊使い?って事は精霊様ですか?」


「ああ、そうだ。ペレ。」


『よかろう。』


赤髪の美女が一歩前に出て僕を見つめる。


『我は精霊王フェニックス様の眷族≪火山のペレ≫。火の属性の大精霊である。』


「丁寧な挨拶ありがとうございます。僕はジュンです。」


『うむ。お主は人間にしては何とも眩しい光を放つ存在か。そんな人間はそうそうおらぬ。とは言え、お主で三人目じゃが。』


ふっと火山のペレ様は視線を動かした。その視線の先には銀髪銀眼の人が居る。視線は直ぐに僕へと戻って来た。それは一瞬の事だった。


「すごく綺麗な方ですね?!」


「本当に存在するとは?!」


アンジェラ王女殿下もマコトさんもビックリしている。

どうやら、≪火山のペレ≫様が顕現したみたいだ。僕には最初から見えていたからよく分からないけどね。


『あまり褒めんでくれ。恥ずかしい。』


アンジェラ王女殿下の綺麗という言葉に反応したようだ。モジモジしている。

意外と初心な一面がある様だ。見た目は大人な感じの美女で魅惑的な姿なんだけどなぁ~。

と、イケナイ。話はそこじゃない。


「でも、出来るからと言っても、何の利益がラムザさんに生まれるんですか?」


ニヤっと笑うラムザさん。


「まぁ、色々とな。」


そう言って、チラリと一瞬だけど、銀髪銀眼の人へ視線を動かす。

どうも、あの人がキーマンの様な気がするけど、初めてお会いしたはずだ。

理由が分からない。


「まぁ、そんなに深く考えなくても大丈夫さ。担保がお前というだけで、利子の請求はしないさ。偶には協力してもらう事があるかもしれないが、まぁそれは別の話さ。」


「他に要求は無いんですか?」


「そうだな。都市国家オヒューカスでの商売をする権利をくれれば良いかな?後はこの都市国家オヒューカスで奴隷を出さない事と、奴隷に対する対応を考えてくれれば良いさ。」


「奴隷ですか?」


「ああ。」


そう言って、屈託のない顔で笑う。

世界の商会。シャルマン商会の会長。

こんな小さな都市国家オヒューカスの摂政を騙しても大きな利益は無いだろうしな。

信じてみても良いのかも?そう思った。


次回更新は

明日2021年4月25日(日曜日)20時

よろしくお願いします。

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