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第三十三話 訪問者現る。

予定通り更新です。


「すっごい、珍しい組み合わせですね?というか、親交があったんですか?」


二人を見て軽く挨拶を交わした後、ソファを進めて話し始めた時の僕の最初の言葉だ。

僕の言葉を聞いて、二人は顔を見合せ苦笑する。あれ?オカシイ事を言ったかな?


「ただの偶然さ。」


「私もビックリしていますよ。」


そんな言葉が返ってきた。あれ?苦笑の意味は?


「でも、ジュン君が摂政という立場になっているとは思わなかったよ。」


「そうですよね~。僕もまさかなっているとは思いませんでした。あははは。」


自分の事ながら、変な事になったなぁ~とは思う。


「あら、ご存じなかったのですか?私どもは知っておりましたよ?」


「リスターさんは知っていたんですか?」


「ええ。勿論です。まぁ、私と言うよりも商会がというのが正しいですけどね。」


流石に商人。情報が早い事で。

そう思いながら、頷く僕をリスターさんは笑顔で見つめる。


「ふふふ。やはり異世界の方はこの世界に祝福されているのでしょうね。ありえない事をなさる。ふふふ。」


「あの、リスターさんは他の異世界の人を知ってらっしゃるのですか?」


「ふふふ。さぁどうでしょう?」


「僕も興味があるな。どうなんですか?リスターさん?」


ここで、援護ではないだろうけど、マコトさんが食いついた。


「そうですわね。お二人とは縁がありそうなので、お答えしましょう。知っています。数名程。あぁ、黄道十二宮の勇者様方以外ですよ?」


「そんなに居るんですか?」


「そうですねぇ。少なくとも三名程は分かっています。その三名の内の二名は破格ですね。」


破格?それはどういう意味だろう?黄道十二宮の勇者であるマコトさんを前にして破格って一体?そんな事を考えていたのが分かったのだろうか?


「ジュン様。その内の一人とお会いになりませんか?」


「「えっ?」」


「お返事は明日にでも伺いに来ますので、考えておいてください。では、私はこれで。」


そう言うとリスターさんは立上る。


「もう、帰るのですか?」


マコトさんが驚きながらもリスターさんに言う。

ニッコリとした笑顔で返事を返すリスターさん。


「ふふふ。お二人の再会のお邪魔はいけないでしょうし、用件はそれだけですから。ジュン様。きっと貴方の助けになる筈です。前向きに考えておいてください。それでは。」


そのまま部屋を出て行った。

部屋の外では小間使いのリクが控えていたのか、『頼めるかしら?』と『ハイ!』というやり取りが聞えた。


「なんか、嵐の様な時間だったね?」


「そうですね。」


マコトさんと僕は扉の方を向いたまま会話をしていた。

それだけ、衝撃的な感じだった。


僕はマコトさんの方へと顔を向ける。同じくマコトさんも僕の方へと顔を向けた感じだった。ふっとマコトさんの横顔が見える。


「あれ?」


「うん?どうしたジュン君?」


「い、いえ。なんでもありません。」


僕の目の錯覚だろうか?一瞬、ほんの一瞬だけだが、マコトさんの横顔が女性の顔に見えたのだ。ドギマギする気持ちを抑える僕。感情はマコトさんという一人の男を女と捉えてしまっているらしい。どうやら、かなり重症の様だ。


「本当にどうしたんだい?大丈夫か?」


「ええ。大丈夫です。」


マコトさんは本当に心配そうに僕の顔を覗き込む。

そして、そっとその手を僕の額におく。


「熱は無い様だね?」


ひんやりとした手が気持ちいい。

はっ?!イカン!!

僕は自分の顔を両手で叩く。


「よし!」


「本当に大丈夫かい?」


「ええ。気合い入れましたから、本当に大丈夫です。」


「気合い?相変わらず面白い奴だなぁ。」


「そうですかね?あははは。」


笑って誤魔化すに限る。

と、そう言えば、マコトさんはどうしてきたのだろうか?


「で、マコトさんの用事は何でしょうか?」


「うん?あぁ、ただ友達に会いに来ただけだよ。」


あれ?何か違和感。


「本当ですか?」


「あぁ、本当だとも。」


これ以上の詮索は止めておこう。

言いたくなったら、言ってくれるだろう。


「そうですか。で、黄道十二宮の勇者の活動はどうですか?」


「うん?まぁボチボチかなぁ~。」


「そうですかぁ。じゃあ、どれくらいここに居られそうなんですか?」


「う~ん。まぁ二、三日って所だね。」


「おつきの方は居ないんですか?」


「残念ながら居るよ。無理言って宿の方で待機して貰っているよ。」


「お互い、大変ですね。」


「そうだね。まぁ僕の方はジュン君が大変になるとは思っていなかったんだけどね。」


「たしかに。」


「「あはははは。」」


僕達は、お互いの顔を見あいながら笑う。

やっぱ、好きだわ~、マコトさん。

この人と居ると、どんな些細な事でも楽しいし、笑える。

一通り笑い合った後、マコトさんが急に言い出した。


「そうだ。ジュン君に見てもらおうと思ったモノがあるんだ。ちょっと眩しくなるかもしれないけど良いかな?」


「えっ?ええ。良いですよ。」


「ありがとう。」


マコトさんが立ち上がり、少し広いスペースがある所へと移動する。


『我、黄道十二宮の巨蟹宮の支配者なり。我の言霊に応えよ。』


魔力の乗った言葉。魔力?うん?

そう思った瞬間に、辺りは真っ白い空間へと様変わりしたのだった。


次回更新は

2021年4月10日(土曜日)20時

よろしくお願いします。

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